理学療法教育
Online ISSN : 2436-8008
2 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
原著論文
  • 北村 匡大, 吉澤 隆志, 岡本 伸弘, 太田 研吾, 近藤 昭彦, 吉田 和弘
    2022 年 2 巻 1 号 p. 2_1-2_8
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/11/26
    ジャーナル フリー

    目的:理学療法学科学生の縦断的な自己主導型学習レディネス(SDLR)が国家試験(国試)に与える影響および国試低得点群の学業成績とSDLRの特性を調査した。方法:対象は3年制理学療法士養成校1校の全過程を終了した学生でした。国試中央値を基に高得点と低得点に分け,2群間比較と二元配置反復測定分散分析にて解析した。結果:国試低得点群(198点未満,n=16)は高得点群(198点以上,n=19)と比べ,高校評定,1・2年時Grade point average,実習成績,模試で有意な低値を示した(p<0.05)。SDLRに時期と国試の相互作用は認めず(p=0.282),国試はSDLRに主効果を示した(p=0.024)。国試2群の学年毎のSDLRの比較で、3年目に有意差を認めた(p=0.039)。3年目SDLR下位項目の2群間比較で「自己管理」,「計画的に問題を解決する」,「体系的に学ぶ」,「理由を知りたい」に有意差を認めた(p<0.05)。結論:理学療法学科学生の縦断的なSDLRは国試に影響し,国試低得点群は高得点群と比べ学業成績とSDLR下位項目の一部が不良である特性を明らかにした。

  • ~指導者の意識調査を通して~
    福原 隆志, 渡邊 優希, 工藤 郁美, 鈴木 貴博, 鈴木 友子, 近藤 友加里, 田安 義昌
    2022 年 2 巻 1 号 p. 2_9-2_16
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/11/26
    ジャーナル フリー

    目的:本研究の目的は,患者担当型から診療参加型への実習指導方法の変更が実習指導者に与える影響について調査するとともに,診療参加型臨床実習のメリット及び課題を検討することである。方法:対象は診療参加型臨床実習についての勉強会に参加した理学療法士27名とし,新たな方法で実習を担当することへの不安についてアンケート調査を実施した。その後実際に実習を担当した14名を対象に,同様の調査を行い,指導経験前後での変化について検討した。さらに,診療参加型臨床実習のメリット及び課題について自由記載にて調査した。結語:診療参加型での実習指導の経験は,指導者も多くのメリットを感じるとともに学生を担当することへの不安を有意に軽減することができると考えられた。診療参加型臨床実習が今後一般的となる上で現在は過渡期にあると言え,よりスムーズに臨床実習をすすめるために,しばらくは臨床実習施設,養成校双方の十分な準備と検討が必要と考えられた。

実践報告
  • 中川 和昌
    2022 年 2 巻 1 号 p. 2_17-2_22
    発行日: 2022/11/30
    公開日: 2022/11/26
    ジャーナル フリー

    理学療法学科の学生を対象とした動作解析学の講義において,臨床3年目の卒業生をゲスト講師として招聘した取り組みが学生の学びに与えた影響を検証する目的で,学生に対して聴取したアンケート結果を基に検証した。4年間で計169名の学生を対象とし,全講義終了後にアンケート調査をVisual Analogue Scaleを用いてその理解・満足度を聴取した。さらに各項目の結果間の相関関係を算出した。「現象を捉える」技術の成長,「問題点を考える」技術の成長,問題点と現象を「統合と解釈する」技術の成長に強い相関,「講義全体は大変だった」と「講義全体は楽しかった」に中等度の相関,「本取り組みの意義」は全項目と弱~中程度の相関関係が認められた。講義の到達目標は達成できており,学生にとって本取り組みの意義はあると思われた。大変ではあるが楽しい,という想いを少しでも体験できたことが一番効果的であったと期待できる。今後は卒後研修としての意義をより詳細に検証する必要がある。

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