日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
24 巻, 5 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 杉山 道雄
    1987 年 24 巻 5 号 p. 269-279
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 園田 立信, 黒崎 順二
    1987 年 24 巻 5 号 p. 280-287
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏の交尾行動が夕方に多くなることはよく知られているが,その変動に対する社会的相互作用の影響を検討するために,給餌時刻を変更して,雄鶏の同性,異性との社会行動の日内変動を調べた。調査鶏には雄3羽と雌10羽からなる2群を用い,給餌時刻は午前の9時または午後の15時30分とした。その結果,(1)群内での雄の性的接近は午後遅くに多くなるが,そのピークは午後の給餌でさらに高くなった。(2)雌の許容の回数は午後遅くに多かったが,雄の接近に対する雌の許容の割合は給餌直後に高かった。それ故,午後遅くの許容のピークは午後の給餌でさらに高くなり,その結果,交尾同数が午後の時間に集中した。(3)雄間の闘争行動は摂食時間に著しく増加した。従って,このピークは給餌時刻の変更によって変化した。(4)午後の給餌は交尾行動と闘争行動の両者を午後遅くに増加させたが,この増加は群内の最上位の雄鶏によるものであった。摂食時間帯においては最上位雄の攻撃等の活動が活発となって,その優位性が顕著となり,これが群内の雌に影響して許容を増加させた可能性について考察した。
  • 島田 清司, 立松 昭範, 佐藤 孝二
    1987 年 24 巻 5 号 p. 288-294
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏において放卵にともなう摂食•飲水行動の著明な変化―放卵前の行動量の減少と放卵後の増加―に及ぼす要因を検討するため誘起放卵,誘起排卵および放卵阻止を行なった。摂食行動および飲水行動の記録には個別ケージに赤外線スイッチと静電容量感知スイッチを設置し,単位時間内のついばみ時間として表わした。正常放卵に関連し摂食および飲水時間は放卵1時間前に著しく減少したが放卵直後から急激に増加した。PGF(1μg/hen)を予定放卵の約3時間前に子宮内投与して10分以内に放卵を早期に誘起しても,その直後に摂食•飲水時間は増加しなかった。しかし,その卵が本来産卵されるべき予定時刻1時間前において摂食時間が減少し,予定放卵時刻後に急激な増加が起った。ヒッジLH(100μg/hen)によって予定より4時間早く排卵を誘起した。この時,放卵も早期に起り放卵時刻前後の摂食時間の変化は,通常放卵と同様であった。しかし,予定放卵時刻になっても通常放卵時にみられた摂食行動変化はみられなかった。インドメタシン(25mg/hen)投与により放卵は10時間以上遅延し暗期に起った。しかし,摂食時間は予定放卵時刻に関連して対照群と類似した変化を示した。
    以上の結果から,通常の放卵前にみられる摂食行動の減少は卵が子宮内に存在するか否かということには関係なく,放卵を調節している内在性の機構の影響を受けていると考えられた。その一つは,排卵に関連した機構であることが明らかとなったが,排卵のない最終卵放卵前でも摂食行動が減少したことから,排卵とは独立した要因も考慮に入れる必要があろう。
  • 秋葉 征夫, 田中 喜文, 松本 達郎
    1987 年 24 巻 5 号 p. 295-303
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏で発生する脂肪肝出血症候群(Fatty Liver-Hemorrhagic Syndrome, FLHS)を抑制する飼料要因を検索するための実験モデル(絶食-再給餌-エストロジェン注射系)を用い,12種の蛋白質源飼料と5種の穀類について脂肪肝抑制作用の有無を検討するため3回の実験を行なった。
    4週齢の白色レグホーン種雄ヒナを用い,2日間の絶食の後4日間試験飼料を再給餌し,この間にエストラジオールを5.5mg/kg体重のレベルで3回筋肉内に注射した。試験飼料給与した4日間の肝臓脂質蓄積量を測定し,さらに飼料摂取量の影響を除外するために正味の肝臓脂質蓄積に利用された飼料量を算出して補正した肝臓脂質蓄積活性を求めた。飼料はME3154kcal,CP20.3%のトウモロコシ-大豆粕(CS)飼料を標準にして,CS飼料の大豆粕を10%の蛋白質源飼料で置きかえるか,トウモロコシを他の穀類で置換し,同一MEおよびCPになるように設計した。
    魚粉(CP55,60そして65%),北洋ミール,フィッシュソリュブル,トルラ酵母およびアルコール蒸留粕を給与するとその肝臓脂質蓄積量はCS飼料よりも減少し,脂肪肝抑制作用が認められた。魚粉の配合割合が3,8,13および18%と増加するに従って,肝臓脂質蓄積活性は反比例して直線的に低下することが示され,魚粉の脂肪肝抑制作用が再確認された。穀類のうち,小麦と大麦に脂肪肝抑制効果を認めた。一方,ミートボーンミール,フェザーミール,マイロおよび玄米を給与するとCS飼料給与に比べて肝臓脂質蓄積活性が上昇することが判明し,これらの飼料原料は産卵鶏FLHSの発現をむしろ促進するものと考えられる。
  • 上野 孝志, 大谷 文博
    1987 年 24 巻 5 号 p. 304-312
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホーン種の2系統(正常鶏:Normalおよび矮性鶏:Dwarf)の成鶏を用いて,体温,呼吸数,血液pHならびにガス成分等を指標に間歇高温感作(38°C•4時間)による高温順化の過程を明らかにする(実験I)と共に,順化処理による耐暑性強化の効果について比較検討した(実験II)。
    実験I. 間歇高温感作の繰り返しにより高温時の呼吸は,次第に増加した。また,高温時のDwarfの呼吸数は,常にNormalを上回った。適温時の体温には系統差は無いが,高温感作によるNormalの体温上昇度や最高体温への到達時間は,当初Dwarfを上回った。しかし,これらは感作を繰り返すことによって,次第に減少(短縮)した。一方,Dwarfにおいては,このような顕著な変化は認められなかった。高温感作によって,血液pHは増加,Pco2やHCO-3は減少するが,感作終了から1時間後には,いずれも感作前のレベルまで回復した。
    実験II. 間歇高温感作を受けた鶏群(順化処理区)と,受けていない鶏群(無処理区)に対して,38°C•24時間の感作を行い,その間の生理的変化や生存率を比較した。呼吸数は,両系統とも順化処理区の方が無処理区より多くなる傾向が見られた。順化処理区の体温は,無処理区より低く,また,Dwarfの体温は両処理区ともNormalに較べて有意に低かった。血液pHやガス成分に対する高温感作の影響は,Dwarfに於いて少なく,また,両処理区ともほぼ同様の変化傾向が見られた。Dwarfの死亡例は両処理区を通して皆無であったのに対し,Normalでは無処理区の全てが死亡した。
  • 森 誠
    1987 年 24 巻 5 号 p. 313-315
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 川合 昌子, 梅田 勲, 桜井 進, 中島 芳夫
    1987 年 24 巻 5 号 p. 316-319
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    1.脱肛及び悪癖被害鶏の解剖学的調査
    当場のウインドウレス鶏舎で飼育している産卵鶏のうち,1984年から2年間に脱肛及び悪癖により斃死又は淘汰した163羽について調査を行った。その結果,脱肛から悪癖に進行する過程は,放卵に際し反転した総排泄腔が修復しない状態の時に他の鶏からつつきを受け,総排泄腔壁に孔があき,小腸遊離部がつつき出されるためであると推察された。また,脱肛及び悪癖被害鶏163羽のうち,悪癖被害鶏は143羽で88%を占め,脱肛鶏は12%で,被害の大部分は悪癖によって生じたものであった。
    2.鶏の銘柄による脱肛及び悪癖発生の差
    市販の白色レグホーン2銘柄(以下,A銘柄,B銘柄と略す)各480羽について,ウインドウレス鶏舎において1ケージに6羽ずつ収容して,20週齢から52週齢までの産卵成績,脱肛発生率及び悪癖被害鶏の発生率を比較した。さらに,52週齢の試験終了時に皮膚の露出程度と喧噪性の調査を行った。
    その結果,産卵率は2銘柄に差はなかったが,卵重はA銘柄がB銘柄より有意(P<0.01)に重かった。生存率は,A銘柄がB銘柄より2.3%低かった。
    両銘柄の脱肛発生率は0.21%と1.04%でA銘柄が若干高かったが,有意な差ではなかった。悪癖被害鶏の発生率はA銘柄が3.54%であったのに対し,B銘柄では発生がなく有意差(P<0.01)が認められた。
    さらに,皮膚の露出程度と喧噪性のスコアについてみるとA銘柄はB銘柄よりもそれぞれ0.78,0.95高く,いずれも有意(P<0.01)な差が認められた。A銘柄ではB銘柄に比べ羽毛が欠落し皮膚が露出している鶏が多かった。
  • 1. 初期成長と生理諸元に及ぼす環境温度の影響
    近宗 干城, 嶋田 昌夫
    1987 年 24 巻 5 号 p. 320-323
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Early growth rate, rectal temperature, respiration rate and pulse rate were compared between barred (i/i, B/(B) and dominant white (I/i, B/(B) chickens under both standard (normal) and high environmental temperatures. The body weight of the barred birds at 4, 6 and 8 weeks of age exceeded those of their white fullsibs under the standard conditions of temperature. Whereas, no significant difference was observed between both color type when they were reared in the high temperatures. It was suggested that the heat load which caused supression in the growth and rise in the respiration rate might be higher in the barred chickens than the white ones under the high environmental temperatures.
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