日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
14 巻, 1 号
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  • 性成熟日齢と産卵率•生存率について
    米倉 久雄, 鳥居 幸男, 池谷 守司, 石川 幸市, 谷藤 猛
    1977 年 14 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵用鶏の育成期における光線管理が, その後の産卵能力に及ぼす影響を検討するため, 異なる暦月にふ化した同一銘柄のコマーシャルびなを用いて3回の試験を行なった。
    すなわち, 第1回の試験は1965年2月•4月•6月•8月•10月•12月にふ化したひなを用い, 120日齢まで自然日長下で飼育し, 121日齢以降は14時間照明になるよう点灯した。第2回は1967年4月•7月•10月および1968年1月にふ化したひなを用い, 154日齢まで自然日長下で飼育し, 155日齢以降は照明時間が毎週15分づつ増加するように点灯した。そして照明時間が16時間に達した後は増加をやめ, この時間を継続した。第3回は1969年4月•6月•8月•10月•12月および1970年2月にふ化したひなを用い, 120日齢まで自然日長下で飼育し, 121日齢以降15時間照明になるよう点灯した。
    これら3回の試験成績から性成熟, 産卵能力, 生存率の関係を検討した結果は次のとおりであった。
    1) 121日齢か155日齢から点灯を行い, そのときの自然日長より長い一定もしくは漸増の照明時間を与えたにもかかわらず, ひなは点灯前までの自然日長時間推移の影響を強く受け, その結果として, 性成熟は3回とも秋(10月) と冬 (12月•1月•2月) にふ化したひなが早く, 夏 (6月•7月•8月) にふ化したひなが遅く, 春(4月) ふ化したひなはその中間であった。
    2) 690日齢までのヘンデー産卵率は, 3回とも秋または冬にふ化したひなが高い産卵率を示した。
    3) 初産日齢と産卵数との相関係数を, 初産より510日齢まで, 570日齢まで, 690日齢までの3期間をとり, それぞれ生存鶏について各試験ごと, ふ化月ごとに求めた。その結果, 各試験回の値 (各ふ化月群を一括して)は3回とも負の有意な値 (第3回の690日齢が5%水準, その他はすべて1%水準) を示し, 初産日齢の早い方が多産であることが認められた。
    また各期間•各回における各ふ化月毎の値も, 第1回の6月びなの510日齢までを除いてすべて負の数値を示した。このことは前述の各回毎の値とともに性成熟の早いものが高ヘンデー産卵率であったことを示すものである。
    4) 性成熟日齢と生存率との間には一定の傾向はみられなかった。
  • 小宮山 鐵朗, 上野 孝志, 宮園 幸男
    1977 年 14 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    1週齢時より, CP40%およびCP70%の2種類の高蛋白質飼料並びに幼雛飼料 (CP20%) を給与し, ファヨウミ, WL-F-dw, WL-F-DWの3鶏種の痛風発症率を調べたところ, ファヨウミでは, 両高蛋白質飼料給与によって脚関節に痛風結節を示す鶏が多数出現した。一方他の鶏種には, 痛風結節を示す鶏は皆無であったが, WL-F-dwではCP70%飼料区に衰弱死が多くみられた。
    7週齢時の血漿尿酸値は, いずれの鶏種も高蛋白質飼料を給与することによって大幅に上昇したが, 中でもファヨウミは, CP17%飼料給与およびCP70%飼料給与のいかんにかかわらず, 常に他の鶏種より高い値を示した。
    高蛋白質飼料の給与によってひき起される痛風もしくは斃死を, 高蛋白質に対する耐性を示す1つの指標と考えると, ファヨウミは供試鶏種の中で最も蛋白質耐性が弱く, 次いでWL-F-dwが弱いが, WL-F-DWのそれは強いものと判断される。
  • 小宮山 鐵朗, 上野 孝志, 宮園 幸男
    1977 年 14 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ファヨウミに5日齢から14日齢まで, CP40%飼料を給与して異常 (abnormality, 痛風 (Gout) と衰弱 (Inanition) を加えたもの) 発生の有無を調査し, 痛風を示したものを選抜して痛風系 (G系), 痛風を示さなかったものの選抜から非痛風系 (N系) の造成を行なった。
    選抜2世代で, G系の異常発生率は殆ど100%, N系の異常発生率は5.8%を示す両系統が造成された。
    また, 両系の交配実験から痛風は単純劣性形質である可能性が高いことが示唆された。
  • 1. 血漿アルブミン•エステラーゼ•アルカリ性ホスフアターゼの多型現象
    田名部 雄一, 杉浦 秀次, 伊藤 和喜
    1977 年 14 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本鶏の起源ならびに品種の成立過程を調べるためデンプンゲル電気泳動法により血漿アルブミン, エステラーゼ, アルカリ性ホスファターゼの多型現象を調べ, 各品種ごとに遺伝子頻度を求めた。
    血漿アルブミンでは日本鶏は全般にAlbBの頻度が高く, AlbAは地頭鶏にのみ認められた。AlbCはその成立過程にシャモが関与したと考えられる大シャモ, 蓑曳, 薩摩鶏及び土佐地鶏, 鶉尾, 尾曳に認められた。
    エステラーゼでは日本鶏は一般にEs-1Bの頻度が高く, これは外国鶏の卵用種においてEs-1Aの頻度が高いのと異なっていた。
    Es-1Cは尾曳, 小シャモなど小型の鶏に高い傾向が認められた。
    アルカリ性ホスファターゼではAkpの頻度が尾長鶏, 東天紅, 鶉尾などの耳朶色の白いものに高い傾向が認められた。耳朶色の赤い小国は低かった。これらのことから尾長鶏の祖先は小国だけでなく, 東天紅も関与している可能性がある。
  • I. ホルムアルデヒドによる燻蒸の効果
    古田 賢治, 佐藤 静夫
    1977 年 14 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    割卵し水洗した卵殼と乾燥鶏糞を貼着した卵殼を滅菌し, 大腸菌又は黄色ブドウ球菌の培養液0.05mlを卵殼表面又は貼着した鶏糞上に滴下した。一部の卵殼には黄色ブドウ球菌の培養液と滅菌した鶏盲腸内容物を等量宛混合し0.1mlを滴下した。デシケーター中で乾燥させ供試サンプルとした。卵殼1個当り105~107の菌が付着していた。
    プラスチックのエツグトレーの中央部に2~4個のサンプルを置き, 他の位置には正常卵を置いた。5枚のトレーを積み重ねてワイヤーバスケットに入れて燻蒸した。燻蒸室1m3当り40mlのホルマリンと過マンガン酸カリ20gを反応させガスを発生させた。
    0.5時間の燻蒸では約半数の卵殼から菌が回収され, 3.0時間の燻蒸でも菌が生き残っている場合があり, 濃厚な汚染を受けた卵殼は長時間の燻蒸でも十分な消毒効果は得られなかった。燻蒸前に105~106付着していた菌は0.5, 1.0時間の燻蒸後には100~101に減少したが, ごく僅かの菌が生き残っていた。0.5, 1.0時間の燻蒸で消毒が可能な場合は付着菌数が102以下の場合であった。燻蒸直前に汚染した卵殼を水で濡らしても消毒効果は高くならなかったが, 卵殼の汚れた部分を軽く数回擦って水洗すると菌が流失し消毒効果が高くなった。
    軽度に汚染された卵でもSPF鶏の種卵として使用することは不適当であり, 市販の雛を生産する場合でも汚卵は除外し, 軽度に汚染された卵は集卵後直ちに水洗したものに限り使用することが要求される。
  • 吉田 実, 星井 博
    1977 年 14 巻 1 号 p. 33-44
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ヒナによるリンの利用率の生物定量法における実験条件を検討した。初生ヒナに, 大豆粕からのリン0.3%を含む低リン飼料を与えると, クル病がみられその発生率は鶏種間で差が認められた。クル病は制限給与して育成した7日齢の白レグ種雄ヒナを使用することにより防ぐことができた。実験期間は10日で十分であって, 3週もしくは4週間の生物定量法の場合と同じ結論がえられる。脛骨灰分にもとずくより, 趾灰分にもとづく測定のほうがすぐれていた。飼料に添加したリンの含量が, 0~0.3%以下の条件でリン添加量と趾灰分との間に直線関係が認められた。
    これらの実験の結果からリン添加量と趾灰分含量との直線関係にもとづき傾斜比法により測定する10日間の簡単な生物定量法を提唱した。
    飼料用リン酸2カルシウムのリンの利用率とその95%信頼区間は, 99%と115~84%であった。魚粉のリンについては, それぞれ109%と127~90%であり, 黄色トウモロコシのリンについては, それぞれ0%と33~-31%であった。
  • 横内 圀生, 阿部 猛夫
    1977 年 14 巻 1 号 p. 45-46
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 2. 卵用鶏の産卵後期における給与実験
    田名部 雄一, 中村 孝雄, 田中 克英, 上吉 道治, 磯貝 岩弘, 田名部 尚子
    1977 年 14 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホーン種雌鶏に4週齢から66週齢まで, 基礎飼料に乾燥鶏ふんを0, 10, 15, 20%添加して給与した。産卵期 (22-66週齢) を通じて, 産卵成績には各区間に有意差は認められず, 1日1羽あたりの基礎飼料消費量は0%区122g, 10%区118g, 15%区115g, 20%区108gとしだいに減少した。基礎飼料要求率は0%区に比べ, 10%区では99%とあまり変わらないが, 15%, 20%両区では92%に低下し, 基礎飼料節約効果を示した。乾燥ふんを0, 10, 15, 20%飼料に添加給与した場合, 卵の比重, 卵白高, ハウユニット, 卵黄高, 受精率, ふ化率には各区に有意差は認められなかった。乾燥鶏ふんを0および20%添加した両区から得た卵の風味を官能検査した所, 有意差を見出せなかった。
  • 1977 年 14 巻 1 号 p. 52
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1977 年 14 巻 1 号 p. 53-54
    発行日: 1977/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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