日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
9 巻, 4 号
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  • 松沢 利明, 岩藤 誠吾, 北野 訓敏, 鈴木 善雄
    1972 年 9 巻 4 号 p. 153-158
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    有胞子性乳酸菌として中山ら (1949) によって発見された Lactobacillu sporogenes を用いた。白色レグホン種初生雛雄に1g中に109個の胞子を含むものを100ppm/feed添加し, 4週間給与し, 発育促進効果, 腸内での本菌の増殖, 乳酸産生, pH値, および血清コレステロールおよび乳酸量を測定した。
    L. sporogenes は雛の成長および飼料要求率を改善した。
    L. sporogenes は腸内で増殖し, 乳酸を産生した。
    L. sporogenes は腸内容物のpH, 血清コレステロールおよび乳酸量に影響を与えなかった。
  • 小坂 清巳, 星井 博, 吉田 実
    1972 年 9 巻 4 号 p. 159-164
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    国内4社で炭化水素に培養した酵母4種類および1社で亜硫酸パルプ廃液に培養した酵母2種類の有効エネルギーを, 肉用種雄および雌ヒナ計560羽を用いて生物定量法により測定した。この場合, 標準物質として, セルロース, 大豆油, 黄色トウモロコシおよび大豆粕を用いたが, その代謝エネルギーは, 風乾物1gあたり, それぞれ, 0, 9.21, 3.48および2.28kcal/gであった。
    また, 26日齢から2日間, 排泄物を採取して, これらの酵母の代謝エネルギーと粗蛋白質の消化率を測定した。
    4週齢および8週齢時の飼料効率, すなわち, 単位飼料摂取量あたりの増体量から計算した有効エネルギーと排泄物の化学的分析にもとずく代謝エネルギーとはよく一致していて, 両者の測定方法がいずれも信頼できるものであることを示した。
    最高のエネルギー価は, 炭化水素酵母Aが示していて, 3.38kcal/g乾物であった。炭化水素酵母のエネルギー価は種類により異なっているが, 亜硫酸パルプ廃液酵母より高かった。
    炭化水素酵母の粗蛋白質の消化率は, ほぼ一定のすぐれた値であって, 平均84%であった。
    供試した6種類の酵母については, エネルギー価と粗蛋白質含量との間に高い相関が認められたが, エネルギー価と総エネルギーとの間には相関が認められなかった。この知見は, 酵母の蛋白質の消化率が高いという知見とあわせて, 酵母の栄養価を大まかに判断する指標として, 蛋白質含量が有効であることを示している。
  • I. 育成飼料の給与量と経済形質の関係
    松島 正洋, 上林 峯治, 上向井 輝男, 松崎 正治, 藤田 公, 新名 照幸
    1972 年 9 巻 4 号 p. 165-172
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    “卵用鶏の育成飼料給与技術”に関する西日本地域共同研究 (鳥取, 岡山, 広島, 熊本, 大分, 宮崎) の第1年次試験として, 育成飼料の給与量と経済形質の関係を明らかにし, 飼料の必要最低量を推定するためこの試験を行った。各場所とも1969年春ふ化の白色レグホーン種めすひなを用い, 自由摂取の対照区と自由摂取量の80%, 70%および60%に相当する規定量を給与する試験区3区 (以下給与量の順にR80区, R70区, R60区とする) を設けたほか, 鳥取, 熊本では75%および65%相当量を給与する区を附設した。各場所は1区あたり40~60羽を供用し総羽数1,400羽であった。試験は餌付から68週令まで行い次の結果を得た。
    成長•強健性: 体重は育成飼料給与量の減少に応じて抑制され (飼料減少量1kgごとに0.17kg), 68週令においても残効が認められた。育成率, 生存率とも育成飼料給与量の影響はみられなかった。
    初産状況: 育成飼料給与量の減少に応じて初産は遅延し (飼料減少量1kgごとに7.6日), 初産卵重は重くなったがR各区の平均初産日令時における対照区平均卵重を上廻ることはなかった。
    産卵成績: 産卵量はR各区とも対照区より少なくなったが, これは初産遅延に伴う産卵初期の産卵量減少を反映したもので育成飼料給与量は性成熟以多の産卵性能に殆んど影響しないと考えられた。R60区では32週令以降飼料効率が高まる傾向がみられた。
    経済性: 卵1kg生産に要する全期間飼料所要量はR60区が最も少なく, 最も多いR80区との間に有意差が認められた。
    育成飼料の給与限界: 経済性の回帰式から育成飼料の給与限界は, 自由摂取量より2.4kg少ない5.6kg程度と算出され, これ以上給与する場合には自由摂取方式にした方がよいことが示唆された。
  • I. 初代鶏の成績について
    吉田 実, 多田 昌男, 番匠 宏行, 松島 正洋, 緒方 国幸, 飯野 雅夫, 梅田 勲
    1972 年 9 巻 4 号 p. 173-181
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    6県の試験場の協同研究として, 白レグ系の初生ヒナ, 雌1,220羽, 雄160羽を52週間飼育した。ヒナの半数には, 国内の4社でn-パラフィンに培養して生産して炭化水素酵母15%を含む酵母飼料を与え, 残る半数には対照飼料を与えた。実験計画は, 炭化水素酵母を与えた雌鶏から得た子孫を数世代にわたり育成することであって, 本報告ではその初代の成績を報告する。
    炭化水素酵母給与区の育成率, 生存率は非常によく鶏の健康上にも問題はなく, 産卵率, 飼料要求率もすぐれており, 卵重や成熟体重は正常で, 受精率, ふ化率も高いことから, 炭化水素酵母は, 良質の養鶏用蛋白質飼料であって, 慢性毒性といったものは全く含まないと考えられる。炭化水素酵母給与区のヒナには畸型は全く認められなかった。
  • 吉田 実, 星井 博
    1972 年 9 巻 4 号 p. 182-184
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    Rice powder, on which Aspergillus flavus was cultivated, was fed to laying Japanese quail (Coturnix coturnix japonica) and one-day-old male White Leghorn chicks as the preliminary experiment to compare the effect of aflatoxin on chicks and quails.
    Although the number of the chicks was only 20 in total, it was apparent that the feed intake for 7 weeks was in inverse proportion to the dietary level of rice powder. The decrcase of feed intake reflected on slow growth rate. However, contrary to the expectation, neither the enlargement of the liver, pancrease and spleen nor the regression of the bursa of Fabricius was observed. Cultivation of A. flavus lowered metabolizable energy of rice by about 10%.
    Average egg production of 21 quails for 14 days was in inverse proportion to the dietary level of rice powder, suggesting that egg production of quail is a good criterion to estimate the biological activity of aflatoxin. Between the quails on the control and those on the diet containing 40% of rice powder, little difference was observed in weight of the liver, pancreas and spleen.
  • 木村 正雄
    1972 年 9 巻 4 号 p. 185-186
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
  • II. 育成用飼料の低蛋白質•高エネルギー飼料および産卵初期の高蛋白質•高エネルギー飼料給与の影響
    山田 卓郎, 小栗 啓一, 上村 隆作, 小松 利雄, 藍沢 敬, 中沢 稔, 上林 峯治, 山西 清, 真島 清, 窪田 大作
    1972 年 9 巻 4 号 p. 187-192
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    この試験は育成期に低蛋白質•高エネルギー飼料を給与した鶏に対し, 産卵の初期に高蛋白質•高エネルギー飼料を給与した場合の影響および試験全期間を通して飼料の給与方式と産卵成績を検討したもので, 次のような結果が得られた。
    1) 育成期に低蛋白質•高エネルギー飼料を給与した場合, その飼料摂取量は減少したが, 増体量および飼料要求率には差異が認められながった。
    2) 産卵1期 (20~30週齢) の成績は, 育成期に低蛋白質•高エネルギー飼料を給与した場合に初産日齢がおくれ, 産卵率が低く, 飼料要求率は高くなった。また, この時期に高蛋白質•高エネルギー飼料を給与すると体重は重くなったが, 産卵率が改善されるようなことはなかった。
    3) 産卵の全期間についてみれば, 育成期に低蛋白質•高エネルギー飼料を給与した場合その卵重は小さく, また, 72週齢の体重は小さい傾向を示した。さらに, 産卵の後期に粗蛋白質14%含量の飼料を給与すると体重は小さかったが, 産卵率が低下するようなことは認められなかった。
  • 山野 洋一, 清田 利夫, 山田 忠信, 伊藤 嘉昭, 奥山 正高, 橋口 司, 大西 常夫, 木原 貞士, 白崎 克治, 持田 行盛, 柏 ...
    1972 年 9 巻 4 号 p. 193-197
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    9月より12月までにふ化した白色レグホーン種ひなを対象に漸減照明3処理, 量的制限給餌2処理を応用して性成熟を抑制し, その後の生産性を高める目的で1967年より1971年にわたり3場において試験し次の結果を得た。
    1. 性成熟は, 漸減照明, 制限給餌いずれによっても抑制されたが, 両併用処理によりさらに大きく抑制された13。
    2. 漸減照明は, ひなの銘柄により性成熟の抑制を認めない場合があり, 光に対する感受性差があるように思われた。
    3. 性成熟の抑制により卵重の増大と維持, 産卵率, 産卵指数および飼料要求率の改善の傾向が認められた。
    また, 制限給餌は, 育成期の飼料をかなり節減し, 漸減照明または併用処理に比し経済性が高いものと思われたが, これについてはさらに追究される必要がある。
  • 1972 年 9 巻 4 号 p. 198-200
    発行日: 1972/07/30
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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