蛋白質価の測定法を簡易化する目的で, 制限給与法により予備飼育した合計344羽の1週齢ヒナに, 対照飼料の給与量をかえて与えたり, あるいは, エネルギーや無機物含量をかえた試験用飼料を与えた。
自由摂取の場合の飼料摂取量の73%までの量であれば, 増体量の代りに単位飼料摂取量あたりの増体量を計算することにより, 飼料摂取量の差による増体量の差を打消すととができる。したがって, 自由に食べさせて, 飼料100gあたりの増体量を計算することにより, 実際の蛋白質摂取量ではなく, 飼料中の蛋白質含量にもとずいて蛋白質価を評価できる。
飼料中の代謝エネルギー含量が3.8kcal/gという高い水準の場合に, 0.3kcal/gだけ増減してもヒナの発育にはほとんど影響がなかった。したがって, 蛋白質価の評価にあたり, 普通はサンプルのエネルギー含量を考慮しなくてもよいといえる。ただし, 試験用飼料中のエネルギー含量を一定に保つことは, 常に望ましい。
飼料中の無機物含量を1.5%増減してもヒナの発育にはほとんど影響がなかった。したがって, 蛋白質価の評価にあたり, 特に灰分含量の高いサンプルや, 灰分の組成が極端に偏っている場合を除き, 蛋白質価の評価にあたり, サンプルの灰分含量をあまり考慮しなくてもよい。
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