Journal of Surface Analysis
Online ISSN : 1347-8400
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22 巻, 1 号
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解説
  • 吉原 一紘
    2015 年 22 巻 1 号 p. 2-10
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/08
    ジャーナル フリー
    表面分析法が測定科学である以上,定量性に優れた最も良い方法は何かを探し求め,それを決定していくことが標準化のプロセスである.すなわち,標準化という作業は,表面分析を行う際に発生する誤差やばらつきを与える原因を一つ一つ科学的な検証に基づいて潰していき,最後に,それらが最も小さくなる「ワン・ベスト・ウェイ」を見つけることである.本解説では,互換性という概念から標準という概念に発展した経緯と,VAMASやISOなどの標準化活動と表面分析研究会の関わりを紹介する.
技術報告
  • CsI(Tl) / PDからSrI2(Eu) / MPPC へ
    永井 滋一, 河村 憲, 木村 吉秀, 志水 隆一, 吉井 淳治, 池田 練造, 竹内 宣博, 太田 朗生, 酒井 昭宏, 杉山 誠, 柳田 ...
    2015 年 22 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/08
    ジャーナル フリー
    γ線スペクトロメトリーに適した特性を有するSrI2(Eu)シンチレータを用いたglobal ionizing radiation monitoring network(GIRMN)を構築した.SrI2(Eu)は,高光収率(>80,000 ph / MeV),4%以下の分解能,高光電断面積で高感度など,γ線スペクトロメトリーにとって優秀な物理特性を有している.本研究で開発したGIRMNには,ユニオンマテリアル社のSrI2シンチレータ(25 mm φ ×25 mm)と光検出にMPPC(Multi Pixel Photon Counter)を採用したシステムを構築した.これにより,福島原発事故由来のCsからのγ線と他の核種から放出されるγ線を分離・同定できる性能を実現した.さらに,NISTが公表しているANSI N4242に準拠したソフトウェアプラットフォームを採用した本GIRMNは,標準放射線モニタリングとしての要件を満たすものである.
  • 湯峯 卓哉, 前野 洋平
    2015 年 22 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/08
    ジャーナル フリー
    近年,分析試料は微細化・表面修飾による機能性向上に伴い,表面形態および成分分布の分析が望まれている.われわれは,カーボンナノチューブ(CNT)繊維構造体からなる固定部材を開発し,チャージアップや,固定部材由来のコンタミを抑制することにより,最表面の形態観察および成分の分析が出来ることを見出した.
解説
  • 横山 有太, 青柳 里果
    2015 年 22 巻 1 号 p. 37-49
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/04/08
    ジャーナル フリー
    飛行時間型2次イオン質量分析法(time of flight secondary ion mass spectrometry; ToF-SIMS)は,試料最表面の化学分析において最も強力な計測手法の1つである.しかし,得られるスペクトルには対象物質由来の分子イオンだけでなく,分子が分裂して生じたフラグメントイオン,基板や汚染に由来する2次イオンが多数含まれるため,結果の解釈には困難が伴う.近年,ToF-SIMSスペクトルデータの解析に多変量解析を用いる試みが広がりつつある.適切な多変量解析を行うことで,複雑なToF-SIMSスペクトルデータから有用な情報を抽出できる場合がある.本稿では,高分子多層膜断面のToF-SIMSデータへ多変量解析を適用した結果を中心に,スペクトルデータへの多変量解析の具体的な適用方法や,多変量解析によりどのような情報が得られるかについて解説する.
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