栗果を5×10
4, 10
5, 2×10
5, 3×10
5, 5×10
5, 10
6Rのγ線の照射を行ない, 発芽, 殺虫および成分に及ぼす影響について実験した。その結果をまとめると次のとおりである。
1) 発芽抑制に用いうる限界線量は2×10
5 R程度で, 5×10
5R以上では食用や, 貯蔵することはできない。2×10
5R程度で湿潤な鋸屑中での室温貯蔵の場合ほぼ4月頃まで貯蔵しえた。
2) クリシキゾウムシやクリミガの致死限界線量は2×10
5R程度であった。
3) 照射直後の栗果中の澱粉, デキストリンおよびシュクロース, グリコースの含量には5×10
5Rまではほとんど影響なく, ただ10
6 Rでシュクロースのみ少い値を示した。
4) 湿潤な鋸屑中に貯蔵した場合5×10
4Rのものは発芽にともなうシュクロースの増大がみられたが, 10
5Rおよび2×10
5Rでは発芽抑制のため糖量の増大は認められなかった。
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