ブロイラー専用種初生雛にヒ素, フッ素, カドミウム, 鉛, 水銀および銅を種々の量を添加した飼料を8週間給与した後, 筋肉, 皮膚, 肝臓, 心臓, 腎臓および羽毛の各部位のこれらの無機物分布量を調べた。
ヒ素, フッ素, カドミウム, 鉛, 水銀および銅の検出限界はそれぞれ0.1, 1.0, 0.01, 0.1, 0.01および0.1ppmであった。
基礎飼料中のヒ素, フッ素, カドミウムおよび銅の含量はそれぞれ0.1, 120, 0.05, 0.4および8.7ppmであり, 水銀は検出されなかった。
7.9ppm以下のヒ素を添加した飼料を給与したブロイラーの可食部位のヒ素含量は0.36ppm以下で比較的低かった。
カドミウムと銅は飼料中含量と可食内臓中含量とは比例的であった。
カドミウムと銅をそれぞれ3.6ppmおよび163ppmの比較的大量投与すると, カドミウムでは腎臓中2.36ppm, 銅では肝臓中に5.62ppm検出された。
0.49ppm以下の水銀を含有する飼料を給与したブロイラーの筋肉, 心臓, 筋胃および皮膚の水銀含量は0.02ppm以下で非常に低い量であった。この場合, 肝臓中には0.06ppm以下でやや高く, 腎臓では飼料中含量と比例的であり, 飼料中0.13ppmで最高分布量に達するようである。
羽毛中のカドミウムと水銀以外の供試無機物の含量はブロイラーの可食部位の含量より高かった。
本研究でもっとも高水準のヒ素, フッ素, 鉛および銅を含む飼料を給与した場合の羽毛中分布量は, それぞれ3.14, 24.6, 0.2および8.34ppmであり, カドミウムおよび水銀は0.13および0.04ppmであった。
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