目的:スキン- テアの発生は、患者に痛みや不安を生じさせる。スキン- テア予防のためには、日々ケアを行う看護師への教育が重要となる。本研究の目的は、長期療養型病院において看護師を対象にスキン- テア予防教育を実施し、その効果を検討することである。
方法:長期療養型病院1 施設において前後比較研究を実施した。実施期間は2018 年12 月から2019 年8 月であった。看護師はスキン- テア予防教育のセミナーに参加し、スキン- テアの定義、リスク因子、分類システム、治療、予防ケアとケア用品(アームカバー、創傷被覆材、医療用シリコンテープなど)についての教育を受けた。教育効果を評価するため、教育前(1 ヵ月)のスキン- テア発生率と教育後(6 ヵ月間)の発生率を評価した。
結果:42 名の看護師が教育セミナーに参加した。また97 名の高齢患者の前腕皮膚を確認した。調査施設では、教育セミナー後にスキン- テア予防のための保湿剤、医療用シリコンテープ、被覆材、アームカバーが新たに導入された。教育前1 ヵ月のスキン-テア発生率は2.1%であった。教育後6 ヵ月間のスキン-テア発生率の詳細は、教育1 ヵ月後4.2%、4 ヵ月後までは1.1%、6 ヵ月後0.0%であった。
結論:スキン-テア予防教育の実施は、看護師のスキン-テアへの理解を深め、予防に役立つ可能性が示唆された。
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