島嶼地域科学
Online ISSN : 2435-757X
最新号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 加藤 潤三, 前村 奈央佳
    2022 年 3 巻 p. 1-15
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,海外移民に対する沖縄県民の受容態度を測定し,その実態を明らかにすること,また海外移民に対する受容態度を規定する要因について検討することであった。沖縄県民724名に対するWeb調査の結果,海外移民に対する受容態度は積極的受容と困惑の2因子が抽出され,それぞれの得点から沖縄県民の海外移民に対する受容態度は比較的ポジティブであることが示された。海外移民に対する受容態度の規定因に関して,構造方程式モデリングによる分析を行った結果,県内出身と県外出身を問わず,海外移民の受容態度に対しては沖縄アイデンティティと海外移民に関する知識が相対的に強い影響を及ぼすことが明らかになった。
  • 1988年~2022年の「追憶の日」イベントの変遷
    宮崎 早季
    2022 年 3 巻 p. 17-37
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    本稿では,1989年から2022年にハワイで開催された「追憶の日」イベントを通した,ハワイ日系人の戦争記憶の共有・継承の試みを明らかにする。ハワイでの最初のイベントは,1989年に開催された。90年代から00年代前半は主にアメリカ合衆国本土西海岸の収容の記憶が,2006年以降は,ハワイのホノウリウリ収容所の記憶がイベントのテーマとされた。一方,ハワイから本土の施設に送られた人々や自宅から追い出された人々の経験や,ハワイ日系人のほとんどが経験した戒厳令下の生活は,あまり語られていない。本土西海岸で始まった「追憶の日」イベントを,本土西海岸の影響を受けながらも継続しようとするハワイ日系人のイベントの変容を描く。
  • 歌と芝居の事例から
    秋山 かおり
    2022 年 3 巻 p. 39-58
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    沖縄人捕虜としてハワイへ移送された「ハワイ捕虜」の語りからは,ハワイと沖縄の収容所における歌の創作と芝居の上演が確認できる。しかしハワイの捕虜収容所でみられた沖縄文化は,沖縄の民間人収容所のなかの文化復興という文脈の影に見過ごされてきた。沖縄戦の体験を語る楽曲のなかのポピュラーなものの影や,「戦後に復興した沖縄芝居」との認識が,「ハワイ捕虜」の文化活動を十分検討させてこなかったからである。ハワイと沖縄の間を結ぶ捕虜体験を詠み込んだ歌,ハワイの捕虜収容所において継承されていた沖縄芝居の事例から,ハワイの戦争捕虜収容所のなかの文化活動は戦前の沖縄文化の継承だけでなく,新たに創作されたものでもあったとみることができる。
  • 宮里 厚子
    2022 年 3 巻 p. 59-74
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    本稿では1855年に琉球王国に来航した3人のフランス人宣教師について,滞在が始まった年の彼ら自身とその関係者の日記や報告書に焦点を当て,来航の背景や滞在開始時の生活と人々との接触の様子を明らかにする。同時に「琉仏修好条約」が調印された年でもあるこの時期のフランス側における琉球の帰属認識等についても検証することを試みる。これらの記録を読み解くことによって,フランス人宣教師たちの文書を引用し多くの論考等で言及されている『日本キリスト教復活史』や琉球側の記録である『琉球王国評定所文書』等で明らかになっている出来事や人物たちの言動を補完し,1855年の宣教師滞在時の様相に新たな側面を付け加えることを目指すものである。
  • 『琉球王国評定所文書』を中心に
    下岡 絵里奈
    2022 年 3 巻 p. 75-94
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    1840年代から50年代にかけて滞琉した計7人のフランス人宣教師は江戸幕府とフランスが外交関係を樹立するまでの間,琉球王国で琉球語,中国語,日本語の習得に励んでいた。日琉関係を隠蔽する琉球王府は異国人の語学学習に非常に消極的であり,1844年から1846年まで滞琉したフォルカードはほぼ何の支援も得られなかった。後任のルテュルデュとアドネはセシーユ提督の力添えもあり語学師匠といくつかの学習教材を手に入れることができた。1850年代になるとフランス人宣教師達は前任者達の学習成果を得た上で来琉しており,1855年11月24日の琉仏協定締締結後は語学師匠は勿論,王府から支給された中国語や日本語の様々な本を使って語学力の向上を図っていた。
  • 波名城 翔
    2022 年 3 巻 p. 95-107
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/30
    ジャーナル フリー
    本研究では離島自治体に住所を有する者の自治体外での自殺についての基礎資料を得ることを目的とした。調査の結果,家での自殺の割合が最も高く自殺先に生活拠点を有していることが考えられた。また,自治体内自殺との検定の結果,「20代」,「未婚」,世帯の主な仕事では「勤Ⅱ」,「その他」が有意に高かった。また,小規模自治体では自治体外自殺者の割合が高く,住民票登録自治体より規模の大きい自治体で自殺していることが示唆された。離島では就職や進学のために島を離れることが多いことから,自殺予防のために学校教育の中での自殺予防対策と離島自治体外での社会的サポート体制の構築が必要であると考えられる。
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