日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
36 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 太田 能之
    1999 年 36 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 2. 第8世代および第13世代における遺伝子構成
    前田 芳實, Francis MINVIELLE, 岡本 新, 橋口 勉
    1999 年 36 巻 2 号 p. 83-95
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,INRA(フランス国立農業研究所)で実施された日本ウズラの産卵能力に対する選抜実験(個体選抜法と相反反復選抜法)において,第8世代と第13世代での遺伝子構成と遺伝変異の変化について検討を行った。遺伝的変異性はJouy系統とTours系統に属する6lines(line 1, 2, 3, 4, CおよびD)に対して10蛋白質座位により分析された。変異の量(Ppoly)は世代と共に減少し,第1世代,第8世代および第13世代のPpolyはJouy系統でそれぞれ0.5-0.6, 0.4-0.5および0.3-0.4,また,Tours系統で0.7, 0.6-0.7および0.5-0.7であった。6系統間のGSTは第1,第8および第13世代で0.019,0.076および0.156と計算された。GSTの世代に伴う増加はline間の系統分化が進んでいることを示唆している。GSTの種々の比較から,遺伝的分化が徐々に進行し,この系統分化の一部には選抜システムの違いが関与していることが示唆された。主成分分析の結果,第8世代では,個体選抜群のline 1とline 2, Jouy系統のline 3とlineC,およびTours系統のline 4とline Dの3群に分けられ,また,第13世代では,対照群(line Cとline D),個体選抜群(line 1とline 2)および相反反復選抜群(line3とline 4)に分けられた。遺伝的距離の結果から,本研究での13世代にわたる選抜はINRAの系統間の遺伝的分散を大きくし,それには選抜様式の効果と遺伝的浮動が関与していることが示唆された。
  • 森脇 節夫, 阿部 浅樹, 近藤 康博
    1999 年 36 巻 2 号 p. 96-108
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ヒナの異なる部位から採取し,ザイモザンあるいはPMAで刺激した食細胞(好異球とマクロファージ)における個々のスーパーオキサイド産生能を細胞質の還元NBTの濃度から推定した。さらに,これら個々の食細胞のスーパーオキサイド産生能と貧食活性に対する絶食の影響を調べた。顕微鏡観察により,還元NBT濃度は染色性により無染色から強染色までの4段階に区分し,それをそれぞれの食細胞の4段階のスーパーオキサイド産生能とした。また,食食活性は個々の細胞に取り込まれたザイモサンの数によって調べた。
    好異球に関しては,弱い染色性を示す細胞の割合は腹腔よりも血中において有意に高く,強い染色性を示す細胞の割合は血中において有意に低かった。マクロファージでは,染色性を示さない細胞の割合は肺胞と脾臓の細胞で腹腔の細胞や単球に比較して有意に高く,中程度や強度の染色性を示す細胞の割合は逆に単球や腹腔の細胞に比べて有意に低かった。これらの結果は,ヒナの食細胞の殺菌活性について部位差を検定した報告に一致した。腹腔と血中の好異球,腹腔マクロファージと単球では,絶食によって中程度および強度の染色性を示す細胞の割合が有意に減少し,弱染色細胞の割合は逆に有意に上昇した。以上の結果は,絶食がこれらの食細胞の中のスーパーオキサイド産生能が高い細胞に特に強く作用することを示唆している。さらにこの結果は,ニワトリの食細胞にはスーパーオキサイド産生活性に関する異質性が存在することを示している。肺胞と脾臓のマクロファージでは,大部分の細胞が無染色細胞であることから絶食の影響を明確に捕らえることはできなかった。マクロファージにおける食食活性は絶食によって影響されなかった。この結果は,好異球の貪食活性に対する絶食の影響について報告されている結果に一致した。
  • 豊後 貴嗣, 下條 雅敬, 増田 泰久, 斉藤 昇, 菅原 邦生, 長谷川 信, 古瀬 充宏
    1999 年 36 巻 2 号 p. 109-115
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の中枢投与によりラットとヒナの摂食量が減少することが報告されているが,ヒナにおけるGLP-1の摂食抑制機構は今だ明らかになっていない。本研究は,内因性オピオイドがGLP-1の摂食抑制効果に関与しているかどうかを明らかにするために,オピオイドのアンタゴニストであるナロキソンを用いて孵化直後のヒナの摂食量を調査した。側脳室に投与したニワトリのGLP-1摂食抑制効果に対し,腹腔内に投与したナロキソンは影響を示さなかった。ニワトリにおけるGLP-1の摂食抑制効果に対し,内因性オピオイドが関連している可能性は低いことが示唆された。
  • 岡林 寿人, 横山 秀徳, 田名部 雄一
    1999 年 36 巻 2 号 p. 116-122
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本在来アヒルのアオクビアヒルとナキアヒルの血液タンパク質多型について分析し,その遺伝子構成を他のアジア在来アヒル(ペキン,白色ツァイヤ,改良大阪,インドネシア在来アヒル,ベトナム在来アヒル)やマガモと比較した。水平式デンプンゲル電気泳動法ならびに水平式ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により多型を分析した血液タンパク質はこれまでに多型が見いだされている次の10種類である。血漿エステラーゼ-1(Es-1),血球エステラーゼ-3(Es-3),血球エステラーゼ-4(Es-4),血球エステラーゼ-D2(Es-D2),血漿ポストアルブミン-1(Pa-1),血漿ポストアルブミン-4(Pa-4),血漿ポストアルブミン-1(Ptf-1),血漿ホスフォヘキソースイソメラーゼ(PHI),血球酸性ホスファターゼ-2(Acp-2)および血漿ロイシンアミノペプチダーゼ-2(LAP-2)。
    ナキアヒルにおいては他のアヒルに比べて,Pa-1BおよびLAP-2Aの頻度がやや高い傾向を示し,Ptf-1BおよびEs-4Aが低い傾向を示した。アオクビアヒルにおいても他のアヒルに比べて,LAP-2Aが高い傾向を示し,PHIAおよびEs-4Aが低い傾向を示した。
    品種間の遺伝的距離を基に枝分かれ図を描いた。また遺伝子頻度の分散共分散行列による主成分分析を行い,第一~三主成分得点による三次元の散布図を描いた。これらにより,アオクビアヒル,ナキアヒルともにペキン種,白色ツァイヤ,改良大阪種などで構成される東北アジア在来アヒルのクラスターに属することが示された。また,アオクビアヒルはこのクラスターの中の白色ツァイヤと特に近く,ナキアヒルとは比較的遠い関係にあり,一方ナキアヒルはこのクラスターの中ではマガモ(1)やペキンと比較的近い関係にあることが示された。
  • 1999 年 36 巻 2 号 p. 123-125
    発行日: 1999/03/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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