人口学研究
Online ISSN : 2424-2489
Print ISSN : 0386-8311
37 巻
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表紙・目次
会長講演
論文
  • クマール アロック, 嵯峨座 晴夫, ヤダヴァ
    原稿種別: 本文
    2005 年 37 巻 p. 11-30
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,北部インド農村の高齢者の地位について,それに影響を与える健康状態とその他の要因などとの関連において考察を行うことである。そのために,(1)高齢者の健康状態,(2)高齢者に対する家族の態度や行動,(3)資産あるいは負債の観点からみた家族内における高齢者の地位に与える,社会経済的,人口学的,文化的な諸変数の効果,をみるために重回帰分析を行う。とりあげる3つの従属変数は,相互に関連しているが,ここではそれぞれ別々に説明される。説明変数は,高齢者が所属する世帯レベルのものと個人レベルのものである。息子に対する満足度,世帯の社会経済状態,高齢者の年齢,教育程度などが,北部インド農村における高齢者の福祉水準を規定する重要な要因であることが明らかになった。高齢者が負債(負担)であるかどうかについては,高齢者の年齢,世帯の社会経済状態,所得,職業などによって大きな違いがみられた。また,この研究では世帯の社会経済状態と高齢者に対する家族の行動との間に強い関連があることが明らかとなった。この研究は,北部インド3州の農村における980人の高齢者の無作為サンプルによるものである。
  • 高田 しのぶ
    原稿種別: 本文
    2005 年 37 巻 p. 31-46
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,家計経済研究所『消費生活に関するパネル調査』を用い,未婚女性の親との同居,親の年収が労働供給に影響を与えているかどうかを検証したものである。親との同居は,未婚女性の労働供給を減少させている。しかし,親との同居が労働供給を減少させる理由は年齢によって違ってくる。親が若いうちは,両親と同居していることにより,両親の援助のもとで,労働供給を減少させているが,この状態をいつまでも享受できるわけではなく,親が歳をとってくると,父親の世話をすることにより,労働供給が減少してくる。また,親の年収は労働供給には影響を与えない。つまり,未婚女性は,非勤労所得として親の年収を自由に使えるという状況にはない。結論としては,パラサイト・シングルとして親との同居により,労働供給が減少するということは,若いうちにはみられるが,親が歳をとるにつれこの効果はみられなくなり,父親の世話をすることにより労働供給が減少してしまう状況になるといえる。
  • 原 俊彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 37 巻 p. 47-65
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    合計特殊出生率(TFR)の動きをより正確に理解するためには,一人の女性が生涯のどの時期に(何歳で)子供を産むかというタイミングの変化を示すテンポ(tempo)要因と,一人の女性が生涯に何人の子供を産むかという生涯出生力の増減を示すカンタム(quantum)要因に分けて観察する必要がある。このテンポ要因とカンタム要因への分解には様々な方法があるが,ライダー(Norman B. Ryder)がその先駆的な研究において示したRyder指標(Ryder Index)が最も良く知られている。しかし,この指標を実際に試算するにはコーホートに沿い長期にわたる各歳別出生率データが必要であり,結果的に分析可能な対象期間が著しく限定される。また計算も非常に煩雑であるなどの困難に直面する。そこで本稿では,比較的人手が容易な合計特殊出生率(TFR)とコーホート合計出生率の時系列データのみを用い,ほぼ同様の指標を求める方法(簡易法と呼ぶ)を提示するとともに,数式により共通点と相違点を確認,両者が十分に近似しうることを示した。またスイスの長期データや,戦後の各歳別出生率データが得られた旧西ドイツ地域,旧東ドイツ地域,オーストリア,オランダ,日本の事例をもとに計算結果を比較し,両者の変動パターンが極めて近似すること,またその相違は,平方平均二乗誤差率(RMSPE : the root mean square percentage error)で概ね1%-2%,最大でも5%-6%に留まることを明らかにした。
  • 田畑 朋子
    原稿種別: 本文
    2005 年 37 巻 p. 67-82
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    ロシアの人口は,1989年と2002年の国勢調査の間に,自然減少により大きく減少したが,その主要因は男性の早死と出生率の低下であった。本稿では,他国で例を見ないような男性の早死について,その原因を把握し,地域別特徴を明らかにするために,これまで利用できなかった1989〜2002年の14年間における地域別の年齢別死亡率のデータを用いて分析を行った。まず,男性およびそのうちの労働可能人口の死亡率が高い地域と低い地域がこの14年間においてほぼ固定されていることを確認した。男性について労働可能人口(16-59歳)の死亡率の悪化が際立っていることから,次に,労働可能人口の死亡率とその死亡要因の地域別データについて,続いて,25-44歳の年齢層における5歳ごとの年齢別死亡率と労働可能人口の死亡要因の地域別データについて,主成分分析とクラスター分析を利用した分析を行った。その結果,40-44歳の男性死亡率が高い地域,すなわち,欧露部中央と北西(モスクワ市とサンクトペテルブルグ市を除く)では循環器系の疾患による死亡が多く,25-34歳の男性死亡率が高い地域,すなわち,東シベリア南部とカリーニングラード州などでは事故・中毒による死亡が多いことが明らかにされた。この結果は,ロシア男性の早死の原因として,1992年以降の体制転換の影響とアルコールの影響がともに大きいこと,しかも,それらが地域によって異なる形の死亡数増加として現れていることを明らかにした。
研究ノート
  • 石川 義孝
    原稿種別: 本文
    2005 年 37 巻 p. 83-94
    発行日: 2005/11/30
    公開日: 2017/09/12
    ジャーナル フリー
    The purpose of this paper is to elucidate possible reasons for the difference in the number of foreign residents in Japan in 2000, with respect to the two major population statistics: the population census and statistics on registered foreigners. Based on an examination of the ratios calculated from the numbers common to the two statistics, and interviews with the organizations concerned, the following findings have been obtained. Regarding the situation that the number from the statistics on registered foreigners is higher than that from the census, the following four specific reasons are conjectured. First, the times at the two sets of statistics differ by three months. Second, foreigners holding "temporary visitor" residence status are included in the registration statistics only. Third, registered foreigners may have left Japan with a re-entry permit at the time of the census. Fourth, a certain number of the registered foreign residents did not cooperate with the census due to their illegal hope to work. As for the situation that the number of residents in the census exceeds that of the registered foreigners, it is recognized that civilian foreigners with US nationality who work within the United States' military bases in Japan tend to consider it unnecessary to follow the registration procedure. Among the five reasons mentioned above, the attitude of non-cooperation with the census is conjectured to be the most important. In terms of nationality, Philippine citizens exhibit the greatest difference between the two statistics. Thus, the conclusion is that the number of foreign residents in Japan shown in the census reports tends to be under-representative; the number in the registered foreigner statistics is more reliable.
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