日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
8 巻, 3 号
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  • 吉田 実
    1971 年 8 巻 3 号 p. 131-143
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 松澤 利明, 山崎 光郎, 佐々木 正明, 北野 訓敏, 鈴木 善雄
    1971 年 8 巻 3 号 p. 144-149
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色レグホン種の初生雛雄にベクロチアミンを125ppm, 500ppm, 1000ppmおよびチアミンを125ppm, 1000ppmの濃度で飼料添加し8週間連続給与した結果次のごとき結果を得た。
    1) ベクロチアミンは大量投与した場合でも特に組織に蓄積することもなく, 投与を中止すれば直ちに体外に排泄される。また肝臓中のチアミン含量を低下させることはない。
    2) ベクロチアミンおよびチアミンを長期大量使用してもヒナの生長に悪影響を与えることなく, 無添加対照より良好な生長を示した。
    3) チアミンおよびベクロチアミン長期大量連用しても主要臓器の脳, 肝臓, 心臓脾臓, 副腎, 腎臓および精巣の重量に悪影響はなく, また肝小葉および肝細胞に著変を与えなかった。
    4) 血清の生化学的検査において, 酸性フォスファターゼ, アルカリ性フォスファターゼ, トランスアミナーゼの各活性値, 総蛋白量, 総コレステロール量およびグルコース量のいずれも正常域内にあり, チアミンおよびベクロチアミン大量長期投与による悪影響は見られなかった。
  • 阿部 恒夫, 小沢 総一郎, 矢野 幸男, 茂木 一重
    1971 年 8 巻 3 号 p. 150-155
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    食肉として流通している家禽肉の免疫学的鑑別法を検討し, 次のような結果を得た。
    1. 鶏, 七面鳥, アヒル, ウズラの各筋肉の水抽出液を作り, それぞれをアジュバント処理したものを抗原とし家兎の蹠内に注射して得た未吸抗血清は, 哺乳類の肉抽出液とは全く反応を示さなかったが, 鳥類の肉抽出液とは類属的な交叉反応を示した。しかし未吸抗血清に交叉反応を示した肉抽出液の少量をえ加ることにより, 交叉反応は除去され, 肉の種属を鑑別できる特異的抗血清を得ることができた。
    2. 鶏を免疫動物として作成された抗血清は, 鶏抗七面鳥肉の場合をのぞいて, 未吸収のままで肉抽出液に対して種属特異性示をした。しかし鶏免疫の場合は, 抗体は産生され難く, 一般に得られる抗体価は低かった。
    3. 肉の種属鑑別法の術式としては Ouchterlony 法を改良した寒天ゲル内沈降反応が適当であった。本法による肉蛋白質の検出感度は0.5mg/ml程度であり, 混合肉の検出に十分に利用し得る。
  • I. 免疫鶏における盲腸組織内原虫数の変動ならびに血中抗体と感染防御との関係について
    東条 英昭, 岡本 正幹
    1971 年 8 巻 3 号 p. 156-160
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    本実験は, Eimeria tenella による免疫鶏の盲腸組織内における原虫数が感染後の時間経過に伴なってどのように変動するかを観察するとともに, 原虫抽出物 (シゾント抗原) の注射が感染防御に対してどのような免疫効果を示すかを検討するために計画されたものである。供試鶏には抗生物質や抗コクシジウム剤が添加されていない飼料で飼育した白色レグホン系コマーシャルの雄雛を用いた。その結果を要約するとつぎに示すとおりである。
    I. 盲腸組織内の原虫数は, 免疫鶏で非免疫鶏に比べて少なかった。しかし, 両者の間における原虫数の差は, 攻撃感染後24時間目までは小さかったが, 感染後72ないし96時間目には, 免疫鶏における原虫の増殖が, 非免疫鶏に比較して著しく低下した。
    II. シゾント抗原の注射により免疫した鶏の血清は, メロゾイトに対してかなりの凝集または崩壊作用を示したにもかかわらず, これらの鶏は, 排出オーシスト数の測定の結果, 攻撃感染に対して, オーシストの経口感染による免疫鶏に比べ明らかに低いことが認められた。
    したがって, これらの結果から, コクシジウムに対する免疫は, 循環抗体のみによって成立しているものでないことが推察されよう。
  • 橋本 芳信, 西村 元喜, 久葉 昇
    1971 年 8 巻 3 号 p. 161-167
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    昭和41年8月頃より関西地方で餌付後5~7日令頃のヒナに Blindness (Bl) が発生した。本研究はこの発生原因を主として飼料学的見地から究明したものである。
    (1) Blが発生した現地で給与していた飼料を用い, 実験的に再現を行なったところ, その飼料によりBlの発生を認め, Bl発生の原因が主として給与された飼料によるものと考えられた。
    (2) Blの発生した飼料に配合された魚粉を用いてヒナを飼育したところ, Blの発生を認めた。また, このBl発生魚粉中には粒子の細かい高窒素化合物の混入されていることを認めた。
    (3) 魚粉メーカーでBl発生魚粉に混入したと考えられるM物質を入手したので, これをチックフードに添加してヒナに給与したところ, M1.5~10添加区にBlの発生が認められた。またBl発生率はMの添加量が増加するにつれて高くなり, 10%添加でBl発生率100%となった。この0.5%添加ではBl発生はなかった。
    (4) M物質を比重分離し, 比重1.60で浮遊するA, 比重1.60で沈澱し, 比重2.00で浮遊するC, 比重2.00で沈澱するEの3者を, ヒナに給与したところ, CのみにBlが発生した。
    なおCの物理化学的な性質がシアナミド誘導化合物に類似することが推定されたので, 赤外線吸収スペクトル法およびペーパークロマトグラフィ法により確かめたところ, Cの中にはアンメリンが主成分として含まれているものと考えられた。
    (5) アンメリンならびに各種のシアナミド誘導体をヒナに給与したところ, アンメリン添加区のみにBlの発生が認められた。またその症状は現地でのBl発生, またはM, C物質投与によるBl発生と全く同様のものであった。
    (6) 以上のことから, 関西地方に発生したヒナのBlはアンメリンを含む魚粉を配合されたチックフードを与えたのが, その原因であると考えられた。
  • 2. 冷蔵庫および鐘乳洞内における流動パラフィン塗布鶏卵の保存
    田名部 雄一, 西川 邦夫, 伊藤 清明, 中村 孝雄, 高橋 敏夫
    1971 年 8 巻 3 号 p. 168-175
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    流動パラフィンを卵殼面に噴霧塗布した鶏卵および無処理の鶏卵を4月中旬より11月中旬まで7ケ月間, 調温しない研究室内, 8.5~10°Cの鐘乳洞, 気温4~6°Cの冷蔵庫内に保存し, そのハウユニット, 卵白高, 卵白係数, 卵黄高, 卵重減少を調べた。
    1. 卵殼面の流動パラフィン被膜処理は, 無処理のものに比べいずれの保存区においてもハウユニット, 卵白高, 卵白係数, 卵黄高を著しく高く保ち, 卵重減少は著しく少なかった。
    2. 流動パラフィン塗布による卵質の保存効果はいずれの保存区においても認められたが, 温度の低い冷蔵庫内保存の場合が最もよく, 次に鐘乳洞内の保存が優れていた。
    3. 卵を新鮮卵と殆どかわらず (ハウユニット65以上) そのまま食用に出来る状態で保存しうる期間は, 流動パラフィン塗布卵の場合冷蔵庫で6ケ月, 鐘乳洞で3ケ月, 15~25°Cの調温しない室で1.5ケ月である。
    4. 流動パラフィン塗布をして4~6ケ月保存した卵と産卵後6時間以内の新鮮卵を2点嗜好試験法による客観的官能検査を行なったところ, 嗜好に差は見出されなかった。
  • 目加田 博行, 海老沢 昭二, 二村 喜久雄, 浅沼 良吉, 中島 健輔
    1971 年 8 巻 3 号 p. 176-182
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    1969年春季ふ化の白色プリマスロック種, 雌, 670羽を用いて, 岐阜県種鶏場と群馬県畜産試験場の2ケ所で, 育成飼料の効果と産卵飼料のCP, TDN要求量について検討した。
    24週齢までは2区に区分して, 一方には通常飼料を与え, 他方には8週齢までは低リジン飼料, 8週齢からは高エネルギー低リジン飼料を自由摂取させた。24週齢からはCP12, 16, 20%, TDN 60, 66, 72%のおのおの3水準を組合わせた9種類の産卵飼料をそれぞれに与えた。
    育成期
    1) 24週齢体重は高エネルギー低リジン飼料給与によって70%に抑制され, 飼料摂取量は1羽当り2.8kg減少し, 育成率は差がなかった。
    産卵期
    2) 高エネルギー低リジン飼料給与によって, 初産日齢が遅れ, 初産卵重は増加し, 産卵率, 卵重, 種卵取得率, 種卵生産費が改善されたが, 飼料摂取量が増加し生存率が低下した。
    3) CPに関しては, 12%で初産日齢が遅れた以外, その他の産卵能力には12~20%まで差がみられなかった。
    4) TDNが高いほど飼料摂取量は少ないが, 終了時体重は重かった。その他にはTDN間に有意な差は認められなかった。
  • 1. 育成用飼料の2段階および産卵用飼料の粗蛋白質3段階切替方式の影響
    小栗 啓一, 山田 卓郎, 上村 隆作, 小松 利雄, 中沢 稔, 上林 峯治, 高橋 仁, 長尾 章, 窪田 大作, 土黒 定信, 森本 ...
    1971 年 8 巻 3 号 p. 183-187
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    この試験は期別給餌法 (Phase feeding) が, 日本飼養標準を基準とした飼養方式 (対照区) と比較して有効であるか否かについて検討したものである。また, 期別給餌法は, 一般に産卵期について行なわれるものであるが, 本研究では育成期および産卵期を通し, 各県の協同試験として実施したことが特徴である。試験の結果は次のようになった。
    1) 育成期の給餌方式は, 日本飼養標準が幼•中•大雛の3段階切替方式であるが, これを幼•大雛の2段階切替方式で育成しても, 20週齢時における増体量およびその後の産卵成績などに影響が認められなかった。したがって, 育成期の飼料を2段階切替で育成することは飼料費および給餌方式の単純化の点で有効である。
    2) 初産開始後は, 産卵率の上昇だけでなく増体にも蛋白質が必要となるから, この時期には高蛋白質飼料を給与した方がよいと考えられる。しかし, 日本飼養標準である粗蛋白質含量16%を18%まで高めた飼料を給与してもその効果は認められなかった。
    3) 産卵後期は, 産卵率の低下と, 産卵率の割合に飼料摂取量が多くなるので, この時期には低蛋白質飼料を給与してもよいと考えられる。この試験でも粗蛋白質含量16%飼料を14%まで下げて給与したが, その影響は認められなかった。したがって, 産卵後期に低蛋白質飼料を給与することは飼料費を節約できることからして, 産卵期の期別給餌方式は産卵後期のみ切替える2段階で飼養することは有効な手段である。
  • 坂井田 節, 杉山 正儀, 塩谷 栗夫
    1971 年 8 巻 3 号 p. 188-192
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    (1) 鶏痘予防接種の結果, 専用種と準専用種では, 発痘の状態に差を生じた。接種に際しては, 同一作業員が同一方法で行なっているので作業上の誤りとは考えられない。したがって, この差は雛の移行抗体による差であると思われる。発痘状態の悪かった準専用種においても, 実験期間中鶏痘と思われる個体は見られなかった。
    (2) プログラムの違いによって, HI価は大きく異なってきた。不活化ワクチンを1.0cc接種した区は, ほとんどHI価が上昇しなかった。これに対し, スプレー方式によってB1生ワクチンを接種した区は, 順調に抗体価が上昇し, 10週齢時においてもGM=21.4で, 高いH価を示した。またスプレーによる副作用は見られなかった。この結果, ニューカッスル病対策としては, No. 2のB1生ワクチンスプレー方式の方が, 効果の大きいことが明らかとなった。
    (3) Mg凝集反応を調査したが, No. 1, No. 2ともにすべて陰性であり, プログラムによる差を認めなかった。
    (4) 育成率においては, プログラムによる差は見られなかった。これは, 病気の発生もなく比較的順調に経過したためであろう。しかしNo. 1の方にコクシジウムの症状と思われる個体が2羽でた。これはプログラムの違いによって生じた差と思われる。No. 1, No. 2ともに専用種には, ペローシスがでたが, これは, プログラムによる差ではなく, 品種によるものであろう。
    (5) 飼料要求率は, 総平均で, No. 1とNo. 2の間に0.07の差があった。分散分析の結果, 統計的に有意な差とはならなかったが, No. 2の方が, 4群のうち3群まで, No.1を下廻る数値を示し, 衛生プログラムが完全に近い程, 飼料要求率も改善されるようである。これは, 雛の健康管理がうまくゆくためであろう。
    (6) 10週齢体重は, No.2の方が総平均で30g多かった。体重のばらつき (変動係数) を調べたところ, すべてNo. 2の方が変動係数が小さく, 発育が斉一であることを示している。このような面にもプログラムの差がでているようである。
    (7) 収支計算の結果, プログラムの違いによって1羽当りの収益には, 7.5円の差を生じた。分散分析の結果, 有意の差とはならなかったが, 薬品代の差を差引いてもなお収益が上廻ったことは事実である。
    このため, ブロイラーの衛生プログラムを作成する場合は, No.1のような不完全なものより, No. 2のようにななるべく総合的なプログラムを考えるべきである。No. 1, No. 2とも比較的順調に経過しても収益に差がでたわけであるから, 万一病気が発生した場合は, プログラムによる差は, さらに大きくなるであろう。
    以上のような結果から, ブロイラーの衛生プログラムとして, No. 1とNo.を比較した場合, No. 2のプログラムの方がよいことが明らかとなった。
  • 1971 年 8 巻 3 号 p. 193-196
    発行日: 1971/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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