日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
11 巻, 5 号
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  • 大槻 公一, 入谷 好一, 青山 茂美, 飛鷹 茂忠, 峰下 銕雄, 川崎 喜代司, 中元 弘次, 江藤 禎一
    1974 年 11 巻 5 号 p. 151-156
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    イーライリリー社製のTCNDワクチンの幼すうに対する安全性と免疫効果, 二, 三の他ワクチンとの疫反応の比較検討を行なった結果, 以下の成績が得られた。
    1. 本ワクチンの幼すうに対する安全性については, 4日齢以降のヒナに接種した場合に限って認められた。
    2. 幼すうに対する免疫効果 (感染防禦能) は移行抗体フリーのヒナでは88~100%の接種ヒナに認められたが, 移行抗体保有ヒナでは低かった。
    3. B1株, 生ワクチン不活化ワクチンと本ワクチンの抗体の推移を比較検討した結果, 本ワクチンの場合他2者に比較し, HI価は低かったが中和抗体価はほぼ同程度であった。
    4. 本ワクチンを胸筋々注, 静注, 翼下皮内穿刺した場合は良好な免疫効果が認められたが, 経口および点眼投与では免疫効果はほとんど認められなかった。
  • 重野 嘉吉, 田中 桂一
    1974 年 11 巻 5 号 p. 157-162
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏ヒナの体脂肪率は, 飼料蛋白質含量の変化によって容易に影響を受けることが報告され, この現象にホルモンが関連しているように示唆されている。そこで本実験は, DES, テストステロン, サイロキシン, チオユラシールおよびプロラクチン投与が, ヒナにおける飼料蛋白質の脂肪蓄積抑制効果に如何なる影響を及ぼすかを検討する目的で実施した。
    供試ヒナは市販の肉用種144羽を用い, 2週齢から, 粗蛋白質が20%と26%の高低両レベルで, 可消化養分総量がともに73%の2種類の飼料を給与し, 3週齢から6週齢まで, 各種ホルモン類を単独で投与し, 屠殺解体後, 腹腔脂肪率を求め, ホルモン無投与の対照区と比較検討した。その結果は次のとおりである。
    1) DESは脂肪蓄積を有意に増加させた。また有意性は認められなかったが, 飼料蛋白質の脂肪蓄積抑制効果を阻害しない傾向を示した。
    2) テストステロンは対照区と変らぬ脂肪蓄積を示し, しかも蛋白質の脂肪蓄積抑制効果も阻害しなかった。
    3) サイロキシンは脂肪蓄積を有意に低下させたが, 飼料蛋白質の脂肪蓄積抑制効果を阻害しなかった。
    4) チオユラシールは脂肪蓄積を有意に増加させ, さらに蛋白質の脂肪蓄積抑制効果を完全に阻害させた。
    5) プロラクチンは脂肪蓄積に有意な変化を示さなかったが, 雌だけに蛋白質の脂肪蓄積抑制効果を阻害する効果を示した。
  • III. 4代, 5代および6代鶏の成績について
    吉田 実, 多田 昌男, 番匠 宏行, 松島 正洋, 木庭 研二, 飯野 雅夫, 梅田 勲
    1974 年 11 巻 5 号 p. 163-178
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    種鶏の繁殖能力におよぼす炭化水素酵母の影響を検討するため, 農林省畜産試験場と6県の研究機関の協同研究として累代飼養試験を行なった。5世代にわたり継続して, 対照飼料もしくは国内の4社でn-パラフィンに培養した酵母4種類のいずれかを15%含む酵母飼料を与えて飼育した, 4代と5代の合計1,290羽の成績, それらの種卵計6,550コによるふ化試験成績および6代目のヒナ740羽に普通の育すう用飼料を与えた成績を要約するとつぎのようであった。
    1) 酵母飼料を与えた4代のヒナの発育と5代のヒナの飼料摂取量とが, 対照区より劣る傾向であった。同一育すう飼料を与えた6代目のヒナの発育が正常であったことから, 酵母飼料給与区のヒナの発育が遅れる原因は, 主として酵母飼料の栄養素のアンバランスによるもので, 酵母自身の影響とはいえないと考えられる。
    2) 産卵期間中の成績は, 産卵率, 飼料摂取量, 飼料要求率, 卵重および生存率について, 対照区と酵母区との間に差は認められなかった。4代鶏の酵母区の36週齢体重は, 対照区より少し軽いが, 5代鶏では体重に差が認められなかった。
    3) 4, 5代鶏の酵母区の受精率および4代鶏の酵母区の受精卵ふ化率は対照区より高く, 5代鶏のふ化率は逆に低かったが, この差は統計的に有意とはいえなかった。
    4) 5代鶏では, 体重と飼料要求率において, 同一場で同一飼料を与えた2反復区間の成績の変動が, 対照区, 酵母区とも異常に大きかった。また, 5代鶏の受精率が両群とも異常に低い例が, 6場中の2場で認められた。この知見は, 閉鎖系で近親交配を続けたための悪影響があらわれたことを示すと考えられるが, 6代目のヒナが正常に発育していることから, 5代鶏でも, 正常なヒナを生産する能力はもつものと考えられる。
  • IV. 3代鶏の36~108週齢の成績について
    吉田 実, 多田 昌男, 番匠 宏行, 松島 正洋, 木庭 研二, 飯野 雅夫, 梅田 勲
    1974 年 11 巻 5 号 p. 179-189
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    畜産試験場と6県の研究機関の協同による累代飼育試験において, 合計711羽の3代鶏で, その半数は炭化水素酵母を15%含む飼料を, 初代, 2代と継続して与えたものを, 108週齢まで引続き飼育した。成績は, 20~108週齢の間を8週間を1期とする11期に区分して示した。また, 104週齢以上になったときに, 種卵合計3,083コを採取してふ化試験を行なった。
    1) 酵母区の産卵率は, 対照区の産卵率より高く, その差は統計的にも有意であった。両区の産卵率の差は, 第7期, すなわち, 供試鶏がふ化後約1年半を経過した頃より顕著となった。
    2) 産卵率の差は, 飼料要求率にも影響し, 第7期以後, 酵母区の飼料要求率がすぐれていた。
    3) 飼料摂取量は, 両区間でほぼ同じであって, 季節的な変動がみられた。平均卵重, 体重, 受精率, ふ化率にも, 両区間で有意差は認められなかった。
    4) 108週齢までの生存率は, 平均91%で, よい成績であった。死亡鶏の病因で, 酵母の給与によると考えられるものはなかった。岐阜では, 12羽が内臓型白血病で死んでいるが, 対照区の死亡率は, 酵母区に比して有意に高かった。
  • 中広 義雄, 一色 泰, 奥村 純市
    1974 年 11 巻 5 号 p. 190-193
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏における非蛋白態窒素の利用性について知るため, 20羽の7カ月齢の成鶏雄に人工肛門を設着して1日80gの実験飼料を給与し, 尿の窒素成分, 窒素出納および体重の変化につき調べた。実験飼料には10%のカゼイン飼料を対照飼料とし, 非蛋白態窒素にはL-グルタミン酸, リン酸-2-アンモニウム, クエン酸-2-アンモニウムおよび尿素を用いて, 10%カゼイン飼料のうち5%カゼインのそれに相当する窒素をこれら非蛋白態窒素と代替することにより非蛋白態窒素飼料を作成した。
    尿窒素排泄はカゼイン飼料, L-グルタミン酸飼料およびクエン酸-2-アンモニウム飼料給与の場合ほぼ同じような値を示したのに対し, 尿素飼料給与の場合はこれらよりも高い値を示した。糞窒素はリン酸-2-アンモニウム飼料給与の場合, 他の実験飼料給与の場合に比べ高い値を示した。その結果, 窒素出納ではクエン酸-2-アンモニウム飼料およびL-グルタミン酸飼料がカゼイン飼料と同程度に示され, リン酸-2-アンモニウム飼料がこれに次ぎ, 尿素飼料が最も低く負の値となった。
    これら実験飼料給与時の排泄尿窒素成分についてみると, 尿酸態窒素排泄は一定比率を示さず, アンモニア態窒素排泄はリン酸-2-アンモニウム飼料およびクエン酸-2-アンモニウム飼料給与の場合に多く, 尿素態窒素排泄は尿素飼料給与時に著しく多かった。総クレアチニン態窒素排泄は尿素飼料給与時に高かったほかはほぼ一定値を示した。
  • 吉田 実
    1974 年 11 巻 5 号 p. 194-196
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    炭化水素酵母には, 酵母類に共通で独特の酵母臭があり, これが鶏肉や鶏卵に移行して, その風味を害することが考えられる。そこで, 酵母15%配合飼料を与えた3代目の鶏で, 113週間以上酵母飼料を与えたものが生産した卵とその肉の風味を, 3点嗜好試験法によって, 対照飼料給与区の肉と卵の風味と比較した。
    116人によるテストの結果, 酵母の給与が鶏肉, 鶏卵の風味におよぼす影響は検出できなかった。したがって, 酵母臭が鶏肉や鶏卵に移行するとはいえない。
  • 忍垂 紀雄, 榎本 貞二, 内田 三郎, 生井 和夫, 吉田 貢
    1974 年 11 巻 5 号 p. 197-198
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    平飼開放鶏舎において同一密度で, ブロイラーの群の大きさと育成成績の関係を明らかにするため, 大型専用種9,720羽を3.3m2当り45羽の飼育密度で30m2と120m2の室に雌雄混飼でそれぞれ405羽と1620羽を収容し, 1973年, 冬, 春, 夏の3季について日63間試験を実施した。
    その結果, 育成率, 体重の斉一性, 飼料消費量, 飼料要求率には, 大群区と小群区との間の統計的有意差は認められなかったが, 体重については, 5%水準で有意差が認められ小群区の方が大群区に対し優れていた。また, 育成率については, 有意差は認められなかったが, 夏期に育成率が低下する傾向がみられた。
  • 1974 年 11 巻 5 号 p. 199-200
    発行日: 1974/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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