日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著
  • 三木 佳子, 澤井 尚子, 高木 良重, 前川 厚子, 法橋 尚宏, 國方 弘子, 土岐 弘美
    原稿種別: 原著
    2021 年 25 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
     目的:セクシュアリティの治療的コミュニケーション技術を抽出し、実践している状況を明らかにすることである。
     方法:9 名の皮膚・排泄ケア認定看護師がケアを実施している場面の会話を会話分析の手法を用いて質的記述的に分析した。
     結果:治療的コミュニケーション技術は、4つの局面と9つの特徴があった。【日常のケアを通じた信頼関係の構築】の局面には≪身体に触れるケアを通じた安心感の提供≫≪ありのままを表出できる存在としての地固め≫の特徴があった。【話題にしにくいセクシュアリティの話題の導入】には≪セクシュアリティの話題の提案≫≪セクシュアリティの言語化の抑圧の解放≫≪性的対象者との日常の関係の意識化≫、【セクシュアリティの話題の深化】には≪セクシュアリティを話題にする重要性の分かち合い≫≪セクシュアリティに関する秘めた思いの吐露の促進≫、【肯定的な性的特性と性的対象者との関係の成熟】には≪性的対象者から愛される存在であるという認識の促進≫≪性的対象者との関係の満足度の向上≫があった。
     結論:皮膚・排泄ケア認定看護師は知識を基盤に経験と直観でセクシュアリティを支援していた。セクシュアルウェルビーイングを目標に、患者の語りを促進する支援であった。基盤となる知識は、セクシュアリティの定義と主観的セクシュアルウェルビーイング、セクシュアリティ満足度指標であった。
  • 臺 美佐子, 峰松 健夫, 小川 佳宏, 高西 裕子, 須釜 淳子, 真田 弘美
    原稿種別: 原著
    2021 年 25 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
     目的:弾性ストッキングは主要なリンパ浮腫管理方法である。しかし、高温多湿な夏季には、装着継続のモチベーション維持に困難感を生じさせる。そこでわれわれは、この問題を解決すべくキシリトール加工したキュプラ繊維を用いた接触冷感弾性ストッキングを開発した。本研究の目的は、プロトタイプによる下肢リンパ浮腫患者への接触温冷感の効果および安全性を検証することである。
     方法:本研究は前後比較試験で、下肢リンパ浮腫患者をリクルートし、対象者は介入前(従来型)と介入後(接触冷感弾性ストッキング)を各1日自宅で装着して過ごした。アウトカムは、主観的な接触温冷感としてASHAREスコアである7 点法スケール質問紙に、装着直後と脱着時に回答した。その後、電話にて皮膚トラブルと浮腫状態についてインタビューし回答を得た。
     結果:分析対象となった者は下肢リンパ浮腫患者の女性13 名で、接触冷感弾性ストッキングによる有害事象が発生した者はいなかった。接触温冷感の評価では、11 名が装着直後では介入前より介入後のほうが冷たいと感じ、中央値+1(やや温かい)から-1(やや冷たい)へ有意に減少した(P=0.002)。一方、脱着時には両グループに前後で有意な差は見られなかった(P=0.133)。また、皮膚トラブルや浮腫増悪の生じた者はいなかった。
      結論:キシリトール加工したキュプラ繊維を用いた接触冷感弾性ストッキングは、下肢リンパ浮腫患者に対して皮膚トラブルや浮腫悪化なく接触冷感を感じさせる可能性があると示唆された。
  • 宮前 奈央, 土田 敏恵
    原稿種別: 原著
    2021 年 25 巻 1 号 p. 18-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
     目的:乳がん術後照射部位の皮膚バリア機能の治療前から治療終了後までの変化を経時的に明らかにし、乳がん術後照射によって生じる他覚症状および自覚症状と皮膚バリア機能との関連について検証することを目的とした。
     方法:乳がん術後照射を受ける女性患者を対象とし、前向き観察研究を行った。放射線治療開始前から治療終了後8週目まで経時的に皮膚バリア機能と他覚症状、自覚症状について観察、測定を行った。
     結果:28名を分析対象とした。対象者の平均年齢は56.9歳で、皮膚バリア機能のうち皮脂量は治療終了後1、2週目に上昇し、表皮pH は治療3週目と治療終了後1、2週目に上昇し、皮膚表面温度は治療2週目以降継続して上昇がみられた。他覚症状のうち紅斑がみられる時期は有意に皮膚表面温度が高く、落屑がみられる時期は、有意に角質水分量が低かった。自覚症状と皮膚バリア機能の関連は、掻痒感と皮膚表面温度に正の相関がみられた。
     結論:乳がん術後照射部位において、皮膚バリア機能は治療早期から治療終了後8 週目も継続して変化していた。また他覚症状の紅斑と落屑、自覚症状の掻痒感は皮膚バリア機能の変化の指標となることが明らかとなった。
  • -Three-point bending test、compression test による18製品の機械的測定-
    林 美代子, 浜野 克弥, 大垣 聡子, 小岩井 慶子, 松原 康美
    原稿種別: 原著
    2021 年 25 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
     【目的】単品系凸面型面板の柔軟性と凸部の硬度に着目して18製品の機械的測定を行い、凸面型面板を分類した。
     【方法】凸面型面板の柔軟性測定はthree-point bending test(3点曲げ試験)、凸部の硬度測定はcompression test(圧縮試験)を実施し、それぞれの測定値をグラフで示して解析した。双方の結果を基に、凸面型面板の柔軟性と凸部の硬度に着目した分類表を作成した。
     【結果】凸面型面板の柔軟性と凸部の硬度は、『柔軟性:低・凸部:軟』『柔軟性:低・凸部:硬』『柔軟性:中・凸部:軟』『柔 軟性:中・凸部:硬』『柔軟性:高・凸部:軟』の5 群に分類できた。1 つの面板に対し、凸面型面板の柔軟性と凸部の硬度、2つの要素があることが明らかになった。
      【考察】凸面型面板の選択は、面板自体の柔軟性と凸部の硬度に着目することで、より安全な選択が可能となることから装具の選択肢が広がることが示唆された。
  • 内匠 薫, 紺家 千津子, 遠藤 瑞穂, 松井 優子, 平松 知子
    原稿種別: 原著
    2021 年 25 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究では療養病床を有する一般病院のスキン-テア(以下、テア)の有病率、推定発生率ならびに保有者の実態を調査した。
     A 県内の療養病床を有する一般病院において、調査日は任意に設定した1 日とした。テアの知識のある施設の調査担当者がテアを同定し、施設とテア保有者の情報を調査用紙に記入した。分析は、病床区分別、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下、WOCN)在職の有無別で行った。
     9施設より調査協力が得られ、全患者数は1,626名、一般病床390名、療養病床1,236名であった。テア保有者は16名で、有病率は0.98%であった。自施設内発生者は一般病床3名と療養病床10名の計13名で、推定発生率は0.80%であった。自施設内発生者はWOCN の在職施設は632 名中2 名、不在施設は994 名中11 名と、発生者はWOCN 在職施設のほうが少ない傾向を認めた(p = 0.081)。テアの発生場面は、WOCN 在職施設では患者自身の行動のみであったが、不在施設では患者自身の行動以外に医療者のケアがあった。
     テアの予防ケアに精通したWOCNが在職することは、発生低減に貢献する可能性が示唆された。
feedback
Top