理学療法の臨床と研究
Online ISSN : 2188-3041
Print ISSN : 1880-070X
24 巻
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
学術助成研究
  • 小林 浩介, 川野 義晴, 坂本 貴志, 鈴木 貴拡, 野坂 寿子, 北島 隆信, 山根 和男, 甲田 宗嗣
    2015 年 24 巻 p. 3-7
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」回復期および生活期の施設において、脳卒中者に対する下肢装具のフォローアップの現状と問題点を明らかにして、その具体的な解決策について提案することだった。 「方法」対象は、回復期および生活期施設に勤務する理学療法士とした。施設数は、それぞれ 3 施設だった。独自に作成した脳卒中者の下肢装具に関するアンケート用紙に無記名で回答してもらった。 「結果」回復期施設の理学療法士のうち、生活期施設の理学療法士に対して装具の申し送りをしている割合は、3割程度だった。回復期および生活期の理学療法士は、いずれも半数程度が装具のフォローアップは退院後に利用する施設で行う方が良いと回答した。 「結論」装具フォローアップの現状を改善するためには、双方の理学療法士が装具に関する情報共有を行いやすい環境を作っていくことが必要と考えた。共同研究グループ内の回復期施設においては装具作製報告書を作成し、運用を開始した。
原著
  • 長谷川 正哉, 島田 雅史, 積山 和加子, 島谷 康司, 金井 秀作, 田中 聡, 沖貞 明, 大塚 彰
    2015 年 24 巻 p. 9-12
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」店頭における靴の選び方として、まず自覚する靴サイズやウィズに基づき履く靴を決定し、着用感による判断を行うものと考える。しかし、自覚する靴サイズと実際の足型が異なる場合には適切な靴の選択が困難になる可能性がある。本研究では、高齢者の靴サイズの認識とその認識に影響を与える要因について検討することを目的とした。 「方法」高齢者 51 名を対象とし、自覚する靴サイズ(以下、自覚サイズ)、当日着用している靴サイズ(以下、着用サイズ)および靴の選択基準を調査した。次に、足長・足幅の計測を実施し、 JIS 規格に基づく靴サイズ(以下、適正サイズ)を左右別に抽出した。解析として、足型および適正サイズの左右比較、自覚サイズと着用サイズ、適正サイズの比較を行った。また、靴の選択基準について質的な検討を加えた。 「結果」足長・足幅計測の結果から、参加した高齢者の足型や適正サイズに左右差があることを確認した。また、適正サイズと比較し、自覚サイズおよび着用サイズ間に有意差を認めた。なお、各項目間の一致率について、自覚サイズと着用サイズ間は約50%、自覚サイズと適正サイズ間は約6%、着用サイズと適正サイズ間は約3%であった。また、高齢者は様々な靴の選択基準を持つが、着脱が容易な、適正サイズよりも大きい靴を選択していた。 「結論」高齢者の足部形態や適正サイズには左右差があり、片側の足部形態にあわせて靴を購入した場合、対側の靴が足型と適合しない可能性がある。また、高齢者では、過去の靴着用経験や誤った知識により自覚サイズを誤認識しているだけではなく、自覚サイズに基づく靴選びをしていない可能性がある。
  • 有末 伊織, 竹内 貴文, 中本 舞, 松本 強, 田中 直次郎, 岡本 隆嗣
    2015 年 24 巻 p. 13-17
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」ハンドヘルドダイナモメーター(hand held dynamometer: HHD)を用いた等尺性股関節伸展筋力の測定は、Katoらの腹臥位、Jacquelinらの背臥位、Yi-jingらのprone standingがあり、我が国では腹臥位での測定が多い。本研究ではこれら3つの方法の検者内信頼性を追試あるいは新たに検討した。加えてprone standingについて、原法の徒手固定をベルト固定に変更して実施し、検者内信頼性を検討した。 「方法」健常成人10 名(24.6 ± 2.7歳)を対象とした。測定肢位は腹臥位、背臥位、prone standingとした。各測定肢位は無作為に選択実施し、日を改めて 2 度測定した。検者内信頼性 を検討するために級内相関係数(intraclass correlation coefficient: ICC)を求めた。 「結果」腹臥位、背臥位、prone standing、追加測定のprone standingのICCは、各々 0.79、0.87、0.43、0.91 となった。 「考察と結論」HHD を徒手で固定した限界があるため、徒手固定法を用いた方法の ICC が低くなったと考えた。本研究より、ベルト固定法であれば3つのどの測定肢位でも良い信頼性が得られることが再確認された。
  • 甲田 宗嗣, 後河内 淳, 小林 浩介, 砂堀 仁志, 平山 秀和, 工藤 弘行, 白井 亜紀
    2015 年 24 巻 p. 19-23
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」本研究の目的は、我々が作成したトイレ介入チャート(Toilet Assistance Chart; TAC)と既存の評価指標との関連を調べることにより、TACの妥当性を検証することとした。 「方法」脳卒中患者を中心とした19名を対象に、入院時と退院時にTAC、Functional Independent Measure(以下FIM)、Berg Balance Scale(以下BBS)、Motion Ability Scale(以下 MAS)の評価を行い、各評価指標間の相関を分析した。 「結果」入院時のTACとその他の評価指標との間には、全て有意な相関が認められた。TAC14項目中13項目において、その他の評価指標との間に有意な相関が認められた。今後、症例数を増やし、引き続き妥当性の検討が必要であると思われた。
  • 中村 朋朗, 山根 寛司, 山本 圭彦, 浦辺 幸夫, 福原 千史
    2015 年 24 巻 p. 25-27
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」高齢者の姿勢変化で最も多いのは脊柱後弯変形である。変形に伴い背筋筋力が低下し、日常生活動作に支障をきたす傾向がある。現在、高齢者の体幹伸展筋力エクササイズの効果を検証した研究はいくつかあるが、長期的に効果をみた研究は少ない。 「方法」本研究では、平均年齢 76.6±5. 5歳の高齢者女性21名を円背群10名と非円背群11名に分け、6ヶ月間の体幹伸展筋力エクササイズを行い、エクササイズ開始時と6カ月後の体幹伸展筋力を測定し、変化を観察した。 「結果」円背群・非円背群共に体幹伸展筋力に向上を認めた。 「結論」脊柱後弯変形を呈する高齢者でも体幹伸展筋力エクササイズにより、長期的に筋力が向上することが示唆された。
  • 葉 清規, 対馬 栄輝, 森島 英志, 村瀬 正昭, 大石 陽介
    2015 年 24 巻 p. 29-34
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」本研究目的は、頸椎変性疾患患者に対し、マッケンジー法の理論に基づいた、力学的評価による運動療法の短期的効果について調査することである。 「方法」対象は、頸部及び上肢帯の疼痛等の症状で頸椎疾患の診断を受けた80例である。評価項目は、頸部自動 ROM、NDI、JOACMEQ、VAS、SF8 とした。測定時期は初回、1 週間後、1ヶ月後 とし、力学的評価に従い症状面、所見面に改善が得られる運動方向を基にした運動療法を実施した。解析は、評価項目に影響を与える因子の分析と、治療経過について分析した。 「結果」評価項目に対して、有意な影響がある因子はみられなかった。治療経過では、1週間後より経時的にROM、疼痛の改善が得られ、1ヶ月後には日常生活障害、健康関連 QOL の改善が得 られた。 「結論」頸椎変性疾患患者に対して、力学的評価を利用した運動療法は、症状面、所見面、心理面の短期的効果が得られる。
  • 中村 公則, 若林 昌司, 高原 哲也, 香川 英介, 中野 良規, 小田 登, 佐々木 正太, 加藤 雅也, 土手 慶五
    2015 年 24 巻 p. 35-39
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」心不全加療目的で入院した高齢患者における退院時の屋内歩行自立を予測する因子について検討することである。 「方法」平成25年5月から平成26年7月に心不全加療目的で入院し、理学療法を実施した65歳以上の患者を対象とした。退院時屋内歩行能力から自立群と非自立群に分類し、患者背景因子や理学療法開始時の評価項目について比較検討し、歩行自立を予測する因子について分析した。 「結果」対象症例は123 例(年齢 82.4 ± 7.1 歳、男性57例)であった。多変量解析では退院時の屋内歩行自立の予測独立因子は年齢(オッズ比: 0.84、95%信頼区間: 0.76-0.92、p<0.01)、 理学療法開始時の起き上がり動作(オッズ比: 20.14、95%信頼区間: 6.14-0.92、p<0.01)の自立であった。 「結論」年齢と理学療法開始時の起き上がり動作は高齢急性心不全患者の屋内歩行自立予測の指標として有用である。
  • 内平 貴大, 葉 清規
    2015 年 24 巻 p. 41-44
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」本研究は、肩関節周囲炎患者の夜間痛に関連する背景因子を明らかにすることを目的とした。 「方法」2012年1月から2014年5月までに肩関節周囲炎と診断された 88例(平均年齢 56.0±10.1 歳、男性41例、女性47例)を対象とした。カルテより理学療法開始時の年齢、性別、糖 尿病の有無、夜間痛の有無、罹病期間、肩自動屈曲角度、肩自動外転角度を抽出し、従属変数を夜間痛の有無、その他の項目を独立変数として多重ロジスティック回帰分析を用いて関連性を検討した。 「結果」多重ロジスティック回帰分析の結果、糖尿病の有無(OR: 4.68)、年齢(OR: 0.93)、罹 病期間(OR: 0.98)、肩自動屈曲角度(OR: 0.98)が選択された。 「結論」本研究の結果から、糖尿病を有している、年齢が低い、罹病期間が短い、肩自動屈曲角度が制限されているといった因子が、夜間痛に関連することが明らかとなった。
  • 宮﨑 寛史, 葉 清規, 大石 陽介, 村瀬 正昭
    2015 年 24 巻 p. 45-47
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」本研究目的は、腰部脊柱管狭窄症患者の健康関連QOLに影響を及ぼす日常生活機能の因子について分析することである。 「方法」対象は、腰部脊柱管狭窄症の診断を受けた79例である。評価項目は SF-8、ODI、年齢、性別とした。SF-8の全ての下位尺度値とサマリースコアを国民標準値と比較し、またSF-8の全ての下位尺度値、サマリースコアを従属変数、ODI サブスケール、年齢、性別を独立変数として重回帰分析を行った。 「結果」SF-8の全ての下位尺度値とサマリースコアは国民標準値を下回った。立っていること、 睡眠、痛みの強さ、座ること、身の回りのこと、物を持ち上げること、性別、乗り物での移動が健康関連QOLに影響を与える因子であった。 「結論」腰部脊柱管狭窄症患者の健康関連QOLは国民標準値より低値を示し、立っていること、 睡眠、座ること、乗り物での移動が影響を与えていた。
  • 崎元 直樹, 渡辺 昌寿, 吉川 陽樹, 坂井 香津恵, 槙原 伸一, 上野 千沙, 湯浅 美聖
    2015 年 24 巻 p. 49-52
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「目的」本研究目的は、急性期理学療法士の患者調整を標準化するために、患者の数だけではなく質的な部分もふまえ平準化する患者調整システムを検討することにある。 「方法」当院で作成したEffortレベルと患者数を各担当者で集計し患者調整指数として算出した。3ヶ月ごとに各担当者の患者調整指数の差の有無を調査した。また、担当者ごとに各Effortレベルの個数と年度別の各担当者の新規患者数を比較した。 「結果」患者調整指数は、中央値が 300 以下になった期間において有意差を認めた。Effort レベルの各レベルの個数は担当者により差が出現していた。各年度の新規患者数の差は減少した。 「結語」患者調整指数の使用だけでは患者調整を標準化できないが、新規患者数を平準化させる可能性がある。患者の質までを平準化するには、患者調整時に Effort レベルの個数を把握できるシステムの追加が必要である。
症例報告
  • 野村 宗史, 狹田 純, 藤田 絵理, 福原 祐子, 中元 隆之
    2015 年 24 巻 p. 53-55
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「背景」緩和ケア病棟での理学療法介入が有用とする報告は多いが、介入効果の評価指標は少ない。緩和ケア病棟での理学療法介入効果を検証する為、Life-Space Assessment(以下LSA)を用い介入効果を評価した症例を報告する。 「対象」70 歳代女性。原発不明癌、多発脳転移を呈し緩和ケアを希望し入院された患者。入院時の Barthel Index(以下 BI) は20点、LSA0点、基本動作・ADLは全般に介助を要し臥床傾向。 「経過」入院時に患者・家族の希望を聴取し介入を開始。入院 1 ~ 2か月でBIが下したが、LSA は増加した。状態悪化後は点数の増加は認めなかった。介入により離床・外出頻度が増加し生活の幅は維持・向上できたが LSAだけでは介入効果の検証は困難であった。 「結論」LSAはBIで評価できない点を評価できる有用な側面があるが、短期間に急激な状態変化が生じる終末期患者では不適切であった。
  • 福原 幸樹, 三上 幸夫, 河江 敏広, 平田 和彦, 坂光 徹彦, 對東 俊介, 植田 一幸, 伊藤 義広, 日高 貴之, 木村 浩彰
    2015 年 24 巻 p. 57-59
    発行日: 2015/03/31
    公開日: 2018/02/14
    ジャーナル フリー
    「はじめに」本症例報告の目的は下腿切断術を施行した1症例の義足リハビリテーションに反重力トレッドミルを使用し、その安全性と有効性を検証することである。 「症例紹介と方法」60歳代男性で、糖尿病性壊疽により左下腿切断術を施行された症例である。本症例は下腿切断術前から体力や身体活動量が低下していたため、退院後外来リハビリテーション開始時から反重力トレッドミルを導入した。 「経過」経過中に転倒や断端・下腿義足の問題は起こらなかった。反重力トレッドミル導入後、自己効力感は向上し、義足歩行練習は順調に進み、最終評価時にはT字杖歩行が可能となった。 「考察」反重力トレッドミル上ではより快適に、より速く、より長く、歩く体験を得ることができ、自己効力感と歩行能力の向上に寄与すると考える。 「結論」反重力トレッドミルは下腿切断後の義足リハビリテーションに対して有用な一手段と成り得ることが示唆された。
書評
feedback
Top