都市厨芥11点の化学的組成を測定するとともに, 8日齢の雄ヒナを使う生物定量法により栄養価を評価し, その変動の大きさを比較した。
ホテル食堂の副食を主とするサンプルA
1は, 粗蛋白質 (CP) 31.35%, 可溶無窒素物 (NFE) 24.34%, 総エネルギー (GE) 4.12kcal/gであった。これに主食の残りを混合したサンプルA
2は, CP 20.0%, NFE 45.07%, GE 4.35kcal/gであった。
東京地区で試作した3点のサンプルの平均値は, CP17.67%, NFE 48.99%, GE 4.96kcal/gで, サンプルA
2に似ていた。エネルギー利用率 (有効エネルギー/GE) と蛋白価は, 平均79および106で, 栄養価が高いことが示された。
静岡県の修善寺地区で試作された4点のサンプルの平均値は, CP 26.61%, NFE 26.61%, GE 4.35kcal/gであり, その粗灰分, カルシウムおよびリンの含量は, 東京地区のサンプル中の含量に比してかなり高い。エネルギー利用率, 蛋白価およびリンの利用率の平均は, それぞれ, 83, 88および91であった。
東京地区と修善寺地区のサンプル間に差が認められたが, これは主として主食の残りの含量の相違によるものであろう。同一地域で同一方法で処理したサンプル間の化学的組成や栄養価の変動は少なく, 生米ヌカなどの天然の飼料原料の変動と比較して同程度か, むしろ小さいといえる。
嗜好性が非常によいので, 主食の残りを適度に含む東京地区のサンプルやサンプルA
2は, そのまま, 市販のブロイラー用飼料と任意の割合で混合して与えることができるであろう。ただし, 産卵鶏用としては, カルシウムを補給する必要がある。修善寺地区のサンプルは非常に濃厚なので, 等量の穀類と混合した上で利用するようにするとよいであろう。また, ナトリウム (食塩) をはじめ無機物が過剰にならないような配慮が必要であろう。
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