日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
22 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 佐藤 孝二, 雨宮 陽子, 甲斐 蔵
    1985 年 22 巻 6 号 p. 289-296
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ハト(Columba livia var. domestica)の盲腸の形態学的観察を行い,次の結果を得た。なお,ハトとして,東山キャンパスおよび大森西住宅団地で採取したドバトを用いた。
    1)ハトの盲腸は,小型であるけれども,盲腸壁にはリンパ性組織がよく発達している。
    2)ファブリシウス嚢,胸腺の除去により,盲腸,脾臓の重量は減少し,対照の40~60%程度になった。
    3)ファブリシウス嚢の除去により,リンパ〓胞は消失した。胸腺除去では,〓胞は消失せず,盲腸の量的縮小のみが認められた。
    4)ハトの成長に伴い盲腸の重量が増加し,成長段階II(4ヶ月齢)で最大に達し,それ以後,成長段階III(6ヶ月齢),IV(成鳥)では減少した。
    5)盲腸重量は,テストステロンの血漿レベルが上昇すると減少する様に思われたが,明確ではない。エストラジオールの血漿レベルとは,関連が全く認められなかった。5)以上の結果は,盲腸のリンパ性組織はその発達が,ファブリシウス嚢,胸腺に依存し,ハトの盲腸は消化器としてよりも,リンパ性組織として機能することを示唆した。
    6)ハトのAge判定の指標として,盲腸が使用し得ると思われる。
  • 園田 豊, 茨木 久美子, 今井 清
    1985 年 22 巻 6 号 p. 297-303
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    WE系ウズラの産卵特性に関する基本的な資料を得ることを目的とし,クラッチパターンと放卵時間の規則性を検討した。14 L(06:00-20:00)/10 D下で6~23週齢にわたって産卵率•放卵時間の分布•クラッチの長さと休産日の出現頻度•クラッチ内の卵の放卵時間の推移について調べた。
    WE系ウズラは約6週齢で産卵を開始し,10週齢まで産卵率は急速に高まり,13週齢以降ほぼ安定した産卵状態となった。放卵は明開始後10~12時間に最も高く,明期後半7時間に79%が集中した。クラッチの出現は,加齢に伴ない1~3卵クラッチが減少し,4~5卵と10卵以上のクラッチが増加する傾向が見出された。クラッチを区切る前および後の休産日がいずれも1日である場合が60%以上の高率で出現し,しかも加齢に伴いその出現頻度は増加した。クラッチ内の卵の放卵時間の推移に基づき,クラッチを3つのタイプに分けることができた。タイプAは2~6卵クラッチに多くみられ,3~4時間の幅でC1からCtまで順次遅い時間に放卵が行なわれた。タイプBは長いクラッチで連日ほぼ同時間に放卵が続き,従って平均放卵間隔は約24時間であった。タイプCは,明暗期に関係なくほぼ24時間にわたって放卵を続ける型であった。
    以上の結果に基づき,産卵生理学の諸実験にWE系ウズラを用いる長•短所を考察した。302 日本家禽学会誌22巻6号(1985)
  • 中谷 哲郎, 桑原 明, 井上 京市, 木田 芳隆
    1985 年 22 巻 6 号 p. 304-310
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能の変動がおもにニワトリヒナの血液アスコルビン酸(AsA)濃度におよぼす影響について検討した。白色レグホーン種およびブロイラー専用種ヒナを用い,甲状腺機能促進剤としてヨードカゼイン(IC),また,甲状腺機能抑制剤としてチオウラシル(TU)をそれぞれ添加した飼料を3週間給与して,甲状腺重量と血液AsA濃度の関係について調べた。また,あわせて増体量,飼料摂取量および飼料効率,副腎および肝臓重量を測定した。
    1.白色レグホーン種雄ヒナを用い,それぞれ2段階のIC(0.01%,0.03%)およびTU(0.02%,0.06%)添加の影響について調べた実験1において,IC添加による甲状腺重量の有意な減少,一方,TU添加による増体量の有意な減少,甲状腺重量の有意な増加および血液AsA濃度の有意な低下が認められ,これらの変動はIC中谷ほか:甲状腺機能と血液アスコルビン酸 309およびTUの添加量の多い方がより顕著であった。
    2.ブロイラー専用種雄ヒナを用い,4段階のIC0.003%~0.012%)添加の影響について調べた実験2において,甲状腺重量についてのみ0.006%以上のIC添加で有意な変動が認められ,その重量はIC添加量の増加に反比例して段階的に減少した。また,この場合に血液AsA濃度はやや高くなる傾向を示した。この甲状腺重量と血液AsA濃度との間には有意な負の相関関係のあることが認められた。
    3.ブロイラー専用種雄ヒナを用い,4段階のTU(0.005%~0.02%)添加の影響について調べた実験3において,甲状腺重量)よび血液AsA濃度について有意な変動が認められた。0.01%以上のTU添加で,添加量の増加に比例して,前者は段階的に増加し,後者は逆に段階的に低下した。また,この甲状腺重量と血液AsA濃度との間には有意な負の相関関係のあることが認められた。
    4.以上の結果から,ニワトリヒナにおいて,甲状腺機能の変動にともなう甲状腺重量と血液AsA濃度との間には関連があり,甲状腺機能の抑制により血液AsA濃度は顕著に低下するが,甲状腺機能の促進によるその変動はわずかであることがわかった。このことは,ニワトリヒナにおいて,甲状腺機能の抑制がAsAの体内代謝にとくに密接な関係をもつことを示唆するものである。
  • 代表的4G.P.センターの事例研究
    杉山 道雄, 寺田 新吾
    1985 年 22 巻 6 号 p. 311-322
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 一色 泰
    1985 年 22 巻 6 号 p. 323-326
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    最近,鶏のケージ飼育が普及するにつれて軟便処理が重要な問題の一つとなっている。これは飼養方式によっているが,給与飼料の面からの対策も必要である。そこで,水分出納を多くするといわれている魚粉,大豆かす,糖蜜などを多く含む配合飼料を人工肛門設着鶏に給与して水分出納試験を行い,これら飼料原料が水分摂取量に及ぼす影響を明らかにしようとした。
    その結果,対照飼料(基礎飼料100:小麦粉10)に比し魚粉配合飼料(基礎飼料100:魚粉20:小麦粉12)および大豆かす配合飼料(基礎飼料100:大豆かす30:小麦粉13)を給与した鶏は水分摂取量が55mlおよび28mlそれぞれ有意に多くなり,水分排泄量もそれと同様な傾向がみられたが,糖蜜配合飼料(基礎飼料100:糖蜜10:小麦粉11)を給与した場合は対照飼料と差異がみられなかった。それら鶏により増大した摂取水分の排泄経路を糞尿別に比較すると,魚粉を添加給与した鶏では尿中へ,大豆かすを添加給与した鶏では糞中へそれぞれ多く排泄されることがわかった。
  • 上野 孝志
    1985 年 22 巻 6 号 p. 327-330
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    8ケ月齢の白色レグホーン産卵鶏を用い,周期的変温環境が,ニワトリの放卵時刻におよぼす影響について検討した。ニワトリは24時間連続照明下で,33°Cの一定ならびに27~33°C, 21~33°Cおよび15~33°Cの変温条件に感作した。定温条件下では,放卵時刻は24時間に亘ってほぼ均一に分布したが,変温条件下では,いずれも環境温度の上昇とともに放卵頻度が高まり,また下降とともに放卵頻度も低下するという,環境温度の上昇下降にほぼ一致した分布を示した。また,温度較差が放卵分布にも影響し,温度較差の拡がりにつれて分布の「尖度」が大きくなる傾向がみられた。しかし,21~33°Cと15~33°Cでは,それぞれ12°Cと18°Cの温度較差があるにもかかわらず,放卵分布のパターンには殆んど差は認められなかった。この原因として,両温度条件の下限温度(21°C, 15°C)が,ともに熱的中性圏にあることが考えられた。放卵分布のピークは,いずれの変温条件下においても温度周期のピーク時刻(12:00)より2~3時間前に現われた。
  • 1985 年 22 巻 6 号 p. 331-350
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 22 巻 6 号 p. 354-356
    発行日: 1985/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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