目的:理学療法学科学生の縦断的な自己主導型学習レディネス(SDLR)が国家試験(国試)に与える影響および国試低得点群の学業成績とSDLRの特性を調査した。方法:対象は3年制理学療法士養成校1校の全過程を終了した学生でした。国試中央値を基に高得点と低得点に分け,2群間比較と二元配置反復測定分散分析にて解析した。結果:国試低得点群(198点未満,n=16)は高得点群(198点以上,n=19)と比べ,高校評定,1・2年時Grade point average,実習成績,模試で有意な低値を示した(p<0.05)。SDLRに時期と国試の相互作用は認めず(p=0.282),国試はSDLRに主効果を示した(p=0.024)。国試2群の学年毎のSDLRの比較で、3年目に有意差を認めた(p=0.039)。3年目SDLR下位項目の2群間比較で「自己管理」,「計画的に問題を解決する」,「体系的に学ぶ」,「理由を知りたい」に有意差を認めた(p<0.05)。結論:理学療法学科学生の縦断的なSDLRは国試に影響し,国試低得点群は高得点群と比べ学業成績とSDLR下位項目の一部が不良である特性を明らかにした。