人口学研究
Online ISSN : 2424-2489
Print ISSN : 0386-8311
31 巻
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表紙・目次
論文
  • 鈴木 透
    原稿種別: 本文
    2002 年 31 巻 p. 1-17
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    本稿では,出生力指標のコ-ホート対ピリオド関係に関する基礎的モデルについて考察する。目的はカンタム指標とテンポ指標,およびそれらの変化率のコーホート対ピリオド関係を,段階的・体系的に導出することである。モデルのクラスは,三段階を区別する。テンポ変化のみのモデルとしては,Bongaarts-Feeneyに代表される線型水平シフト・モデルと,Ryderモデルから派生する線型垂直シフト・モデルを扱う。カンタム変化のみのモデルとしては,やはりRyderモデルから派生する線型モデルと,指数関数的変化モデルを検討する。線型水平シフトと指数関数的カンタム変化を組み合わせた独立効果モデルを,Ryderモデルと比較する。これら全てのモデルについて,コーホート・モデルとピリオド・モデルを比較する。最後に各モデルにおいて,Ryder指標やBongaarts-FeeneyのATFRがどのようなふるまいをするのか分析する。そこではRyder指標はうまく行くがATFRは失敗する例が示される。
  • 藤野 敦子
    原稿種別: 本文
    2002 年 31 巻 p. 19-35
    発行日: 2002/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    わが国の少子化の主たる要因として,女性の仕事と育児の両立の困難さが挙げられるが,その背景にわが国の社会システムが依然,性別役割分業を基盤として成り立っていることが指摘できる。また,このようにジェンダー構造が固定されている中で女性達の価値観が大きく変化してきたために出産回避の傾向を生じていると考えられる。そこで,本稿の問題意識は二つある。まず,第一に家計内において夫が家事に協力的である場合や家事育児が可能な働き方をしている場合に,出生行動や妻の就業行動にプラスの効果があるのか,あるいは妻の育児と仕事の両立を可能にするのかということである。次に女性の価値観の変化,すなれち,伝統的な家族観の弱体化,個人主義的な傾向,性別平等意識の浸透が家計の出生行動と既婚女性の就業行動にどのような影響を与えているのかということである。本稿では,民間調査機関が実施した「夫婦の生活意識に関する調査(1994)」による個票データを用いて,(1)出生数関数,(2)妻の就業選択関数,(3)出産育児選択と妻の就業選択の同時推定といった3つの推計モデルにより実証分析を行った。本稿の分析から得られた最も重要な知見は,まず,既婚女性が出産育児と正規就業のトレードオフの中に置かれていること,しかし,夫の帰宅時間が早い場合にはその両立を支援する可能性があるということである。また,性別平等意識を持った女性は正規就業を選択すると同時に出産育児を回避する傾向が見られることである。本稿の分析は,今後,少子化対策が社会全体の性別役割分業の見直しを基本に据え,進められなければならないことを示唆している。
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