最終処分場浸出水等から放出される可能性のある硫化水素を簡便に現場で測定するためのヘッドスペース法の測定容器を考案した.実験は水試料を入れたプラスチックの密閉容器を振とうしてガスを放散させ,気相中の硫化水素濃度の検知管による測定方法について検討した.その結果,気相を採取する際に外気を容器底部に導入しながら行う方法が良好であった.本法の再現性を確認するとともに溶存硫化物濃度,pH 値などとの関連性を調べた.
液体クロマトグラフィー/タンデム型質量分析法(LC/MS/MS)による水道水中のPFOS,PFOA,PFHxS及びPFHxA 同時分析法の検討を行った.
検討の結果,各物質の標準液の検量線は0.05~2.0 μg/L の濃度範囲で,良好な直線性と良好な妥当性評価結果が得られた.疑似水道水(ミネラルウォーター:添加濃度0.1ng/L)への添加回収試験をn=5,5日間で実施し妥当性を評価した結果,併行精度5.0~12%,室内精度5.8~14%,真度95.9~112%であり,PFOS,PFOA,PFHxS 及びPFHxA 共に良好な妥当性評価結果が得られた.また,水道水(添加濃度:1.0 ng/L)への添加回収試験をn=5で実施した結果,併行精度1.5~10%,真度96.0~112%であった.
本検討結果は,本分析法がPFOS,PFOA,PFHxS 及びPFHxA の水道水質検査法として有効であることを示している.