家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
8 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • I. 自然排卵数について
    豊田 裕
    1962 年 8 巻 1 号 p. 1-3
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    規則正しい発情周期を繰返している31例の動物について排卵数を検査した結果,次の事柄が判明した:1)前回の排卵数と次回の排卵数との間には正の相関が認められる。2)排卵数の左右の分布は無作為的である。3)左右の排卵数の間には負の相関が認められる。
    以上の成績から,排卵数は左右の分布に関しては無作為的であるが動物全体としては一定に保たれる傾向があることが知られた。
    178例の動物について排卵数の季節的変動を検討した結果,特に大きな動きは見られず。年間を通じて略々一定に保たれていることが知られた。
  • II.片側卵巣摘出後の排卵数について
    豊田 裕
    1962 年 8 巻 1 号 p. 4-6
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    正常な発情周期を繰返しているラットを用いて,片側去勢後の排卵数の代償的増加について検討し以下の成績を得た。
    1) 発情期に片側去勢した動物における残留卵巣の排卵数は,手術後最初の排卵において既に正常動物の両側卵巣の排卵数の和と差のない値にまで増加し,その後周期の反復を重ねても変化は見られなかつた。
    2)発情周期のそれぞれの日に片側去勢された動物の手術後最初の排卵における排卵数は,発情休止期前半以前に手術したものでは正常動物の両側卵巣の排卵数の和と差がなく,休止期後半以後の手術では正常動物の一側卵巣の排卵数と差がなかつた。
    以上の成績から,排卵数の決定は発情休止期の前半と後半との間において行われることがうかがわれた
  • 清水寛一 , 佐藤匡美 , 竹内三郎
    1962 年 8 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
  • 老田 剛, 保坂 安太郎
    1962 年 8 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    造精機能障害のある雄緬羊3例についてヨードカゼインの投与を行なつたが,そのうち第1例の精子希少症に対してはヨードカゼイン単用のみで著しい効果を認めた。他の2例はともに精子欠如症であつてヨードカゼイン投与は全く効果なく,さらに性腺刺戟ホルモンを併用しても同様無効に終つた。今回の試験において睾丸のBiopsyを行なつて組織学的所見を明らかにしえなかつたのは遺憾であるが第1例のように性欲減退,精子活力不全,崎型率の増加などを伴なつて精子数希少となり種付供用不能となつたものが速やかに回復し繁殖への供用可能となつたことは示唆にとむものと考えられる。
    また,野外で繁殖に用いていた種雄緬羊が交尾欲不全,精子希少に陥つて授精能力が低下し,受胎率7%,43%となつた2例について試みた結果では性欲,乗駕欲とも旺盛となり精液性状も回復してそれぞれ83%,87%の受胎率に達することができた。
    以上の結果から造精機能減退をきたした緬羊に対してヨードカゼインを投与することにより繁殖能力を回復させうることがわかつた。
    将来この種の症例治療に際してはヨードカゼインの投与を一度は試みてもよいものと考えられる
  • II.甲状腺ホルモン投与後の幼若雄ラッテの生殖器官の発育について
    島 澄夫
    1962 年 8 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    (1) 前報1)において甲状腺機能低下状態の幼若雄ラッテには,性腺機能の障害が認められたが,これに,甲状腺ホルモン製剤の適当量を投与すると,生殖器官発育の回復が得れた。
    (2) HCGに対する副性器の反応は,甲状腺機能低下状態のラッテに,より強い発育が認められたが,(前報1))甲状腺ホルモンの過剰投与によつて,その発育反応は,逆に抑制された。
  • 附濾紙上における定量について其の二
    鈴木 善祐
    1962 年 8 巻 1 号 p. 19-26
    発行日: 1962/05/25
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    以上記述したSteroidの微量分析手技は比較的容易に行えるもので,生物学畠の者が行うに適したものと思われる.全般を通じて流れる一貫した思想は,理論はさておき,可検物質が推定する純品物質とあらゆる処置に於て同じに行動することを実験的に証して行くことである。すなわち,抽出,分離同定におけるペークロ展開,濾紙上の定量,誘導体調製の総ての場合,各自が採用する方法或は条件についてあらかじめ純品Steroidsによつて充分予備実験を通じて吟味し,且つ本実験の場合も必ずReference Steroidを併行して実験することが肝要であつて,決して他の研究者の成績を鵜呑みにして,これらをゆるがせにしないことである。
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