日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
9 巻, 3 号
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  • 目加田 博行, 海老沢 昭二
    1972 年 9 巻 3 号 p. 109-114
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産卵, ふ化およびひなの発育に対するビタミンB12の効果を検討するために, 実験を行なった。
    産卵およびふ化に対する実験は, 低ビタミンB12飼料としてコーンスターチ, 大豆粕, 大豆油を主体にした半精製飼料と, これに10μg/kgのビタミンB12を添加した飼料を用いて行なった。
    産卵率, 卵重, 飼料摂取量, 生存率に対してビタミンB12の効果は認められなかった。また, ふ化率に対する効果も認められなかった。なお, ビタミンB12無添加区の種卵中のビタミンB12量は, 添加区に対して著しく低く, それぞれ1.3mμg/gと15.8mμg/gであった。
    ひなの発育に対するビタミンB12の効果は, 低ビタミンB12飼料とビタミンB12添加飼料を与えた種鶏からふ化したひなをそれぞれ用いて, 低ビタミンB12のひな飼料に10μg/kgのビタミンB12の添加とDL-メチオニン0.4%を添加して行なった。
    4週齢の体重はひなあるいは種鶏のいずれかにビタミンB12を添加すると, 無添加に比して有意に増加した。また, メチオニンの添加も有効であった。
    飼料要求率はひなの飼料へのビタミンB12添加のみが有効であった。
    ひなの月刊蔵中のビタミンB12量と発育とはよく一致した傾向が認められた。
  • 吉田 実, 星井 博
    1972 年 9 巻 3 号 p. 115-123
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    白レグ種産卵鶏103羽を用いる2回の実験および, 肉用種雌のヒナ95羽を用いる1回の実験を行なった。産卵鶏とヒナのいずれに対しても, 蛋白質含量が16~28%で, 可消化養分総量 (TDN) が60または73%である6種類の試験用飼料のいずれかを与えた。給与期間は, ヒナで18日, 産卵鶏では最長9週間であった。試験期間中に, 計画にしたがって順次殺して, 腹腔内脂肪含量を測定するとともに, その一部については, 全体を肉挽器にかけた上で, サンプリングし, 体脂肪含量を測定した。
    産卵鶏の場合, 腹腔内脂肪含量 (x%) と, 体脂肪含量(y%) との間には, 直線関係が認められ, つぎの (2) 式を適用することができた。
    y=5.03+3.049x……(2)
    体脂肪含量の測定には時間と労力を要し, しかも化学分析のための器機と技術を必要とするが, この式を用いて, 測定の容易な腹腔内脂肪含量から推定することができる。
    飼料のエネルギー含量を, TDNで73%から60%に下げることは, 産卵鶏, ヒナのいずれに対しても有効であって, 腹腔内脂肪含量を低下させた。また, 従来の知見の通り, 飼料の蛋白質含量を16%から, 22または, 28%に高めると, ヒナの腹腔内脂肪含量を減少する効果を示した。しかし, ヒナの場合とは対照的に, 飼料蛋白質含量の変化は, 産卵鶏の腹腔内脂肪含量に対し影響しなかった。これから, 産卵鶏とヒナとでは, その蛋白質または脂肪の代謝に差があることが示唆される。
  • 土黒 定信
    1972 年 9 巻 3 号 p. 124-129
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵用鶏の育成期におけるカルシウム過剰給与の影響を究明するために, 二つの実験を行なった。実験1においては, 有効リン水準が0.4% (標準) と0.6%の2水準, カルシウム水準がそれぞれ0.75, 1.75, 2.75および3.75%の組合わせによる8種類の飼料を, 4~20週齢の中•大雛期に給与した。実験2においては, 有効リン水準がすべて標準で, カルシウム水準がそれぞれ0.75, 2.25, 2.75, 3.25, 3.75および4.25%の6種類の飼料を, 10~20週齢の大雛期に給与した。20週齢以後はいずれの実験においても, すべて標準の成鶏用飼料を給与した。
    成績を要約すると, 次のようになる。
    (1) リン水準が標準量でカルシウム水準が産卵鶏用飼料と同一か, またはそれ以上の飼料を4または10週齢より給与すると, 成長はいずれも明らかに低下し, 飼料効率も低下したが, 飼料のリン水準を高めると, 以上のような悪影響は全く認められなかった。
    (2) 初産日齢, 産卵率, 卵重, 産卵に対する飼料効率は, いずれの実験においても, 育成期に給与した飼料のカルシウム水準により, 明らかな差異が認められなかった。
    (3) 4週齢より, リン水準が標準量で, カルシウム水準が3.75%の飼料を給与した鶏では, 22~24週齢において, 未産のまま腎臓障害により死亡するものが明らかに認められた。また, カルシウム水準が2.75%においても, 死亡鶏の一部に若干腎臓肥大が認められた。しかし, 高リン飼料を給与した鶏, および実験2においては, 腎臓障害に起因するとみられる死亡は認められなかった。
    以上の結果より, 中•大雛期より, カルシウム水準が成鶏用飼料と同一かまたはそれ以上の飼料を給与することは好しくなく, 特に中雛期より給与すると, 腎臓障害の原因となるので, その給与はさけるべきである。どうしても給与する場合には, 飼料のリン水準を標準量の1.5倍程度に高めると, カルシウム過剰の悪影響をほとんど防止することができる。
  • 土黒 定信, 森本 宏
    1972 年 9 巻 3 号 p. 130-133
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    卵用種の大雛期 (10~20週齢) に, CP水準がすべて15% (標準), アミノ酸組成もほぼ均一で, TDN水準がそれぞれ75, 65 (標準), 55および45%の4種類の飼料を給与し, 成長, 飼料効率, 窒素の蓄積率, 初産日齢, 産卵成績などに及ぼす影響について究明した。
    その結果, 次の成績が得られた。
    1. 大雛期の増体量はTDN水準が低いほど少なくなり, TDN45%区では対照区 (65%) の61%にすぎなかった。他方, 飼料摂取量はTDN水準が低いほど多くなり, したがって, 飼料効率もTDN水準の低下に伴って著しく減少した。また, 窒素の蓄積率もTDN水準が低いほど低下した。
    2. 初産日齢はTDN45%区は他の試験区に比べて, 約10日おくれたが, 初産後の産卵成績は試験区により明らかな差異が認められなかった。
    3. 以上の成績より, 卵用種の大雛に対する低エネルギー飼料の給与は, 成長の抑制のためにはかなり有効であるが, 産卵成績の改善には有効でなく, また, 飼料摂取量が増大し, 飼料効率および蛋白質の効率が著しく低下し, 飼料費の節減も期待できないので, 望ましい制限給餌法とはいえない。
  • I. 摂食活動の記録装置について
    藤田 裕
    1972 年 9 巻 3 号 p. 134-140
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    鶏の摂食活動について数量的な資料を得るため, 摂食量および摂食に費やされる時間の日内変動量を連続的に測定記録する装置を考案作製した。
    装置は, バネ秤上に固定した飼槽, 鶏のついばみによる飼槽への衝撃を緩和する衝撃吸収部およびペン書き時計式記録計の3主要部からなる。摂食にともなう飼槽内飼料重の減少は飼槽の浮上り巾の変化として経時的に記録される。また, ついばみによって飼槽に与えられた衝撃は衝撃吸収部によって減力され, 緩慢な上下動として記録紙に描記されるので, 上下動の生じた時刻およびその時間間隔を読み取ることにより, 摂食の行なわれた時刻と摂食に費やされた時間が計測できる。
    この装置の適用により, 摂食量については最少1g,摂食に費やされる時間については最少3分の変化がそれぞれ計測可能であり, 測定値の誤差は摂食量では平均3.3g, 摂食時間では平均3.6分であった。
    一連の装置機構および測定値の精度に関する検定試験を通じて, この装置は, ケージ内飼育鶏の自然な摂食活動を長時間連続的かつ正確に記録できること, 測定記録のための諸操作が簡便容易なことが確認され, 種々の飼育条件下における鶏の摂食活動の量的解析にこの装置を有効に用いうる見通しが得られた。
  • V. アルカリフーツの有効エネルギー
    吉田 実
    1972 年 9 巻 3 号 p. 141-145
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Soybean foots and rice foots are byproduct of the refining of oils for food use, which have been used for feed as dark oil after hydrolysis of sodium salts of fatty acids by sulfuric acid. The purpose of the experiments reported in this paper is to use alkaline foots themselves directly as energy source for poultry.
    Availability of energy in both of soybean foots and rice foots, i. e. percentage of available energy in gross energy, estimated by bioassay procedure with 180 starting chicks for 4 weeks was excellent, being 94 and 99%, respectively. No chicks died and no abnormality was observed among the chicks fed the foots.
    Nitrogen-corrected metabolizable energy of both of the foots estimated by analyses of feed and excreta was also excellent at the dietary level of foots dry matter of 3.8 and 3.0%, respectively, though metabolizable energy decreased gradually and excreta became loose with the increase in dietary foots levels.
    It was concluded that alkaline foots themselves, having high calorie of 7-9kcal/g of dry matter, are excellent energy source for poultry, if their dietary level be kept lower than 3-4%.
  • 横山 晋人, 木村 正雄
    1972 年 9 巻 3 号 p. 146-148
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • 土黒 定信, 森本 宏
    1972 年 9 巻 3 号 p. 149-151
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Low lysine diets chiefly composed of yellow corn and sesame meal were fed White Leghorn female chicks during 0-4 and 4-8 weeks of age, respectively. Lysine contents of low lysine diets fed the chicks 0-4 and 4-8 weeks old, were 0.6 and 0.4%.
    The growth of chicks fed low lysine diets during 0-4 and 4-8 weeks of age, was restricted to about about 30 and 60% of control diet (yellow corn-soybean meal, lysine 1.0%). Both feed consumption and feed efficiency of chicks fed low lysine diets during 0-4 and 4-8 weeks of age, were also restricted to about 50 and 80% of control diet.
    Feeding of low lysine diets during 0-4 weeks of age delayed sexual maturity about 10 days, but did not affect the subsequent egg production and egg quality.
  • 1972 年 9 巻 3 号 p. 152
    発行日: 1972/05/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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