日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
22 巻, 3 号
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原著
  • 前重 伯壮, 平沢 良和, 守口 舞輝, 吉川 義之, 丸尾 郁, 野口 まどか, 寺師 浩人, 藤野 英己
    2018 年 22 巻 3 号 p. 281-286
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル フリー

     糖尿病患者では、足関節背屈運動の関節可動域が低下することが報告されており、この機能障害は歩行時の足底圧を上昇させる足潰瘍発生因子である。ストレッチングは関節可動域の拡大を図る代表的な運動療法であり、下腿三頭筋に適用することによって足関節背屈の関節可動域を改善させることが健常者で報告されている。しかし、糖尿病患者に対する効果は明らかにされていない。本研究では、荷重下のストレッチングが糖尿病患者の足関節背屈可動域に与える影響を検討した。14 名の糖尿病患者を対象とし、足関節底屈筋群に対してストレッチングボードを用いて荷重下ストレッチングを20分間行い、介入前後に足関節背屈可動域を測定した。その結果、ストレッチングにより足関節背屈可動域が膝関節屈曲位および伸展位両方で有意に拡大した(p < 0.05)。本研究によって、下腿三頭筋に対する荷重下ストレッチングは、糖尿病患者の足関節背屈可動域制限に対する有効な介入手段であることが示された。

  • 飯坂 真司, 真田 弘美, 安部 正敏, 田中 秀子
    2018 年 22 巻 3 号 p. 287-296
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル フリー

     目的:加齢に伴う脆弱な皮膚は創傷発生のリスクとなる。本研究は、地域高齢者に対する脆弱な皮膚状態(スキンフレイル)のスクリーニングツールを開発し、妥当性を評価した。
     方法:65 歳以上の地域住民を対象とし、横断研究を実施した。ツール項目は文献や皮膚科医らの助言をもとに作成した。高齢者が回答できるよう平易な言葉で質問文を作成し、回答は2 件法とした。本人評価に加え、看護職1 名が独立して前腕部のデジタル写真に対し、所見を評価した。看護職評価値を用い、構成概念妥当性として探索的因子分析を、併存妥当性として角質水分量、皮膚粘弾性、超音波法による皮膚の厚みとの関連を評価した。
     結果:192名を解析対象とした。平均年齢は75.2歳、女性が181名であった。項目として2因子10項目が抽出された。「はり低下」因子には4項目が含まれ、合計得点は皮膚の最大変形R0(r=0.18、p=0.021)と正の相関を、復元率R2(r=-0.39、p<0.001)、皮膚の厚み(r=-0.42、p<0.001)と負の相関を示した。「乾燥」因子には6 項目が含まれ、合計得点は角質水分量と負の相関を示した(r=-0.40、p<0.001)。フレイル群は健常群にくらべ第1因子合計点が有意に高かった。
     結論:地域高齢者に対するスキンフレイルスクリーニングツールを開発し、看護職評価の構成概念妥当性、併存妥当性を確認した。

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