日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
9 巻, 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 松本 達郎
    1972 年 9 巻 6 号 p. 243-253
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 新城 明久, 水間 豊, 西田 周作
    1972 年 9 巻 6 号 p. 254-260
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    全きようだい交配を2~4世代行なった近交系間交配ウズラ (インクロス) の, 適応度におよぼす近親交配の影響を, 11週齢から13週齢までの3週間に産んだ卵について調査した。そして諸形質の退化の程度を近交係数に対する荷重 (重みづけ) 回帰で示すとともに遺伝的荷重を推定した。
    1) 全きようだい交配区では世代の進行にともない適応度指数は著しく退化し, 4世代目では6.0%となり, 5世代以後全きようだい交配を続けることが困難となった。
    2) 近交係数が10%増加することの諸形質の退化の程度は, 産卵率, 育成率および適応度指数で顕著で, 有意な回帰係数が得られ, それぞれ3.38, 6.34, 9.56%ずつ退化した。またその他の入卵率, 受精率, ふ化率にも同様近交退化の傾向が認められた。
    3) 5世代目まで子孫を残した組合せにっいて退化の程度を検討しても, 全きようだい交配区全個体から求めたそれとほぼ同様な値を示した。
    4) 全きようだい交配区の産卵率, 入卵率, 受精率, ふ化率および4週齢までの育成率の値を合計して得られた1接合体当りの致死相当量は7.52と推定された。また荷重比は9.7と小さい値を示した。
    5) 以上の成績より, ウズラ集団の遺伝的荷重は, 突然変異による荷重よりも分離による荷重が大きく, ウズラの近交退化は急激なホモ性の増大による多くの遺伝子座にあるポリジーンのヘテロ性の低下が原因として大きいものと考察し。
  • II. 白色レグホーン小型種に最適の単飼ケージ幅について
    牛島 孝, 与田 光春, 真鳥 清, 永峰 定栄
    1972 年 9 巻 6 号 p. 261-266
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵鶏用単飼ケージの最小幅を確立するため, 福岡県, 佐賀県, 長崎県, 宮崎県の共同研究として, 昭和45年4月3日餌付けの白色レグホーン, 小型種, 系統A (300日齢時, 平均体重約1,660g) 600羽および系統B (同, 約1,690g) 800羽を供試し, 系統別に, 120日齢で5区に区分し, ケージ間口21cm, 19.5cm, 18cm, 16.5cmおよび15cmの単飼ケージに, 収容して, 150日齢から500日齢までの350日間試験を実施した。
    生存率, 産卵率, 生産卵量, 飼料消費量および飼料要求率は, 系統Aでは, ケージ間口により, 大差がなかったが, 系統Bでは, 15cm区が劣っており, 他の間口間には大差はなかった。
    50%産卵到達日齢, 卵重は, 両系統ともケージ間口により, 大差がなかった。
    系統AおよびBの体重は, ほぼ等しいのに, 15cm区に対するケージ間口の反応が明らかに異なることは, 系統により, ストレスに対する感受性が違うものと考えられ, 系統別に, 管理方法を変える必要があることを示唆していると考えられる。
  • 目加田 博行, 海老沢 昭二, 二村 喜久雄
    1972 年 9 巻 6 号 p. 267-273
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    養鶏飼料の蛋白質源として使われる魚粉, フイッシュソリュブル, ミートボーンミール, フェザーミール, 大豆粕, 綿実粕, アマニ粕, ゴマ粕, ヤシ粕の9種類と, これからの主要蛋白質源として注目されている炭化水素酵母と, 現在では利用されていない羊毛粉の計11種類について, 鶏ひなを使用して蛋白価を測定した。
    各種飼料の蛋白価は, 魚粉: 110, ミートボーンミール: 92, ブイッシュソリュブル: 74, フェザーミールA: 40, フェザーミールB: 4, 綿実粕: 67, 大豆粕: 63, アマニ粕: 54, ゴマ粕: 13, ヤシ粕: 28, 炭化水素酵母: 93, 羊毛粉: 17であった。
    カゼインと炭化水素酵母のアミノ酸を分析した結果, カゼインに比較して炭化水素酵母に不足する必須アミノ酸はメチオニン, イソロイシン, ロイシン, フェニールアラニン, バリン, ヒスチジンの6種類であった。不足するアミノ酸のうち, イソロイシン以外の5種類のアミノ酸を炭化水素酵母に単独添加して, 蛋白価を測定した結果, メチオニンの添加効果は, 蛋白価の向上に有効で, 不足量の2倍添加すると顕著な効果が認められた。その他のアミノ酸の添加効果は見られなかった。
  • 窪田 大作, 土黒 定信, 久保 辰雄, 松島 正洋, 野口 進, 今井 一郎, 飯野 雅夫, 平野 公夫, 田家 清一
    1972 年 9 巻 6 号 p. 274-280
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    有成期 (8週齢) より産卵期 (64週齢) を通して, ナタネ粕の配合割合をそれぞれ0, 4, 8および12%と一定にした飼料を給与して飼養試験を実施した。供試したナタネ粕はカナダよりナタネを輸入して採油したものと, 日本で裁培したナタネより採油したもの種類を用いた。
    飼養試験の結果は次のようである。
    1) 育成期にナタネ粕を多給すると飼料摂取量が減少し, 特にJでは8%の配合量でも減少の傾向が認められるが, 体重には影響が認められなかった。また, 初産日齢や初産卵重にも影響が認められなかった。
    2) 16週齢 (試験開始後8週齢) の甲状腺重量は, ナタネ粕を給与すると一般に肥大の傾向の傾向示すが, Jでは8%以上の配合量で統計的にも明らかに肥大した。また, Jの配合量を増すと, 配合量に応じて甲状腺は肥大した。しかし, Cでは対照区に比較して統計的には5%水準の危険率においても差が認められなかった。しかしながら, ナタネ粕を長期間給与した場合にはJおよびCともに甲状腺は明らかに肥人した。
    3) 産卵率はJの配合割合を増すと低下の傾向を示し, 12%配合区では統計的にも明らかに低下した。しかし, Cでは対照区に比較して明らか差は認められなかった。
    4) 産卵期の飼料摂取量, 飼料要求率および生存率に差が認められなかった。
    5) 卵重およびふ化率はJおよびCとも12%配合区が対照区に比較して明らかに差が認められた。
    6) J12%配合区の卵を, 幼雛用飼料の蛋白質源として17% (風乾物) 配合して給与したが, 4週齢の雛の甲状腺は肥大しなかった。
  • 吉田 実
    1972 年 9 巻 6 号 p. 281-285
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    飼料を個体ごとに与えて測定した, 飼料自身の窒素補正代謝エネルギーの母標準偏差σは, 0.124kcal/gと推定される。これから, 単味飼料を100α%配合した飼料と基礎飼料とを, n羽ずつのr群ずつに与えて測定した, 単味飼料の代謝エネルギー (MEing) の母標準偏差σingが計算される。n, r, αが種々の場合について, σingを計算し, 表1にまとめて示した。
    単味飼料の代謝エネルギーの信頼区間, および2つのMEing間の最小有意差も, このσから推定されるので, その計算式を, 計算例とともに示した。
  • 山田 義武, 渡辺 公司, 海老沢 昭二, 二村 喜久雄
    1972 年 9 巻 6 号 p. 286-290
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白色プリマスロックに劣性伴性矮性因子 (dW) を導入して表現型能力への影響を知る目的で試験を実施した。
    正常な白色プリマスロック雌 (DWO) にdWO因子をヘテロ型に持つ白色プリマスロック雄 (DWdW) の交配から矮性鶏 (dWO) と正常鶏 (DWO) に分離し35日齢から350日齢までdWOとDWOの能力について比較検討した。またdWOとDWOに同一の白色コーニッシュ雄を人工授精して得られたブロイラーヒナの性能について餌付から70日齢まで2回の試験を行ない, 次のような成績を得た。
    (1) 白色プリマスロックの成績
    DWOに対するdWOの能力を比率 (%) で示すと下記のとおりである。
    成熟時体重: 70, 成熟時中足骨長: 77, 飼料摂取量: 74, 産卵率: 95, 産卵強度: 95, 150日齢卵重: 96, 250日齢卵重: 95, 350日齢卵重: 98, 初産日令: 100, 育成率: 105, 生存率: 104, 種卵1ケ当り飼料摂取量: 82,
    (2) ブロイラーの成績
    ブロイラービナの性能比較の結果, 10週齢体重, 育成率および飼料要求率は種鶏による影響が見られなかった。
    以上の結果から, dWOはDWOに比して成熟時体重で約30%小躯となり, 飼料摂取量も26%減少した。しかし, その他の形質には大きな差が見られなかった。また, 両者に同一の白色コーニッシュの交配から得たプロイラーの発育成績も同様な結果となった。したがって, 肉用母種鶏としての経済性を考慮すれば, dWOはDWOに比して有利となるであろう。
  • 1972 年 9 巻 6 号 p. 291-292
    発行日: 1972/12/25
    公開日: 2008/11/12
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