集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)入室中に重症患者に共通して生じる問題として、痛み、不穏/鎮静、せん妄、不動、睡眠障害がある。また、ICU退室後も継続する問題としてはPost-Intensive Care Syndrome(集中治療後症候群)がある。ICUの理学療法の目的は、日常生活動作を維持・改善し、生活の質を改善することである。日本において早期とは48時間以内に開始される場合を意味し、主に移動機能の改善を目指した理学療法介入が行われている。重症患者に早期から理学療法を行っても死亡率は改善しないが、日常生活動作は改善する。生活の質改善のための介入については一定の見解が得られていないが、少量頻回の介入が効果的かもしれない。