人口学研究
Online ISSN : 2424-2489
Print ISSN : 0386-8311
35 巻
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表紙・目次
論文
  • 西浦 博, 今津 里沙, 吉山 崇, 野内 英樹, 沢崎 康, 梯 正之, 石川 信克
    原稿種別: 本文
    2004 年 35 巻 p. 1-11
    発行日: 2004/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    わが国では1991-1992年にかけて外国人におけるHIV感染者の報告数の急増と引き続く激減を認めたが,未だ在日外国人中のHIV感染症の動向に関する詳細な説明が施されていない。われわれは東南アジア6力国を出身とする者を対象として,わが国で実際に報告されたHIV感染の新規登録者数と推定感染者数との間における生態学的相関関係を検討した。まず,逆計算法を応用することによって,対象とする国の母国における時系列のHIV感染症の粗有病率を推定した。その上で,出入国統計と粗有病率を利用して,1986-2001年の各年度に対象国出身で日本に滞在している外国人における大まかなHIV感染者数を算出した。それらを基に実際のHIV感染新規登録数との生態学的相関関係を検討するために単変量および多変量線形回帰分析を実施した。わが国でのHIV感染症報告数に対して,東南アジア対象国出身者のうちの時点滞在者数(R^2=0.2800),およびそれらの間における推定されたHIV感染者数(R^2=0.6007)の両方に相関関係を認めた。このことから東南アジア諸国を出身とする外国人の出入国の動向,およびそれと同時に背景因子としての各国におけるHIV感染症流行状況が,わが国でのHIV感染症報告数に影響を与える主な要因であることが示唆された。また,以上の分析と共に重要と思われる他の要因を考察した。
  • 内藤 楠登, プラン ミッシェル
    原稿種別: 本文
    2004 年 35 巻 p. 13-33
    発行日: 2004/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    あらゆる人口学的データが示すように沖縄は世界でも有数な長寿地域であるといえる。2000年における沖縄県男性の平均余命は全国平均とさほど変わらないが,沖縄県女性の平均余命は全国平均に比べ1.4歳高く86.01歳に達し,人類の平均余命の限界といわれた86歳をも上回った。2003年における高齢者が全人口に占める割合から見ても,全国平均では10万人中百歳を越える高齢者の割合は15人程度だったが,沖縄では40人以上だった。日本が世界でも有数の長寿国になり,あらゆる分野の研究者が日本人の死亡パターンの研究に携わった。疫学者や老年学者は日本人の食生活やライフスタイルに着目し,他分野の識者は公衆衛生の重要性を示唆したが,沖縄は,世界でも例外的といえる日本(本土)よりさらに例外的だと言える。本研究を通じ沖縄では既に1980年代後半より若年及び壮年層において死亡率が上昇傾向にあったことを確認した。沖縄の死亡率上昇の兆候はかなり前から見られていたが,1995年には都道府県中4位だった沖縄県男性の平均余命が2000年に26位に後退し沖縄の人々に衝撃を与えた。現時点で人手可能な生命表と死亡確率の推移から得た研究結果から,沖縄と本土の死亡確率線の比較を行ったが,ある一定の年齢から死亡確率の高低が逆転する現象が見られた。この比較結果から,沖縄には(本土に比べ)低死亡確率に特徴付けられた戦前世代と,高死亡確率の戦後世代からなる二つの死亡パターンが存在していることが判明した。本論文では本土と比較した場合の沖縄の死亡パターンの例外性の原因,主に生活パターンの変化や高齢者の戸籍の信憑性についても言及したい。
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