日本鶏26集団(品種と内種を含む),外国鶏5品種の合計31集団,1,724羽の血液タンパク質多型について分析した。分析したタンパク質と遺伝子座は,血漿アルブミン(
Alb),血漿トランスフェリン(
Tf),血漿ポストアルブミン(
PasA),血漿アルカリ性ホスファターゼ(
Akp, Akp-2),血漿エステラーゼ(
Es-1),血漿アミラーゼ(
Amy-1),血漿グロブリン(
Glb-1),血漿スローα
2グロブリン(
Slo-ωα2),ならびに血球カタラーゼ(
Ct),血球リンゴ酸脱水素酵素(
MDH),血球グルコースホスフェイトイソメラーゼ(
GPI),血球乳酸脱水素酵素(
LDH-A, LDH-B),血球テトラゾリウムオキシダーゼ(
To)および血球ヘモグロビン(
Hb-I,
Hb-II,
Hb-III)である。遺伝子頻度に基づき遺伝的距離から枝分かれ図を描き,また遺伝子頻度の主成分分析を行うことにより,第一から第三主成分得点に基づき,三次元の散布図を描いて,両図から主に日本鶏品種•内種間の類縁関係を推測した。6内種のチャボのうち,白,黒,桂,狸々種は相互に近い関係にあったが,碁石種はこれらと遠く,達磨種は碁石種よりもさらに遠かった。尾長鶏と東天紅は比較的かったが,小国はこれらと遠かった。蓑曳は東天紅と,鶉尾は尾長鶏と相互に近かった。大シャモ,薩摩鶏,声良,河内奴,地頭鶏は相互に近かったが,比内鶏はこれらと遠かった。岐阜地鶏,土佐地鶏,岩手地鶏,対馬地鶏は相互に遠い関係にあった。唐丸と対馬地鶏は,他の日本鶏種と遠かった。
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