日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
17 巻, 1 号
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  • 一色 泰
    1980 年 17 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    80日齢の単冠白色レグホーン種雄雛に種々の飼料を給与し, 盲腸糞排泄の様相と窒素成分の排泄について調査した。
    供試飼料は, 1区に全粒小麦, 配合飼料およびそれにイタリアンライグラス繊維部10%, フェザーミール15%または魚粉10%を添加した飼料を給与し, 2区は同程度の粗蛋白質量になるようにフェザーミール15%あるいはカゼイン13%を配合した半精製飼料を, 3区にはカゼインを0%, 10%, 20%および30%配合した半精製飼料を給与し, 次のような結果が得られた。
    1) 1区の盲腸糞排泄量は全粒小麦給与が量も多く, イタリアンライグラス繊維部およびフェザーミール添加飼料給与では有意に少なかった。糞中に排泄される各種窒素成分の量は, 腸糞では全粒小麦給与で少なく, フェザーミール添加飼料で多くなった。これに反し盲腸糞では, 全粒小麦給与で多く, フェザーミール添加飼料給与で減少した。
    2) 同一粗蛋白質の飼料を比較した2区は, フェザーミール配合ではカゼイン配合飼料に比して腸糞の排泄量は約2倍に増加したが, 盲腸糞の排泄量は約1/2に低下した。またフェザーミールの配合はカゼインの配合に比して腸糞中の窒素成分量が増加し, 盲腸糞では低下した。なおいずれの飼料を給与しても, 排泄回数には変化がみられなかった。
    3) 飼料中のカゼイン含量が多くなると, 腸糞および盲腸糞中の窒素成分量はともに増加し, また血液中の窒素成分はカゼイン含量が30%になると増加した。
  • 一色 泰
    1980 年 17 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日齢の異なる単冠白色レグホーン種雄および飼料条件の異なる同鶏種雄を用い, 腸管環流法により盲腸内へ分泌される窒素成分量を測定し, 小腸内への分泌量と比較した。さらに血液中の窒素成分量との関係についても検討して, 次の結果を得た。
    1) 盲腸および小腸内への全窒素, 尿酸態およびアンモニア態窒素の分泌量は, いずれも成育の初期ほど多かった。
    2) 絶食鶏は, 配合飼料給与鶏よりも盲腸内への窒素成分の分泌量がいずれの成分でも多く, 魚粉添加配合飼料を給与した鶏では絶食鶏よりもさらに多く分泌した。これに反し, 小腸内の分泌量にはほとんど差がみられなかった。
    3) カゼイン含量の異なる半精製飼料を給与すると,盲腸内への窒素成分の分泌量は, カゼイン0%区は10%区よりも多いが, カゼイン含量が増加するにしたがってその分泌量も増加した。小腸内では全窒素以外の窒素成分は盲腸と同様の傾向を示した。
    4) 盲腸内に分泌された窒素成分はその大部分 (96%以上) が非蛋白態であったが, 小腸では蛋白態窒素が20~30%認められた。
    5) 盲腸内への窒素成分の分泌量が多いときには, 血液中の窒素成分も高かった。
  • 中谷 哲郎
    1980 年 17 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    γ線照射による菜種粕の抗甲状腺作用の減弱効果ならびに減弱に必要な線量を確かめるために, 適切な条件下における蒸熱処理とも対比して, γ線を照射した菜種粕をヒナに給与して3回の試験を行い, 成長および甲状腺などにおよぼす影響について検討した。また, あわせて菜種粕の抗甲状腺作用および栄養価に関係する二, 三の成分含量の照射による変動についても調べた。
    1. 菜種粕の oxazolidinethione (OZT), isothiocyanate および粗繊維含量は, 約60Mradの線量の照射によって顕著に低下した。また, 有効性リジンはいくらか損失したが, OZT含量の変動の程度は, 蒸熱処理による場合にほぼ類似していた。
    2. 20~70Mrad照射した菜種粕を20%まで配合した飼料を給与しても, ヒナの成長, 飼料摂取量および飼料効率には悪影響は認められなかった。OZT含量が顕著に低下した約60Mradの照射線量においては, ヒナの甲状腺重量は, 非照射の場合より有意に軽く, 蒸熱処理とほぼ同じ程度の減弱効果があることが認められた。
    3. 以上の結果から, 菜種粕に対するγ線照射は, その特殊成分の抗甲状腺作用を減弱する手段として有効であり, 減弱のためには60Mrad程度の線量の照射が必要であることがわかった。
  • 一色 泰
    1980 年 17 巻 1 号 p. 25-26
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    3か月齢の単冠白色レグホーン種雄に慣用配合飼料と全粒小麦を給与し, 盲腸基部を結紮してその中に小腸遠位端内容物を投入し, 盲腸内のpHを経時的に測定した。その結果, 開始後10分でそれぞれ盲腸内容物の恒常的pHに戻った。なお盲腸に分布する血管を結紮すると, 内容物のpHの下降速度は遅くなった。
  • 吉田 実, 星井 博
    1980 年 17 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    淡水産の藍藻 (Cyanophyceae) の一種スピルリナの製品の栄養価を, 化学分析ならびに, 1週齢ヒナ225羽を用いる生物定量法により検討した。
    製品の粗蛋白質含量は55.87%で, そのアミノ酸組成から含硫アミノ酸が第1制限アミノ酸といえる。粗脂肪は1.09%で, 総エネルギー4.59kcal/gであった。粗灰分7.18%で, そのうち, カルシウムは0.08%で著しく少ない。リンは0.78%であった。
    ヒナによる生物定量法による有効エネルギーは, 3.29kcal/gで, よく利用される。スピルリナの蛋白質あたり0.6%の割合でDL-メチオニンを添加して測定した蛋白価は108で非常にすぐれている。しかし, リンの利用率は41であった。
    スピルリナの配合量が10%以上になると消化が悪くなると報告されているが, 本研究では, 最高20%まで配合しており, 成長阻害が認められていない。したがって, 供試品はよく消化される良質な蛋白質ならびにエネルギー源であるといえる。
  • 吉田 実
    1980 年 17 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本と英国で, 同一菌株の酵母 (Candida lipolytica) をn-パラフィンに培養した2種の製品の栄養価を, 7日齢の白レグ種雄ヒナ240羽を3週間飼育する実験により比較した。比較は, 3週間の増体量, 飼料摂取量および飼料効率 (増体量/飼料摂取量) によるとともに, 飼料効率から傾斜比•生物定量法により有効エネルギーを計算し, また, 最後の48時間の排泄物を採取して, 代謝エネルギーを測定して行なった。
    英国産と日本産の製品の粗蛋白質含量は, それぞれ54.7%および59.9%であったが, ヒナの増体量, 飼料効とも, 日本産の製品のほうがすぐれていた(危険率5%)。また, 製品の代謝エネルギーは, どちらの方法で測定しても, 日本産のほうがすぐれており, 95%信頼区間が重ならないことから, その差は統計的に確認された。平均値は, 英国産2.67kcal/g, 日本産3.40kcal/gであった。
    栄養価の差は, 酵母培養後の加熱処理条件の差によると推定され, 日本の技術がすぐれている。
    同一の実験規模, すなわち供試羽数や反復試験区数が等しい場合, 代謝エネルギー測定法としては, 生物定量法のほうが, 飼料と排泄物の化学的分析によるより, むしろ精度が高く, 操作が簡単で, 分析技術, 測定器械, あるいは試薬類を必要としない利点がある。
  • 吉田 実
    1980 年 17 巻 1 号 p. 35-36
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 大川 隆徳, 山下 哲司, 正村 和彦
    1980 年 17 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    成鵜の網膜電図および終脳ブルスト表面視覚誘発電位に対する閃光刺激強度の影響を調べ, これらの脳の解剖組織学的特長および得られた電気生理学的知見を他の鳥と比較検討し, つぎの結果を得た。ストも, 鴉と同様に, 著しく発達している。
    2) 成鵜の加算平均網膜電図のa波の振幅は, 20~40Jで飽和値に達し, c波は刺激の強さが増すにつれて増加する傾向がある。一方, b波は弱刺激の2Jで, すでに, 最高値を示し, 40~80Jではむしろ減少する。
    3) 終脳ブルスト表面視覚誘発電位は20回加算平均により, 頭皮内より明瞭に抽出 (約50μV) され, 頭骨内では高振幅波 (150~250μV) が得られた。強刺激の20Jで誘発されるその波形は小さな2, 3の陽性-陰性成分に続き40~50msecおよび96~140msecに頂潜時をもつ陰性波から構成される。
  • 吉田 実, 生雲 晴久
    1980 年 17 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブラジルでは, ヒナに浸出性素因が多発し, その予防のために飼料にセレン (以下Se) を添加している。これは, ブラジルに, Se欠乏土壌地帯があり, その作物にSeが少なく, その作物を与えたヒナにセレン欠乏がおきることを示唆している。そこで予備的に, ブラジルのトウモロコシ, 大豆粕, およびSe添加配合飼料のSe含量を測定したところ, それぞれ0.049, 0.059, および0.096ppmであって, 大豆粕中の含量が著しく低かった。
    そこで, ブラジルの9ケ所で採取して加熱処理した土壌サンプル9点と, そこで収穫した黄色トウモロコシと大豆各々5点ずつのSeを測定した。大豆は粗脂肪含量を測定し, それから大豆粕中のSe含量を推定した。対照として, 本研究室で購入した黄色トウモロコシ, 大豆粕および魚粉のSe含量を測定して比較した。
    土壌中のSeは, 1.034~0.264ppmで, これと, そこで収穫したトウモロコシもしくは大豆のSe含量との間に相関関係は認められなかった。しかし, Seの少ない5カ所の作物中のSeは少ない傾向であった
    トウモロコシのSeは, 0.167~0.037ppmで, 対照の0.027ppmより多かった。
    大豆のSeは, 0.247~0.034ppm, 大豆粕換算で0.294~0.041ppmであって, 地域によっては, 対照の0.218ppmより著しく低い。
    土壌中のSe含量がほぼ同じ地域であっても, そこのトウモロコシや大豆のSe含量に大差のある例が指摘されている。
    この結果から, ブラジルにSe欠乏地帯があることは明らかであって, 今後大がかりな調査をする必要があろう。この調査は, 現在ブラジルがアメリカにつぐ世界第2の大豆輸出国であることを考えれば, 単にブラジル農業に対してだけでなく, すべてのブラジル大豆輸入国にとって重要なものといえる。
  • 薄 敬〓, 大久保 吾良, 富田 誓, 坂本 光男, 飯塚 庸
    1980 年 17 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 17 巻 1 号 p. 50-52
    発行日: 1980/01/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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