ブロイラーにおいて排泄タウリン量およびタウリン排泄量:含硫アミノ酸(SAA)摂取量比(TS比)を栄養状態の指標とするため,飼料中含硫アミノ酸水準,体重および飼料摂取量のタウリン排泄量に及ぼす影響を,8日齢のヒナを用いて調べた。
試験1においてはヒナを単飼ケージにおいて3日間市販飼料を与え,SAA水準0.52,0.82もしくは1.12%飼料に切替えて6日間飼育したとき,タウリン排泄量はSAA不足および至適区では0.5μmol/日で一定であったが,SAA過剰区では飼料切替後2.8μmol/日に増加した。
SAA水準0.81%飼料から1.12%飼料に切替後,タウリン排泄量は2日間低く,飼料摂取量の増加に伴い増加し始あ,その後も継続して増加したが,T/S比は2日目まで低く,3日目まで急激に増加し,その後一定となった。
SAA過剰飼料を日齢が同じで体重が異なるヒナに自由摂取させたところ,体重が最も低い区でタウリン排泄量が他の区の1.4倍に増加する傾向が見られたが,有意ではなかった。飼料摂取量を自由摂取の2/3に制限したときは,タウリン排泄量は影響を受けなかったが,T/S比は増加した。
飼料摂取量を自由摂取の1/3に制限したときは,増体量が減少し,T/S比は40倍に増加した。
T/S比は飼料中SAAが不足および至適な区では一定であったが,過剰区では飼料中SAA水準を切り替えて3日目には増加し,10日間以上継続したことから,T/S比は至適な飼料中SAA水準およびSAA摂取量の有効な指標となる可能性が示された。
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