日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
6 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 田上 末四郎, 中谷 哲郎, 久池井 忠男, 樽本 保男, 玉井 征吾, 川村 宏三
    1969 年 6 巻 4 号 p. 171-178
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    幼ヒナに, 小粒子グリット (0.59~1.19mm) または中粒子グリット (1.68~2.38mm) を初生時または2週齢時から6週齢時まで給与した場合, また, 中ヒナに, 中粒子グリットまたは大粒子グリット (2.38~4.76mm) を6週齢時から10~11週齢時まで給与した場合に, グリット給与がヒナの発育ならびに消化管に及ぼす影響について検討した。その結果はつぎのようにまとめられる。
    1. 発育
    (1) 幼ヒナでは, 発育はグリットの給与によりやや低下し, とくに中粒子グリットの給与は小粒子グリットの給与の場合よりも増体量および飼料効率をやや低下するようであった。
    (2) 中ヒナでは, グリット給与により発育は促進され飼料効率が高くなった。とくに大粒子グリット給与の場合にその傾向が高かった。
    2. 消化管の長さおよび重量
    (1) 幼ヒナでは, 消化管の長さおよび重量は, グリット給与によって概して大きくなる傾向を示し, とくに小腸において著るしかった。しかしながら, 筋胃ではその影響は認められなかった。
    (2) 中ヒナでは, 消化管はグリット給与によって幼ヒナの場合とは逆に概して小さくなる傾向を示し, とくに小腸において著るしかった。また筋胃においては, 実測値はやや大きかったが, 単位体重当りではその傾向は認められなかった。
    3. 消化管各部位別の組織の厚さ (高さ)
    幼ヒナでは, 消化管各部位別組織の測定結果は, 一定の傾向を示さなかったが, 中ヒナでは, グリット給与によって発育が良好となった場合においては, 筋胃の角質層および固有層が発達し, また, 小腸上位部の絨毛高が高くなる傾向にあった。また, 消化管の各部位の各組織は概して発達しているようであった。
    本報告の大要は日本畜産学会関東支部大会 (昭和41年度および昭和42年度) において発表した。
  • IV. 1日休み飼料給与法の効果について
    飯野 雅夫, 水谷 一之, 目加田 博行, 巖 正美, 緒方 国幸, 吉田 実
    1969 年 6 巻 4 号 p. 179-187
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    埼玉県, 徳島県, 愛知県, 熊本県の養鶏試験場および岐阜県種鶏場において, 1666年春ふ化の白色コーニッシュ種雌124羽, 白色ロック種雌476羽を用い, 育成期 (8~24週齢) およびその後の産卵期にわたって, 3日のうち1日は全く飼料を与えない給与法 (1/3制限と略す) および2日のうち1日は全く飼料を与えない給与法 (1/2制限と略す) について, 種卵生産性におよぼす効果を検討した。なお, 各場所の事情で飼料給与法, 実験期間, 反復の有無など一様でなかったので, 埼玉, 岐阜を第1群, 他の3場所を第2群として分けて検討した。第1群は, 自由摂取区, 1/3制限区, 1/2制限区を設け, 各給与区2反復とし, 52週齢まで, また, 第2群は, 自由区, 1/3制限区を設け, 各給与区1群ずつで, 48週齢までの成績となっている。供試飼料は, 場所とも同一のものであり, 育成期にはCP16-TDN66 (計算値) の育成用飼料を給与し, 産卵期にはCT18-TDN66 (計算値) の産卵用飼料を給与した。その結果を要約すると, 次のとおりである。
    (1) 1/2制限区および1/3制限区は, いずれも鶏の健康状態は良好であって, 産卵期の生存率は自由区に比して高かった (危険率5%で有意)。
    (2) 育成期, 産卵期ともに1/2制限法で飼育すると, 自由摂取区に比して, 産卵用飼料の摂取量が9%少なく, 成熟体重 (44週齢体重) が11%低い。一方, 種卵産卵率は8%高い成績となった。体が小さく, 飼料摂取量が少なく, しかも産卵率が高いので, 1/2制限区の種卵1個あたりの飼料費は10%低いことになった。しかし, この差は, 統計的に有意とはいえなかった。
    (3) 育成期, 産卵期ともに1/3制限法で飼育すると, 自由摂取区に比して, 種鶏の飼料摂取量は5%少なく, 成熟体重は7%低く, 産卵率には大差がない結果であった。一般に, 1/3制限法による成績は, 自由摂取区と1/2制限法の成績との中間であった。
  • 倉田 新一郎, 井上 哲夫, 大角 彰
    1969 年 6 巻 4 号 p. 188-193
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    抗生物質が幼畜や鶏ヒナの発育促進に用いられて以来久しいが, 最近, 抗生物質のヒナの発育促進効果が不明確になったとする報告がみられる。本実験は, 1965年から1967年までの3ケ年間に行ったCTC, OTC, PEN, BAC, MKM, CRP, SPM, OLMおよびFDM+PENの9種類の抗生物質の飼料添加がヒナに対して発育促進効果を有するか否かをみる諸実験の結果を再検討したものである。
    供試した鶏種は, 産卵用ヒナとブロイラー用ヒナであるが, それらの品種は実験によって一定せず, また, 実験時期, 飼育場所および飼料なども異なった。したがって, 各実験結果をそのままで比較することには問題があると思われるので, 1同の実験における対照区と試験区とを仮に実験回数1回とし, 増体量, 飼料摂取量および飼料効率を指数で示し検討した。実験はいずれもえづけ後10週間である。
    10週間の増体量は, ある種の抗生物質では1~7%の発育促進効果があり, 個々の実験でも統計的に有意差のあるものもあったが, 3ケ年間における結果を総合してみた場合には, いずれもその効果を確認できなかった。
    飼料摂取量は, 抗生物質添加区が多く, 飼料効率の改善はみられなかった。
  • 吉田 実
    1969 年 6 巻 4 号 p. 194-198
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    ナタネ粕の栄養価に関する協同研究に, 分割区法を応用することを試みた。1次因子としてナタネの産地, 2次因子として, 対照区とナタネ粕区の比較, およびナタネ粕の処理温度ならびにその配合量を組合せた飼料因子, 3次因子として性別をとり上げて, (1) 式の線型モデルを想定して甲状腺重量のデータを解析した。
    甲状腺重量については, 配合量L, 性別Sの主効果および交互作用T×Sが有意であって, 甲状腺重量と配合量との間には図1に示されるような直線関係が認められた。
  • 吉田 実, 上野 満弘
    1969 年 6 巻 4 号 p. 199-203
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    個体ごとに測定した3例のHI価について, 分散分析を適用できるかどうか検討した。
    ワクチン歴の等しいヒナのHI価は, 測定値の対数をとれば, 正規分布するとみなしうること, および, 週齢あるいはワクチン処理の異なる群の間のHI価の対数は, その分散が等しいとみなしうることが確かめられた。
    そこで, 例2について, 分割区法により3種類のワクチン, A, B, Cの効果につき分散分析を行なった。その結果, Aが最も有効で, C, Bの順に効果が劣ることおよびHI価の経時変化は, 各区に共通の傾向を示していることが確かめられた。
    ワクチンの効果を, ワクチン投与前後のHI価の比をとって比較することが行われている。この場合も, 対数に変換した上で, 投与の前後にHI価は変らないという帰無仮説をt-検定して確認することができる。この方法により, 例2のワクチンBが無効であるが, ワクチンAおよびC, および例3の4種類のワクチンはすべてHI価を高めることが, 危険率1%あるいは5%で確かめられた。
  • 阿部 猛夫, 山田 行雄, 西田 朗
    1969 年 6 巻 4 号 p. 204-208
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Since KEMPTHORNE and NORDSKOG (1959) first presented a method for constructing the restricted selection index, their method has been in wide use. Their method for finding appropriate weighting factors for phenotypic values of different traits of an individual is apparently rather complex, involving repeated multiplication of matrices.
    In the present note, a modified method is described which is essentially the same as that of KEMPTHORNE and NORDSKOG but is more clear-cut and requires only very simple operations except for inversion of matrix if an electronic computer is available for this latter work.
    Procedures follow:
    i) Prepare phenotypic and genetic variance-covariance matrices (P and G) as well as a column vector of economic weights (a), and calculate Ga in the same manner as in the case of no restriction.
    ii) Make matrix P in such a way as
    P=[P G* (G*)' O], where G* is a matrix made of columns of G corresponding to the traits under restriction, (G*)' the transpose of G*, O a null matrix of the order equal to the number of restricted traits.
    iii) Obtain P-1 and take out only the elements of it which are located where P is located in P, and denote them as matrix X.
    iv) Post-multiply X by Ga in i) to obtain a vector whose elements are the values of the weighting factors b1, b2, …, bn we want.
  • TALLIS論文の拡張
    阿部 猛夫
    1969 年 6 巻 4 号 p. 209-214
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    TALLIS gave a general solution to the problem of sampling variance of the genetic correlation estimate calculated from the sire components of variance and covariance obtained by analysis of variance and covariance with one-way classification, i.e. "between sires" and "within sires." His method of developing the formula for the sampling variance can be extended rather easily to the case of the estimates of genetic correlation using the sire components, the dam components, and also both the sire and dam components to be obtained from analysis of variance and covariance based on nested classification with "between sires", "between dams within sires" and "within sires and dams" as sources of variation.
    In the present note are given formulae for estimated sampling variances of such genetic correlation estimates, derived by extention of TALLIS' method.
  • 1969 年 6 巻 4 号 p. 215-227
    発行日: 1969/10/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top