家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
17 巻, 3 号
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  • 武石 昌敬, 田内 雅規, 常包 正
    1972 年 17 巻 3 号 p. 85-88
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ウシの羊水中のEは尿膜水に比較して非常に微量であった。尿膜水中のEは胎齢の進むに伴い増量し,また性別では,E1,E2が雄胎児在胎の場合に多かった。とくに,胎齢8,9ヵ月の雌胎児在胎時にはE3の著明な増量がみられた。
  • I.精液性状および代謝能におよぼす季節の影響
    黒田 治門, 広江 一正
    1972 年 17 巻 3 号 p. 89-98
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    スピッツ種の成雄犬10頭を用いて,イヌ精液性状および糖代謝能におよぼす季節の影響について検討した。得られた主要な成績はつぎの通りである。
    1)イヌ精液性状は季節によって若干異なり,精液量,精子数および生存指数等については春季が最も良好であった。これに対して,夏季は精液1生状は低下し,イヌにおいても他の家畜と同様,summer sterilityの現象と一致する傾向が認められた。
    2)イヌ原精液では呼吸能は春季に最高を示したが,解糖能は基質によって傾向を異にし,グルコースでは春季に,フラクトースでは秋季に最高を示した。夏季の精子生存性および代謝能は最低であった。
    3)Ca欠KRP液で洗浄した精子の代謝量はほぼ原精液と同じか,やや増加する傾向を示した。特にフラクトースを基質とした場合には増加率が高い。
    4)イヌ精子の糖消費量は原精液,洗浄精子いずれの場合にもフラクトースよりグルコースの方が多かった。また,イヌ精子の呼吸能および解糖能はウシ,ヒツジ,ヤギ,ブタおよびウサギ精子に比してほぼこれらの家畜精子に近い値が得られた。
    5)イヌ精液性状および代謝能を調べた結果,いずれ、も秋季から春季に向って性状および代謝能が良くなり,春季に最高の性状を示した。夏季は精液性状および代謝能ともに最低を示した。このことはイヌが汗腺を欠くために,他の家畜よりも一層暑熱の影響を受け易いことが考えられ,イヌ精子の保存および実験に際しては季節の影響を十分考慮に入れて行なうべきであると考えられる。
  • 新出 陽三
    1972 年 17 巻 3 号 p. 99-104
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    乳牛において,搾乳条件の変更が乳房内圧,搾乳速度および搾乳量にいかなる影響を与えるかを調べる目的で,ホルスタイン種7頭を用いて実験を行なった。結果は以下のとおりである。
    1.搾乳条件を変更した1回目の搾乳時において,乳房内圧の変化は個体によって異なり,乳房内圧が全く上昇しないもの,上昇が遅れるもの,緩やかに上昇するもの,さらに正常に上昇するものなどがあった。
    2.搾乳条件に適応する過程における乳房内圧の変化も,個体によって異なった。1回目の搾乳時において乳房内圧の上昇が起こらなかった個体では,異常に高い乳房内圧と乳房内圧の上昇が遅れるという過程を経て,5回目の搾乳時から乳房内圧の変化が正常となった。これに対して,1回目の搾乳時において乳房内圧の上昇が遅れた個体では,1回目より幾分高いが同じような変化を示す過程を経て,4回目の搾乳時から乳房内圧の変化が正常となった。
    3.搾乳速度と搾乳量は,乳房刺激後乳房内圧が上昇するまでの時間よりも,乳房内圧の上昇幅と強い関連があった。しかしながら,内圧が異常に高いときには,乳房刺激後内圧の上昇がなくても,正常時に近い搾乳速度と搾乳量が得られた。
    4.搾乳条件に適応する過程における搾乳速度および搾乳量は,交感神経一副腎系の興奮,乳房の容量,乳頭および乳槽をとりまいている組織の緊張のような乳房の形態的特質,さらに残乳の量などが関係しているようである。
  • 武石 昌敬, 常包 正, 加藤 幸一
    1972 年 17 巻 3 号 p. 105-109
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    1)牛の羊水量は妊娠5ヵ月齢を最高に,6ヵ月齢より漸減したが,尿膜水量は胎齢の進むに従い増量した。また,pH値は胎齢の進むに伴い酸性側に傾いた。
    2)羊水中の総蛋白量は妊娠7ヵ月齢で最高を示したが,これら羊水中のprotein compos至tionは,妊娠7ヵ月齢まではAlb.,α?SUB?1?/SUB?,α?SUB?2?/SUB?-glob.を認めたが,8ヵ月齢以降のものではさらにβ-glob.の増量を認めた。
    3)尿膜水中の総蛋白量も妊娠7ヵ月齢で最高量をみたが,protein composisionは,妊娠3,4ヵ月齢でAlb.,α?SUB?1?/SUB?,α?SUB?2?/SUB?並びにγ-glob.を認め,7ヵ月齢以降ではr-giob.が消失しβ-g1ob.の発現を認めた。
    4)妊娠3,4ヵ月齢の尿膜水中でr-glob.の存在を認めたことから,ウシでは妊娠3および4ヵ月の前後に一時的な抗体移行の行なわれることが認められた。
  • 石田 一夫
    1972 年 17 巻 3 号 p. 110-113
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    ハムスター卵子におけるSDH, G-6-PDHおよびLDH活性の発現時期について組織化学的にしらべたところ,いずれの酵素においても,活性は排卵前約2時間において出現することが知られた。この時期の卵子には,すでに核分裂像の形成がみられるが,第1次極体の排出は行なわれていない。
  • 梅津 元昭, 竹内 三郎
    1972 年 17 巻 3 号 p. 114-119
    発行日: 1972/04/30
    公開日: 2009/08/14
    ジャーナル フリー
    17,21,25の各日令の雌ラットを用いて,3H-エストラジオール(3H-E)1μCi(1頭当りおよび体重50g当り)を皮下注射し,1時間後の子宮,下垂体,視床下部および血清の放射活性の変化を観察した。
    1.子宮では,組織重量当りの取り込みが17~21日令にかけて減少し,25日令では体重換算で3H-Eを投与した時は組織1個当りおよび重量当りの取り込みがともに増加した。
    2.下垂体では,各日令とも組織重量当りの取り込みは視床下部より多く,子宮と同一水準の取り込みを示した。下垂体の1個当りの取り込みは日令が進むにつれて増加したが,組織重量当りでは増加はみられなかった。
    3.視床下部では3H-E体重換算投与の場合17~21日令にかけてわずかに増加した。
    4.血清の放射活性は,17日令で高い値を示し,21,25日令では17日令の約1/10の値に減少した。
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