理学療法教育
Online ISSN : 2436-8008
1 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特別寄稿
原著論文
  • -臨床実習指導者の指導観調査から-
    中川 仁, 芳野 純, 岩﨑 裕子, 潮見 泰藏, 日髙 正巳, 酒井 桂太
    2022 年 1 巻 1 号 p. 1_4-1_25
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/24
    ジャーナル フリー

    目的:臨床実習施設における指導体制ならびに指導者の指導観について調査し,よりよい臨床実習に資する情報を提供すること。方法:日本理学療法士協会に登録された施設でアンケート調査を実施した。対象は医療施設と医療福祉中間施設11,138名とし,1つの施設で1名の理学療法士がアンケートに回答するものとした。結果:臨床実習指導者の配慮は実習生の学究的な能力に派生していた。さらに,多くの臨床実習指導者は社会の変化に敏感であった。そして,彼らは指導の計画を立てて,指導力改良に体系的に取り組んでいた。しかし,臨床経験と指導経験,教育関係学問の修得の有無,総合実習はこれらの結果と関連していた。結論:効果的かつ円滑に実習を進めるためには,臨床実習指導者,養成施設,および実習生の相互の理解と準備が必要である。そして,成人教育学に基づくよりよい臨床実習教育の開発が望まれる。

  • ~卒後教育の現状と課題~
    大住 崇之
    2022 年 1 巻 1 号 p. 1_26-1_37
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/24
    ジャーナル フリー

    目的:2022年より新たな生涯学習プログラムも開始されるが,全ての理学療法士が十分な卒後教育を受けているとは言い難い。現状の卒後教育が直面している課題を抽出し,さらに向上させるためのより良い卒後教育システムを明らかにすることである。方法:先行研究の検討,千葉県理学療法士会所属施設への質問紙調査,他の医療関連職種との卒後教育システムの比較により理学療法分野における卒後教育課題を抽出し,今後の新たな卒後教育システムを検討した。結果:課題は,①個々の教育内容の違い,②環境因子による違い,③個人因子,④協会の制度設計の4点に集約された。考察:今後,卒後教育ガイドラインを策定し,個人の到達目標や行動目標を明らかにする必要がある。また,多施設間で協働した所属施設外でも行うことができる教育システムの策定も必要であると考える。教育システムと個人がより良く変化することで,理学療法士の質向上へと繋がるのではないかと考える。

  • 加藤 研太郎
    2022 年 1 巻 1 号 p. 1_38-1_46
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/24
    ジャーナル フリー

    目的:理学療法士の養成教育において,思考を外化することに視点をおいた教育手法である一枚ポートフォリオ評価(以下,OPPA)を導入する意義があるか検証する。方法:養成教育の一科目にOPPAを導入した。「本質的な問い」は学習前後で獲得すべき内容を,「学習履歴」は講義内容を要約し,誤りやポイントが異なる場合には個別に指導した。「自己評価」は学習の振り返りを記載させた。本試験点数を基に平均点の高低群別と得点群別での単語数の変化,指導回数の差,記載内容の質的な違いを分析した。結果:指導回数に有意差はなかった。平均点以上の群と9割群の単語数が多かった。平均点以上の群で振り返りや学習した内容が多くの単語と関連を持った状態で表現された。結論:理学療法教育にOPPAを導入できる効果が示唆された。

短報
  • 山下 淳一, 堀本 ゆかり
    2022 年 1 巻 1 号 p. 1_47-1_52
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/06/24
    ジャーナル フリー

    目的:理学療法士の働きやすさに関する阻害因子を明らかにする。対象と方法:当院理学療法士59名を対象に自記式アンケートの横断的調査研究を実施し,内容分析した。結果:働きやすさ低下の原因に関する総データ数は160個であり,サブカテゴリー数は12個であった。カテゴリーは,【業務量に対する不満】,【職場の風土】,【管理者のマネジメント能力の欠如】,【ワーク・ライフバランスの崩れ】,【業務内容に対する不満】,【業務の質に対する不満】の6個が形成された。 結語: 仕事量が多く,業務時間内での業務が終わらないことをベースにコミュニケーションの問題や業務内容に対する不満,業務の質に対する不満が生じており,この部分に対する対策と納得性が重要であると考える。今後も,納得できる働きやすさの実現と働きやすさだけに囚われすぎず,臨床教育および卒後教育においては,自らやりがいを高められる人材の育成に努めたい。

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