日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
27 巻, 4 号
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  • 島田 清司
    1990 年 27 巻 4 号 p. 257-265
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 都築 政起, 藤 淳一郎, 若杉 昇
    1990 年 27 巻 4 号 p. 266-269
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,ニホンウズラの黒色羽装遺伝子とパンジー羽装遺伝子の同座位性について検討した。黒色羽装は常染色体性優性遺伝子Dによって支配され,全身黒褐色の羽装を示す。一方,パンジー羽装は常染色体性劣性遺伝子psによって支配されており,赤錆色,黒色,白色の3色が入り混じった外観を呈している。まず,黒色個体とパンジー個体との交配を行った。D遺伝子に関してホモ型の黒色個体を用いた交配から得られたF1世代207個体はすべて黒色羽装を示した。また,ヘテロ型の黒色個体を用いた交配からは,黒色個体と野生型個体が14:9に分離した。次に,F1世代の黒色個体をパンジー個体に戻し交配した結果,438羽の黒色個体と458羽のパンジー個体が得られた。一方,黒色羽装を有するF1同士の交配からは,黒色個体とパンジー個体が,205:63に分離した。これらの結果は,D遺伝子とps遺伝子は同座位性であり,Dpsに対して優性であると仮定した場合に期待される黒色個体とパンジー個体の分離比1:1及び3:1にそれぞれ良く適合した。戻し交配世代,F2世代ともに野生型個体は出現しなかった。以上の結果から,D遺伝子とps遺伝子が対立遺伝子であること,および前者が後者に対して優性であることは明らかであり,パンジー羽装を発現させる遺伝子に対する遺伝子記号をpsからdpsに変更することを提唱すると共に,D遺伝子座における優劣関係は,D(黒色)>d+(野生色)>dps(パンジー色)であると結論した。
    黒色羽装およびパンジー羽装は,先にアメリカ合衆国において同座位性が報告されているextended brown羽装およびredhead羽装にそれぞれ類似しており,同じ変異形質である可能性が残されている。今後,これら突然変異間の交配実験が望まれる。
  • チャヒアニンシー ウミ, 近藤 康博, 阿部 浅樹, 田辺 昭
    1990 年 27 巻 4 号 p. 270-280
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ヒナの細胞性免疫機構に関する日周リズムの存在ならびにその性質を明らかにするために,末梢血のT細胞数,in vitroでのPHAに対するT細胞反応,in vitroでのPHAに対する反応性および末梢T細胞の移植片対宿生反応(GVHR)について,一日の時間的経過を追究した。上記のいずれの項目においても明らかな日周リズムが観察されたが,それらの変動パターンは必ずしも一致せずお互いに異なっていた。T細胞数の変動では,細胞数は明確に高いのに対して,T細胞のPHAに対する反応性(in vitro)は明らかに暗期に高く,両者の変動パターンは相反していた。一方,in vitvoでのPHAに対する反応性の日周リズムは二峰性の変動パターンを示し,これらのピークは時間的にそれぞれT細胞数とin vitroでのT細胞のPHAに対する反応性におけるピークに一致した。従って,ヒナの細胞性免疫の活性リズムはT細胞数とT細胞活性の両方の変動に依存していると考えられる。GVHRの変動パターンはin vitroのT細胞-PHA反応とは逆のパターンを示した。このことは,少なくともヒナでは,GVHRに関与するアロ抗原反応性の細胞傷害性T細胞の変動は他のT細胞サブセットのそれとは異なっているのではないかという可能性を示唆している。
  • チャヒアニンシー ウミ, 近藤 康博, 阿部 浅樹, 田辺 昭
    1990 年 27 巻 4 号 p. 281-290
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ニワトリの主要な多形核食細胞である好異球の数および活性に関する日周リズムの存在並びにその性質を明らかにするために,ヒナを用いて,末梢血の顆粒球数,腹腔好異球の貪食活性,貪食後の殺菌活性および細胞内殺菌の1因子として知られるスーパーオキサイド生産につき,それらの日周リズムを追究した。その結果これらの測定項目のいずれにも明らかな日周リズムが観察されたが,これらの変動パターンはお互いに異なるものであった。血中顆粒球数は明期に低く,暗期に高い傾向を示したが,好異球の貪食活性は逆に明期に高い傾向を示した。従って,好異球の貪食活性は血中顆粒球数とは逆のリズムを有しているものと推論される。一方,好異球の殺菌活性は一日の内の一時点(15時)に特異的に高い変動パターンを示した。スーパーオキサイド生産の変動パターンは培養条件(静止好異球と貪食好異球)や培養後の時間によって異なり,また好異球の殺菌活性のパターンとも一致しなかった。食細胞内での殺菌過程にはスーパーオキサイド以外の多数の酸素代謝物やライソゾーム酵素が関与しており,好異球の殺菌活性とスーパーオキサイド生産のリズムパターンは必ずしも同一である必然性はないと考えられる。今後,上記の殺菌過程に関わる因子の活性パターンの解析が必要とされよう。
  • 星野 貞夫, ヒューブリッチ レオ, 脇田 正彰, 小林 泰男, 山本 一成, 西口 靖彦, ダラス フィーレ, デキュペリ エディ, キュ ...
    1990 年 27 巻 4 号 p. 291-297
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)に対する血漿甲状腺ホルモンの反応へ及ぼすエストラジオール17β(E2)の影響を鶏胚と若雌鶏について検討した。鰐卵19日目の鶏胚では,TRH投与前のE2投与(1.5μg/胚)は血漿中サイロキシン及びトリヨードサイロニン濃度を高めたが成長ホルモン濃度は高めなかった。これとは対照的に16週齢の正常及び矮性の若雌鶏では,連続9日間のE2投与(10μg/kg体重/日)は血漿甲状腺ホルモンのTRHに対する反応に影響を与えなかった。またこれらの若雌鶏ではE2処理は,TRHの下垂体への結合にも影響を与えなかった。
  • 唐澤 豊, 千 裕美, 御園 生穣, 森 信彦, 青木 邦之, 平方 明男
    1990 年 27 巻 4 号 p. 298-308
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ブロイラー,サッマ,サッマF1およびクキンF1の脚筋(M. gastrocnemius)と胸筋(M. pectoralis profundus)を-25°Cで120日間冷凍貯蔵後解凍し,さらに4°Cで9日間冷蔵したとき,両筋の遊離アミノ酸とプリン化合物の濃度が経日的にどのように変化するかを鶏種間で比較検討した。
    1. アンモニア濃度は,どの鶏種でも両筋肉中で冷凍中ほとんど変化しなかったが,その後冷蔵9日目に顕著な増加が認められた(P<0.05)。
    2. 貯蔵前のTau含量は,どの鶏種でも脚筋が胸筋より6.7~11倍高く,鶏種間では,脚筋でクキンF1がサツマより有意に高いのを除いて(P<0.05),両筋で有意差が認められなかった。
    3. 脚筋のアミノ酸は,冷凍期間中4鶏種すべてでCys, Va1, Met, Ile, Leu, Tyr, Phe, Trpが増加傾向を,Tau, Thr, Ser, Glyが逆に減少傾向を示した。これに対し4鶏種の胸筋では,Thr, Glu, Gly, Trp, Lys, Argが増加傾向を,Aspが減少傾向を示した。
    4. 冷蔵期間中の遊離アミノ酸含量の変化は,4鶏種の両筋でほとんど変化しないもの(Tau, Cys, His, Trp),増加し続けるもの(Gly, Ala, Va1, Met, Ile, Leu, Phe, Lys),および増加後減少するもの(Asp, Thr, Ser, Glu, Tyr, Arg, Pro)の3型に分類できた。
    5. 総アミノ酸含量は,冷蔵4日目にどの鶏種でも両筋で増加する傾向を示し,その後9日目にはサツマの脚筋で有意に減少した他は(P<0.05),4日目と比べ有意に変化しなかった。この4日迄の両筋の総アミノ酸含量の増加量と増加率は,鶏種間でサツマ≧クキンF1>ブロイラー≧サツマF1の傾向があった。
    6. 冷凍中4鶏種の両筋で,IMP, AMPおよびATPが減少したのに対し,冷蔵中はHxが増加,HxRが増加後減少,そしてIMPが減少した。また冷蔵中ATPは検出されず,AMPはほとんど変化しなかった。
    7. 冷凍,冷蔵中のK値は,4鶏種とも両筋間で差が見られなかったが,鶏種間では,胸筋でブロイラーとクキンF1がサツマやサツマF1より有意に高かった(P<0.05)。
  • II. 鶏由来大腸菌死菌液による免疫性と安全性
    杉森 義一, 正木 俊一郎, 小西 喬郎, 林 幸之
    1990 年 27 巻 4 号 p. 309-317
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏の敗血症大腸菌症より分離した大腸菌(O2型)を用いて4種類の不活化抗原液(BF:約109CFU/ml含む培養菌液,BFS:BF液を超音波処理した菌液,CF:BF液を遠心によって,約1010CFU/mlに濃縮した菌液,CFS:CF液を超音波処理した菌液)を調整した。これら抗原液を1日齢ヒナにクロアカ接種法(pa法)で免疫,その後20日目にホモ株の致死量を静脈内攻撃し,攻撃後7日後の生存率で評価した。
    抗原液の内,超音波処理を施したBFSとCFS液で攻撃による生存率が統計的に有意であったが,含有菌量が約10倍量多いCFS液の方が強かった(P<0.01)。一方,超音波処理を施していないBF液とCF液では,生存率の改善傾向は見られたが,その効果は有意ではなかった。
    超音波処理は,15分間(5分間を3回)で最も強い免疫効果が得られた。その効果はKetodeox-yoctonate (KDO)値や抗体結合性などに相関性が認められ,in vitroでの重要な指標となった。
    CFS液をpa,筋肉内あるいは皮下接種法で接種した時の免疫性と安全性を調査したところ,免疫効果はpa法(P<0.01)と筋肉内接種法(P<0.05)で認められた。安全性は筋肉内や皮下接種法では接種後の体重増加が有意(P<0.01)に低下したが,pa法ではこのような現象は観察されなかった。
    CFS液のpa法による免疫効果は接種7日目以降27日間にわたると推察されたが,O抗原型が異なるO78型の攻撃に対して,効果を認めなかった。
  • ヒューブリチ レオ, 星野 貞夫, 脇田 正彰, 小林 泰男, ダラス フィーレ, デキュペリ エディ, キューン エドワード
    1990 年 27 巻 4 号 p. 318-323
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    19日齢の鶏胚を用いて17-βエストラダイオール(E2)の投与が血漿甲状腺ホルモン,成長ホルモン,甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の下垂体への結合に及ぼす影響を研究した。E2投与は末梢の5'-脱ヨウ素,トリヨードサイロニン(T3):サイロキシン(T4)比を増加させることなく血漿のT4,T3レベルの増加をもたらした。血漿中の成長ホルモンレベルには影響がみられなかった。E2投与は下垂体へのTRH結合に影響を与えなかったので,E2の向甲状腺作用は哺乳類で観察されているのとは異なり,下垂体TRH受容体レベルの変化によるものでないように思われる。
  • 木村 正雄, 深川 百香, 藤井 貞雄, 合田 之久
    1990 年 27 巻 4 号 p. 324-328
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    5品種のアヒルの雛の肝臓のマンノース•ホスヘート•イソメラーゼ•アイソザイムについて澱粉ゲル電気泳動法による分析を行った。この酵素の活性は2つの域で検出され,その内の易動度のより早い域(MPI-I)において個体変異が発見された。これらの変異は3複対立遺伝子(MPI-IA,IB,IC)によって遺伝的に支配されていると推測された。日本在来種のナキアヒルはMPI-ICで固定されていた。青首アヒルはMPI-ICと他の品種では発見されなかったMPI-IAを保有していた。中国,台湾およびオランダからそれぞれ導入された白色ペキン,白色菜鴨およびカーキー•キャンベルはそれぞれ頻度は異なるがMPI-IBMPI-ICを持っていた。
  • 藤島 輝元, 宮本 秀男, 岡田 勤, 古田 賢治
    1990 年 27 巻 4 号 p. 329-333
    発行日: 1990/07/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ホルマリンと晒粉を反応させホルムアルデヒドを気化するのに適する形状の晒粉錠剤を試作して,ガスの発生状況を調べ,消毒効果について検討した。試作品は1錠の重さ20g,直径3cm,厚さ1.6cmの錠剤である。試作錠剤1錠と局方ホルマリン40mlが反応し,ホルマリンからホルムアルデヒドを発生させることができる。
    1) 528mlのホルマリンと264gの試作錠剤を混合してガスを発生する場合,10°Cの室温では混合約4.5分後に,30°Cでは約50秒後にガスが発生し始め,ガス発生が終わったのは23及び21分後であった。また,混合時の容積膨張は小さく,混合物が容器から突沸することもなかった。
    2) 発生したホルムアルデヒドの濃度は過マンガン酸カリウムを使用した場合と同じであった。
    3) 試作錠剤によりガスを発生させ鶏舎及び種卵を消毒して付着菌数の減少を調べたところ,過マンガン酸カリウムを用いた場合と差がなく,高い消毒効果が得られた。
    4) 試作錠剤によりガスを発生させると,晒粉成分の塩素が遊離し,金属類を腐蝕した。過マンガン酸カリウムを使用すると,ガス発生後の残渣から多量のマンガンが検出されるが,試作錠剤を用いた残渣からは検出されなかった。また,水質汚濁防止法により規制されている汚染物質のうち銅,亜鉛及び水溶性鉄が検出されたが,その量は過マンガン酸カリウムを使用した場合の残渣の含量と差がなかった。
  • 1990 年 27 巻 4 号 p. 334
    発行日: 1990年
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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