日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
31 巻, 2 号
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  • 村元 隆行, 藤村 忍, 石橋 晃
    1994 年 31 巻 2 号 p. 93-102
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    比内鶏の必須アミノ酸要求量を決定するのに先立って,飼料のアミノ酸および代謝エネルギー(ME)水準が比内鶏の生産性におよぼす影響を調べた。
    試験1, 2および3は,それぞれ7から21, 42から56および77から91日齢の各14日間で行った。試験飼料は,ME水準を3,アミノ酸水準を5段階とする計15種類とし,各飼料に雌雄3羽ずつ割り当てた。鶏は単飼とし,飼料と水は自由摂取させた。各試験終了時に体重および飼料摂取量を記録した。
    飼料のアミノ酸およびME水準に対する比内鶏の反応には性差が認あられなかった。増体量および飼料効率はアミノ酸水準の増加にともなって向上したが,飼料摂取量は影響を受けなかった。増体量,飼料効率および飼料摂取量はME水準の影響を受けなかった。最大の増体量および飼料効率を示すアミノ酸水準は加齢とともに減少した。増体量は42から56日齢にかけて最大値を示した。
  • 桑山 岳人, 難波 欣也, 一戸 健司
    1994 年 31 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMSG)を抱卵または育雛中の岐阜地鶏の胸筋肉に連続8日間投与した。PMSGを投与した抱卵中の母鶏11羽中10羽は抱卵行動を中止したが,育雛中の母鶏は育雛行動を継続した。PMSGの投与により抱卵•育雛中の母鶏の卵巣及び卵管重量は増加したが,その増加の程度は抱卵中よりも育雛中の方が劣っていた。PMSGの投与により血漿エストラジオール濃度もプロジェステロン濃度もともに上昇した。しかし,育雛中のエストラジオール濃度の上昇は抱卵中によりもやや遅れ,プロジェステロン濃度の上昇は明らかに遅れ,しかも上昇程度が低かった。以上の結果は,抱卵または育雛中の母鶏の卵巣が性腺刺激ホルモンに対して反応し得ることを示すものであり,その反応性は抱卵中より育雛中の方が劣るものと推察された。
  • 村井 篤嗣, 古瀬 充宏, 奥村 純市
    1994 年 31 巻 2 号 p. 109-118
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ニホンウズラの成長及び卵生産におけるリノール酸要求量を決定するために2つの実験を行った。両実験とも,初生ニホンウズラの雌にリノール酸完全欠乏飼料を1週齢まで給与した。実験1ではウズラを4群に分け,様々なレベルのリノール酸(0, 0.5, 1および1.5%)を含む飼料を3週間給与し,1週間毎の体重,実験終了時の肝臓重量および肝臓脂肪酸組成を測定した。実験2ではウズラを5群に分け様々なレベル(0, 0.25, 0.5, 1および1.5%)のリノール酸を含む飼料を10週齢まで給与した。実験の最終2週間における卵重量に関するデータを要求量の決定に用いた。それぞれのデータをリノール酸レベルに対し非直線回帰し,得られた漸近線の90%にあたる数値をリノール酸要求量とした。
    本実験より,ニホンウズラのリノール酸要求量は成長期において飼料中の約1.1%,卵生産期においては飼料中の約0.70%と推測された。
  • 小野 珠乙, 武藤 信一, 水谷 誠, 阿形 清和, 餅井 真, 木野 勝敏, 大塚 勝正, 太田 元好, 吉田 元一, 江口 吾朗
    1994 年 31 巻 2 号 p. 119-129
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    放卵直後の伴性アルビノウズラ胚の胚盤葉に,同一発生段階の野生型羽装ウズラ胚の解離細胞を注入した。注入胚は別のウズラ卵殻に入れ,温度37.5℃,湿度70%,30分毎に90度転卵の条件で52-53時間培養した。次いで,これをニワトリ卵殻内に移し転卵角度を30度に変更,さらに孵化直前に転卵を停止した他は同一条件で培養を継続した。注入胚184例中41例が孵化し,そのうち6例がキメラ羽装を示した。死亡胚のうち5例の羽装にもキメラが認められた。
    第2実験ではこのキメラ化による導入細胞の形質発現を利用し外来遺伝子の導入を試みた。大腸菌由来のβ-ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)領域をもつpMiwZをリポフェクチン(腸イオン性リポソーム)により解離ウズラ胚細胞にトランスフェクトし,処理後の細胞を上記と同様にホストウズラ胚の胚盤葉に注入した。胚培養52-53時間における生存胚30例中10例で胚体内および胚体外組織にlacZ発現が認められ,他の10例では胚体外でのみ発現,残り10例では同遺伝子の発現は認められなかった。
    ウズラはニワトリより体が小さく,性成熟も早いことから,形質転換家禽作出の試験研究にはより適したモデル動物と思われる。本研究の成果は形質転換ウズラおよび同ニワトリの作出に有用なデータを提供するものと考える。
  • 小林 真, 浜口 博之, 坂井 重成, 岡本 悟, 松尾 昭雄
    1994 年 31 巻 2 号 p. 130-136
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,14時間明,10時間暗光周期下における日本ウズラ(Coturnix coturnix japonica)の産卵率と放卵リズムに及ぼす照度の影響を明らかにする目的で計画した。実験1では3区のウズラを12週間にわたり77Lux(区名称,80L), 770Lux (770L)及び1449Lux (1500L)の照度下で飼育した。実験2では,4区のウズラに対し59Lux (60L), 181Lux (180L), 442Lux (440L)及び847Lux (850L)を20週間与えた。実験3では2区のウズラに最初の4週間は,それぞれ55Luxと75Luxで飼育した後,25L区では照度を25Luxに,6L区では6Luxに低下させて,6週間おいた。実験1と2における実験開始時週齢は13-14週齢であったが,実験3では33週齢であった。どの実験に関しても,供試ウズラは実験開始時まで平均照度65Lux, 14時間明:10時間暗の光周期下で飼育したものであった。全ての実験で,毎日,個体毎に放卵時刻を調べた。
    実験1において,770L区と1500L区の産卵率は,それぞれ94.5と94.8%であり,80L区の88.7%に対し有意に高かった(P<.05)。770L区と1500L区の放卵間隔はともに24.1時間で,80L区に対し0.5時間短くなった(P<.05)。実験2の4区はともに産卵率が90%を越えたが,区間に有意差はなかった。60L区と180L区に対して440L区と850L区は放卵間隔が有意に短かった(それぞれ24.5, 24.4に対し24.3, 24.1時間)。実験3の低照度に移行前の産卵率は92%を越えたが,25と6Luxに低下させた後は,5-6%下がった(P<.01).照度変更後の放卵間隔は両区とも25.3時間となり,それぞれ0.4時間と0.8時間長くなった(P<.01)。
    以上の実験結果から,照度はウズラの産卵と放卵リズムに影響を及ぼす重要な光要因であると考えられた。
  • 吉村 幸則, 岡本 敏一, 田村 達堂
    1994 年 31 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    The aim of this study was to determine whether estrogen regulates the progesterone receptor mRNA (PRmRNA) expression in the shell gland. The PRmRNA in the shell gland of estradiol-17β(E2)-or its vehicle-treated chicks as well as of laying hens was localized by an in situ hybridization method using digoxigenin-labeled probes. No signal for PRmRNA was observed in the shell gland tunica mucosa consisting of surface epithelium and stroma in vehicle-treated chicks. In the E2-treated chicks, the tubular gland cells contained significant amounts of PRmRNA and the surface epithelium showed very weak signals. No signal for PRmRNA was observed in the tunica mucosa of the shell gland in laying hens. These results suggest that estrogen may be a factor regulating the PRmRNA expression in the shell gland.
  • 高橋 哲也, 川島 光夫, 上吉 道治, 田中 克英
    1994 年 31 巻 2 号 p. 143-146
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏の卵管子宮部筋肉層におけるアルギニン•バソトシンのレセプターの解離定数はPO43-およびEDTAの存在によって低下(親和性が上昇)し,Ca2+およびMg2+が存在すると逆に上昇(親和性が低下)すること,また結合容量は2mMのPO43-およびCa2+の存在によって減少するが,Mg2+が存在しても影響されないことが示された。
  • 血漿リポ蛋白質画分のQ-DE
    山田 一彦
    1994 年 31 巻 2 号 p. 147-151
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    アーバーエーカー(Arbor Acres: AA)-50雄ヒナ•モデルから採取したEDTA-血漿(I)と,同血漿を原材料にリポ蛋白質(lipoproteins: LPs)浮遊試験法を用いて分離•調製した全4種の超遠心分離「画分」(II),それぞれキロミクロン(chylomicrons: 「CHYL」),超低比重LPs (very low density lipoprotein: 「VLDL」),低比重LPs2 (Low density lipoprotein2: 「LDL2」)および高比重LPs2 (high density lipoprotein2: 「HDL2」)と,これら4「画分」を母「標品」に再構築した分類(I)試料のレプリカ「標品」(III)等,分類(I)~(III)試料グループを,いずれもQ-DL (Quick-Disc Electrophoresis of Lipoproteins)システム下で泳動•分離した。そしてそのQ-DE (Quick-Disc Electropherogram)上に弁別される,それぞれキロミクロンchylomicrons: (CHYL),プレ•ベーターLPs (preβ-lipo-protein: preβ-LPs),ベーターLPs (β-lipoprotein: β-LPs)およびアルファーLPs (α-lipoprotein: α-LPs)等の内,すべてあるいはいずれか成分の分類(I)~(III)試料グループにおける,それぞれ組成比(%)を求め,同比を用いて原試料中LPs総量に対する同中各「組成分」のLPs実量(mg/100ml)を算定した。
    その結果,(1)分類(I)および(II)両試料グループのそれぞれ総LPs量は一致した。(2)分類(I)および(III)両試料グループの各Q-DEは完全に一致した。(3)分類(II)試料グループにおける全4種の分別一次の「画分」と,同中泳動•分離(成分)の種類並びにそれらの収量比(>)との間には,それぞれ「CHYL>Sub-CHYL>preβ-LPs), 「VLDL」(=pre β-LPs>β-LPs), 「LDL2 (=β-LPs>preβ-LPs)および「HDL2」(=α-LPs)の対応関係がみられ,画分「HDL2」を除く他の3「画分」については二次精製の必要性が示唆された。
  • 1994 年 31 巻 2 号 p. 152-153
    発行日: 1994/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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