アフラトキシンB
1 (AFB
1)を3.00ppm含有する飼料に抗酸化剤(セレン,メチオニン,ビタミンE)と水和ナトリウムカルシウムアルミノ珪酸塩(HSCAS)を添加し,AFB
1中毒の予防効果について検討した。
市販の餌付飼料を7日間給与後,体重がほぼ等しい8日齢の雛,雌雄各120羽を選び,8試験区,1試験区の供試羽数を雌雄各5羽づつの3反復となるように分けた。対照飼料の分析値は粗蛋白質18.0%,メチオニン0.33%,シスチン0.3%,セレン0.07%で,代謝エネルギーの計算値は3,010kcal/kgであった。各区の雛に下記の飼料を5週齢まで4週間給与した。
T1:対照飼料,T2:T1+3ppmAFB1,T3:T2+0.4ppmセレン,T4:T2+0.25%メチオニン,T5:T2+0.5%HSCAS,T6:T3+0.5%HSCAS+0.25%メチオニン,T7:T3+0.5%HSCAS+180ppmビタミンE, T8:T3+0.5%HSCAS+0.25%メチオニン+180ppmビタミンET2を給与した雛は他の飼料を給与した雛と比べ有意に発育が低く,飼料要求率が高かった。HSCASと抗酸化剤の両者を添加したT6, T7及びT8を給与した雛の発育は対照区と差がなく,AFB
1の負の影響は認められなかった。また,それらの区の雛の血中及び肝臓グルタチオンペルオキシダーゼ活性も著しく増加した。
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