自然光周期条件で飼育される雌ホロホロ鳥における繁殖能力の推移を明らかにする目的で,6羽の雌ホロホロ鳥を単飼ケージ内で207日齢(1986年5月)~603日齢(1987年5月)まで飼育し,この間,毎日産卵状況を記録するとともに,隔週毎に,体重,血漿プロジェステロン(P),テストステロン(T)およびエストラジオール(E2)濃度を測定した。
1. 体重は5月上旬から9月下旬までは2.4kg以上の値を維持したが,10月に最低値(2.27±0.103kg)を記録した後,次年の4月にかけて徐々に上昇した。
2. 産卵は4月から9月にかけて集中し(産卵率:49.3%),換羽は9月下旬から11月にかけて全ての個体で認められた。なお,1個体のみではあるが,換羽後の12月から1月にかけて再度産卵が認められた。
3. 血中P,TおよびE2濃度は,産卵時では高い値(P:666±40.7pg/ml,T:390±16.2pg/ml,E2:175±14.4pg/ml)で推移したのに対し,換羽期終盤において,一過性の著しい上昇が認められた(P:392±80.7pg/ml,T:894±56.7pg/ml,E2.:244±34.2pg/ml)にも拘らず,換羽時における各ステロイドホルモンの平均値(P:84±7.5pg/ml,T:177±40.2pg/ml,E2:37±6.4pg/ml)は最も低い水準であった。また,休産時のP,TおよびE2濃度はそれぞれ195±30.3pg/ml,293±28.2pg/mlおよび84±9.9pg/mlであった。
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