環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
44 巻 , 10 号
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研究論文
  • 寺本 悠子
    2015 年 44 巻 10 号 p. 557-567
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
     生物多様性維持と水資源の有効利用の両側面から,処理水を使った保全技術の確立が現在急務とされる.本研究では,絶滅危惧種ヒヌマイトトンボの生息地の保全(代償ミチゲーション)を対象として,処理水の利用が本種の個体群に与える影響を明らかにした.調査は三重県伊勢市の宮川浄化センター内に創出された生息地の生息環境と個体群サイズについて,2006年(上水使用)と2007年(中水使用)の比較を行った.その結果,2007年のヒヌマイトトンボの生息環境は2006年とほぼ同様に好適に維持され,個体群サイズも前年と同等であることが確認された.したがって,ヒヌマイトトンボの生息地の創出に対して少なくとも短期的には中水を利用しても問題がないことが示唆された.一方で本種の生息環境を形成するヨシやヒヌマイトトンボの餌資源に対しては,中水の影響が遅れて現れる可能性が考えられる.このため,今後も継続した環境のモニタリングの必要がある.
  • 山﨑 博人, 吉屋 愛恵, 德永 大, 根來 宗孝, 宮越 昭彦, 福永 公寿
    2015 年 44 巻 10 号 p. 568-573
    発行日: 2015/10/20
    公開日: 2016/03/03
    ジャーナル フリー
     本報では工業排水中の高濃度アンモニア態窒素(NH4-N)と,NH4-Nの生物亜硝酸化反応より得た高濃度亜硝酸態窒素(NO2-N)を用いた亜臨界水熱反応を検討するため,反応温度を140,160,180,200℃の4種,NH4-N とNO2-N 濃度を等モルに調整した各1,500,3,000,5,000 ㎎/L の3グループの模擬排水を,無触媒による振とう攪拌下で,耐圧容器内にて1hの反応に供した.
    反応温度が180と200℃の場合,全濃度領域で総合除去率は90%以上に達した.そして,反応温度が140℃と低い場合でも,NH4-N とNO2-N の初期濃度が5,000 ㎎/L 以上では,総合除去率が90%以上に到達した. 一方,生物処理水を用いた場合は,90%以上の総合除去率を達成するのにNO2-N 初期濃度がNH4-N のそれの1.6~2.2倍モル必要であった.
    生物反応に化学・物理反応を組み合わせた本研究の成果は,汚泥排出量などの生物処理でのデメリットを軽減した,効率の良い,消滅型の工業排水中の高濃度窒素除去システムの構築につながるものと期待される.
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