1951 BLACK等
1) 及びMURPHREE等
2)は兎の子宮駒に受精卵或は精液を注入した場合発情期に之を行ったものでは変化が無いが偽妊娠期に処置した例では著明な子宮蓄膿症が起って授精が不成功に終ることから卵巣ホルモンが子宮の感染に影響を及ぼすものと認め, 1952MCDONALD等
3)は無菌的な精液を兎の子宮内に注入しても変化がないが細菌の汚染した精液を用いると偽妊娠の場合は蓄膿症が起り, 発情の場合には軽度の反応しか見られなかったと報告し, 更に1953 BLACK等
4)は之を追試してprogesteroneが家兎の子宮の感染防禦機能を阻害するものであろうと述べている。
一方牛については1947 TANABE, 1948 WILLETT等
5)が黄体期にgonadotropin注射によって排卵を起させ之の子宮内に精液を注入すると蓄膿症が起って授精が成功しないことを認め, 更に1953LAMMING等
6)及びROWSON等7) は牛の子宮は発情期には細菌の汚染した精液やC. pyogenesを注入しても感染しないが黄体期には之によって感染し易く蓄膿症が屡々起ることを認めprogesteroneによつて子宮内に細菌の発育に適した状態が生ずると報告している。
吾々も1951以来兎及び牛に於いて子宮内に非病原菌を注入して子宮内膜炎発生試験を行い, 黄体期に注入すれば本病が屡々発生するが, 卵胞期に注入しても全く発病しないことからprogesteroneが本病の発生に密接な関係を持つものと認めて前に予報
8)したが, 引続き兎及び牛について研究を続け更に若干の組織学的観察を加え2,3の知見を得たので ?? に報告する。
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