日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
32 巻, 2 号
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  • 太田 能之, 石橋 晃
    1995 年 32 巻 2 号 p. 81-89
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    メチオニン欠乏および過剰によるブロイラーの生産能の低下とそれに対するグリシンの緩和効果の理由を明らかにするため,2つの実験を行った。実験1では,トウモロコシ-大豆粕飼料に段階的にメチオニンを添加してブロイラーの最大生産能の至適なメチオニン水準を求あた。実験2では不足および過剰メチオニン飼料給与時の生産能低下に対するグリシンの緩和効果について調べた。
    最大成長はメチオニン水準は0.46%,最大成長の70%は0.26および1.56%で得られた。そこで試験2では0.26%, 0.46%と1.56%区を選び,それに0.6%のグリシンを添加した。メチオニン過剰により成長は70%まで低下したが,グリシン添加によって88%まで緩和された。メチオニン欠乏による成長低下はグリシンでは緩和されなかった。体重に差がないにも関わらず,腹腔内脂肪含量はメチオニン過剰では欠乏時に比べ低かった。腹腔内脂肪含量はグリシン添加によって60%までしか回復しなかった。血漿メチオニン濃度はメチオニン過剰飼料によって急激に増加し,グリシン添加によって減少した。血漿グリシン,トレオニンおよびセリン濃度はメチオニン過剰によって低下しなかった。
  • 土井 守, 大野 篤, 金田 達雄, 岩澤 淳, 中村 孝雄
    1995 年 32 巻 2 号 p. 90-98
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    12時間照明12時間暗黒の光周期条件下で飼育した1, 21, 56および560日齢のニワトリの松果体におけるメラトニンの局在を免疫組織化学的に証明した。この実験では,5,000倍に希釈した第一抗体を使用してニワトリの松果体実質細胞を染色した。この第一抗体はメラトニンに対して特異的であることが明らかとなったが,5-メソキシトリプタミン塩酸塩に対してin vitroで若干交叉することも認められた。ニワトリ松果体におけるメラトニンを証明するために,冷10%中性緩衝ホルマリン液またはブアン液で固定したパラフィン切片による酵素抗体法を行った。1日齢の12時(昼間)に採取したニワトリ松果体組織では,傍小胞域よりも小胞域でより強い免疫染色が観察された。しかし,21日齢以降ではこれら2つの部域における染色性による違いは認められなかった。24時(夜間)では,この実験で調べたどの日齢においても,小胞域と傍小胞域ともにほとんど全ての実質細胞で強い染色性が観察された。このように,松果体組織の2部域にみられたメラトニン顆粒の数において,昼夜の日周リズムが認あられた。松果体実質におけるメラトニン量は,加齢に伴って昼夜ともに増加した。これらのことから,加齢に伴って小胞構造の崩壊することに伴い光受容機能が弱まり,その結果メラトニン生合成能が亢進することが推察された。
  • 高橋 和昭, 秋葉 征夫
    1995 年 32 巻 2 号 p. 99-106
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料中メチオニンの過剰と欠乏が雄ブロイラーの脂肪合成能と脂肪分解能に対する影響を検討した。対照飼料として,トウモロコシ•大豆粕(CS)を主体とした含硫アミノ酸含量0.9396の飼料,試験飼料として対照飼料と等タンパク質含量(23%)及び等代謝エネルギー含量(3.2Mcal/kg)のトウモロコシ•大豆粕•グルタミン酸を主体とした(CSG)飼料にグルタミン酸と代替しながらメチオニンを添加し含硫アミノ酸含量が(0.56, 0.93, 1.1596)となるように調製した。これら4飼料を9日齢のブロイラーに自由摂取または等量給餌条件下で17日間給与した。自由摂取及び等量給餌条件下とも,肝臓のリンゴ酸脱水素酵素活性(ME)は含硫アミノ酸含量0.5696で最大値を示した。0.93%含硫アミノ酸条件下では,CS飼料のME活性低下作用はCSG飼料のそれよりも大きい傾向にあった。自由摂取条件下の脂肪酸合成酵素活性(FAS)はCSG飼料の含硫アミノ酸含量0.93%で0.56%より低くなったが,等量給餌条件下でば,FAS活性の飼料間の差は認あられなかった。自由摂取及び等量給餌条件下とも,脂肪組織のホルモン感受性リパーゼ活性は1.15%含硫アミノ酸を含んだCSG飼料で最大となった。これら含硫アミノ酸の脂肪合成と脂肪分解に対する作用は自由摂取および等量給餌条件で大きな変化はなかった。これらの結果は,飼料メチオニン自体に脂肪酸合成および脂肪分解を変化させる作用のあることを示唆している。
  • 河南 保幸, 西尾 晋造, 加藤 征史郎
    1995 年 32 巻 2 号 p. 107-116
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ビタミンD欠乏状態におけるカルシウムの給与濃度がニワトリの骨組織形成に及ぼす影響を究明するため,白色レグホン種の雄雛を用い,カルシウム濃度の異なるビタミンD欠乏精製飼料を3週間給与した場合の脛骨について,軟X線吸収像の観察を行うとともに骨幹中央部の横断標本を組織学的および組織形態計測学的に検索した。まず,通常濃度(1.0%)のカルシウムを含む飼料を給与したビタミンD欠乏鶏の脛骨では,ビタミンDを補給された対照鶏に比べて,骨の長さが短く,全般の骨質において軟X線吸収の低下が観察された。また骨幹の組織形態についてみた場合,緻密骨形成の遅延,髄腔の拡大,骨芽細胞の萎縮や破骨細胞の増数肥大などが認められた。一方,高濃度(2.0%)のカルシウムを含む飼料を給与したビタミンD欠乏鶏では,骨の長さは対照鶏とほぼ同じで,軟X線吸収像もそれの場合とよく類似していた。さらに骨幹における緻密骨の形成状態および骨芽細胞や破骨細胞の形態などについては,それらの大部分の計測値において対照鶏との間で差が認められなかった。これらの結果,ビタミンD欠乏鶏でみられる骨形成機能の障害は,カルシウムの給与濃度を増加させることによって,正常なものに近い状態にまで改善されるものと考えられる。
  • 南 基供
    1995 年 32 巻 2 号 p. 117-127
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    アフラトキシンB1 (AFB1)を3.00ppm含有する飼料に抗酸化剤(セレン,メチオニン,ビタミンE)と水和ナトリウムカルシウムアルミノ珪酸塩(HSCAS)を添加し,AFB1中毒の予防効果について検討した。
    市販の餌付飼料を7日間給与後,体重がほぼ等しい8日齢の雛,雌雄各120羽を選び,8試験区,1試験区の供試羽数を雌雄各5羽づつの3反復となるように分けた。対照飼料の分析値は粗蛋白質18.0%,メチオニン0.33%,シスチン0.3%,セレン0.07%で,代謝エネルギーの計算値は3,010kcal/kgであった。各区の雛に下記の飼料を5週齢まで4週間給与した。
    T1:対照飼料,T2:T1+3ppmAFB1,T3:T2+0.4ppmセレン,T4:T2+0.25%メチオニン,T5:T2+0.5%HSCAS,T6:T3+0.5%HSCAS+0.25%メチオニン,T7:T3+0.5%HSCAS+180ppmビタミンE, T8:T3+0.5%HSCAS+0.25%メチオニン+180ppmビタミンET2を給与した雛は他の飼料を給与した雛と比べ有意に発育が低く,飼料要求率が高かった。HSCASと抗酸化剤の両者を添加したT6, T7及びT8を給与した雛の発育は対照区と差がなく,AFB1の負の影響は認められなかった。また,それらの区の雛の血中及び肝臓グルタチオンペルオキシダーゼ活性も著しく増加した。
  • 韮澤 圭二郎, 内藤 充, 大石 孝雄, 小宮山 鐵朗
    1995 年 32 巻 2 号 p. 128-136
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    非破壊変形を卵殻強度の指標とした場合の卵殻質の改良の可能性を検討するために,非破壊変形に対する大(弱系)及び小(強系)方向への2方向選抜実験を10世代にわたって行い,非破壊変形の選抜反応と破壊強度への影響について調べた。選抜形質である非破壊変形は,強系,弱系ともに世代の経過に伴い選抜反応が認められ,第10世代では強系が51.9±6.2μm/kg,弱系が100.6±13.4μm/kgとなった。しかし選抜反応は強系の方が小さく,強弱2系統間で非対称な反応を示した。破壊強度については,非破壊変形に対する選抜反応が小さかった強系においても,安定した増加を示し,その結果第10世代では強系が3.75±0.46kg,弱系が2.17±0.34kgとなった。このことから非破壊変形を指標とした選抜によって,卵殻強度の改良が可能であることが示された。また非破壊変形の実現遺伝率は,強系では0.16,弱系では0.38と推定され,強弱2系統間で非対称な値を示した。
  • 大塚 彰, 林 國興, 川野 洋, 冨田 裕一郎
    1995 年 32 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるニワトリ血漿コルチコステロンの定量法について検討した。1mlの血漿に内部標準としてデキサメタゾン(3ng)を添加しよく混合した後,0.25M水酸化ナトリウムを0.6ml加えて混合した。コルチコステロンおよびデキサメタゾンを50ml容の遠沈管を用いて15mlのジクロロメタンで抽出,遠心分離し,ジクロロメタン画分を回収,乾固した。次に残渣を0.1mlの58%メタノールに溶解しHPLCに注入し,248nmの紫外吸収を測定した。デキサメタゾンおよびコルチコステロンの溶出時間は17および18分であった。また,本法で,6羽の雄ブロイラーの血漿コルチコステロン濃度を測定した結果は2.15±1.00(平均±準偏差)ng/mlであった。
  • 菅原 邦生, 久保 辰雄
    1995 年 32 巻 2 号 p. 142-145
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 32 巻 2 号 p. 146-148
    発行日: 1995/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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