飼料の蛋白質およびエネルギー含量が日本ウズラの環境温度による産卵におよぼす影響を調査する目的で, 実験1ではCP含量が16, 20および24%の各水準に, MEを1g当り2.7, 3.0および3.3kcalの3水準をわりつけた9飼料を, 中温期 (秋~春季, 平均室温21.2°C) と高温期 (夏季, 28.8°C) とに各2回ずつ給与した。実験2では, CP, MEとも実験1におけるよりも高水準側に拡巾し, CP 18, 24および30%の各水準に, MEを2.6, 3.1, 3.6kcalをわりつけた9飼料を, 中温期 (春季, 22.3°C) と高温期 (夏季, 29.7°C) とに各2回給与した。そして得られた各産卵成績を要因分析した。その結果,
1) 中温期と高温期による飼育温度および温度と飼料の要因との交互作川は有意でなかった。
2) 実験1, 2を通して, 産卵率はCP含量が高くなるにつれてざん減的に高くなり, 実験1では24%近辺から, 実験2では26%近辺から一定値を示した。CP 24%および26%近辺より高い水準では, ME合量が2.8kcalより高くなると産卵率は高くなった。本反応より産卵率に対する最適点はCP 25%, ME 3.0kcalにあると推定された。
3) 卵重には, CP 24%以下の範囲は産卵率にきわめてよくにた反応が示されたが, 24%からはCPとME含量が高くなると卵重はざん減的に大きくなった。
4) 飼料効率に対するCP含量の効果は24%附近までであったが, ME含量は3.6kcalまで飼料効率をざん減的に高めた。
5) 以上の成績から, 日本ウズラのもつ産卵率を最高に発揮させ, しかも卵重が大きく, 飼料効率を高く維持するためには, CPは25%で, MEを3.0kcalにする必要がある。
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