日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
24 巻, 4 号
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原著
  • 國光 真生, 仲上 豪二朗, 北村 言, 峰松 健夫, Sofoklis Koudounas, 大貝 和裕, 須釜 淳子, 高田 千嘉, 真 ...
    原稿種別: 原著
    2020 年 24 巻 4 号 p. 366-378
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル フリー
     褥瘡患者において創傷感染は生命にかかわる問題であり、創部や創周囲皮膚の細菌負荷を軽減するケアを実施しているにもかかわらず、いまだに制御することができていない。褥瘡患者の多くは寝たきりであることから、創部上 の細菌の供給源として寝床環境に着目した。しかし、寝床環境の細菌叢の形成過程はこれまでに明らかになっていない。そこで本研究では、感染褥瘡患者、非感染褥瘡患者、非褥瘡保有患者の寝床環境の細菌叢を調査し、多様性と 組成の経時的変化を検討した。細菌叢サンプルは臀部付近のシーツ、創部の中心、創周囲皮膚の3 部位から7 日間連続して採取された。細菌叢は16S ribosomal RNA 遺伝子解析を用いて特定した。得られたシーケンスをoperational taxonomic unitsに分類し、細菌叢の多様性を評価した。経時的変化の評価はシーツ交換翌日を起点とした。α多様性の解析では、全患者においてシーツの使用期間に伴う有意な経時的変化は認められなかった。またβ多様性の解析では、非褥瘡保有患者と比較し、褥瘡保有患者のほうが有意に寝床環境の細菌叢の経時的変化が大きかった。これらの結果は、寝床環境が創部細菌叢の供給源となっており、褥瘡の存在が寝床環境の細菌叢に影響を与えている可能性が高いことを示している。創傷感染予防において寝床環境も考慮した介入を実施することが効果的だと考えられる。
  • 玉井 奈緒, 桑田 美代子, 浦井 珠恵, 後 智子, 山下 由香, 峰松 健夫, 臺 美佐子, 中井 彩乃, 鄺 偉杰, 片岡 友紀恵, ...
    原稿種別: 原著
    2020 年 24 巻 4 号 p. 379-387
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル フリー
     目的:スキン- テアの発生は、患者に痛みや不安を生じさせる。スキン- テア予防のためには、日々ケアを行う看護師への教育が重要となる。本研究の目的は、長期療養型病院において看護師を対象にスキン- テア予防教育を実施し、その効果を検討することである。
     方法:長期療養型病院1 施設において前後比較研究を実施した。実施期間は2018 年12 月から2019 年8 月であった。看護師はスキン- テア予防教育のセミナーに参加し、スキン- テアの定義、リスク因子、分類システム、治療、予防ケアとケア用品(アームカバー、創傷被覆材、医療用シリコンテープなど)についての教育を受けた。教育効果を評価するため、教育前(1 ヵ月)のスキン- テア発生率と教育後(6 ヵ月間)の発生率を評価した。
     結果:42 名の看護師が教育セミナーに参加した。また97 名の高齢患者の前腕皮膚を確認した。調査施設では、教育セミナー後にスキン- テア予防のための保湿剤、医療用シリコンテープ、被覆材、アームカバーが新たに導入された。教育前1 ヵ月のスキン-テア発生率は2.1%であった。教育後6 ヵ月間のスキン-テア発生率の詳細は、教育1 ヵ月後4.2%、4 ヵ月後までは1.1%、6 ヵ月後0.0%であった。
     結論:スキン-テア予防教育の実施は、看護師のスキン-テアへの理解を深め、予防に役立つ可能性が示唆された。
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