日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
ISSN-L : 2432-2776
最新号
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総説
  • 紀藤 圭治
    2021 年 6 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    質量分析やそれに関わる技術進歩がこれまでのプロテオミクス研究の発展に大きく貢献してきたことは,もはや言うまでもない.一方で,他の様々な手法もまた,それらの特性を生かしながら多くのプロテオーム解析に活用されてきた.また,プロテオームを含め大規模解析データは,個々の分子機能の効率的な理解に欠かせないものであるが,生命活動をそれぞれの分子が協調または拮抗しながら営まれている一つのシステムとして理解するための捉え方もまた重要である.そうした様々な技術や視点などについて,筆者が研究対象とする出芽酵母などの微生物を中心としたこれまでの研究例を紹介するとともに,プロテオミクス研究に求められるアプローチの多様性について私見を述べたい.

総合論文
  • 澤崎 達也
    2021 年 6 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    生体内のタンパク質の多くは,他のタンパク質と相互作用し複合体を形成することにより機能している.特に高等生物では,複合体タンパク質形成はタンパク質の機能制御機構の1つであることが明らかである.そのため複合体形成の理解を助ける相互作用タンパク質解析は,生物の高次機能を解明するための重要な研究テーマといえる.相互作用タンパク質を解析する手法として,近位依存性ビオチン化酵素を目的タンパク質に融合し,近接タンパク質をビオチン標識するBioID法の技術が開発された.最近我々は,膨大なゲノム配列データを基盤にin silicoにより祖先型タンパク質をデザインするアルゴリズムを用いて,新たな近位依存性ビオチン化酵素ancestral BirA for proximity-dependent biotin identification(AirID)の開発を行った.本総説では,近位依存性ビオチン化酵素として代表的なBioIDとTurboIDおよびAirIDの概要と,近位依存性ビオチン化酵素を用いたタンパク質相互作用解析の例について紹介する.

総説
  • 三浦 信明
    2021 年 6 巻 1 号 p. 17-27
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/07/28
    ジャーナル フリー

    質量分析(MS)を用いたメタプロテオミクスは,海洋水,土壌,糞便,唾液などのサンプルに含まれる非常に複雑な微生物の分類と全ての微生物が発現する全てのタンパク質をプロファイリングするための強力な手法である.メタゲノミクスでは,サンプル中の微生物の分類と遺伝子のプロファイルを行えるが,メタプロテオミクスで実際に発現するタンパク質をプロファイルすることで機能的な知見が得られ微生物群が「何をしているのか」がわかる.ヒトの腸内細菌は1,000種39兆個と言われ,個人ごとの種のバラエティも非常に大きい.当然その解析は大規模にならざるを得ない.本総説では,腸内細菌のメタプロテオミクスを中心にその概要と,解析ソフトウェア,腸内細菌データベース,大規模解析に関する課題などについて最近の動向を概説する.

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