Journal of Surface Analysis
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23 巻, 3 号
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解説
  • 吉原 一紘
    2017 年 23 巻 3 号 p. 138-148
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー
    Common Data Processing System(COMPRO)はバージョンアップを重ね,現在はWindows(7, 8, 10)上で動くVersion 12(COMPRO12)が公開されている.JSA 19巻の第1号から始まって7回に渡ってVersion 10(COMPRO10)の使用法を紹介してあるので,今回はCOMPRO12の主な変更点を紹介する.
    以前のバージョンのCOMPROはISOフォーマット構造のデータ以外を読み込む際には,煩雑な変換手続きが必要であったが,COMPRO12からはCSVとExcel形式のファイルは簡単な変換手続きで読み込むことが出来るようになった.また,チャージアップなどによるエネルギー軸の補正,active Shirley法によるバックグラウンド差し引き,ピークフィッティング処理の改善,絶対オージェスペクトルデータベースの充実などの改良が付け加わった.さらに,COMPRO12に搭載されている全てのデータ処理方法のマニュアルがインターネットで表示されるようになった.
研究論文
  • 西尾 満章, 吉川 英樹, 田沼 繁夫, 今井 基晴, 磯田 幸宏
    2017 年 23 巻 3 号 p. 149-159
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/06
    ジャーナル フリー
    電子線マイクロアナライザーは広く材料の分析に用いられ,定量分析法はZAF法としてほぼ確立されている.しかし,Mg-Ge合金においては,定量分析の結果MgとGeの濃度の合計120wt.%と異常な値を示した.しかも電子線の加速電圧が高くなるに従ってMgの定量値が上昇する.この誤差の要因として吸収補正のパラメータの一つであるMg Kαに対するGeの既存の質量吸収係数の値の不確かさであると推定した.そこで,濃度既知のMg-Ge合金と参照物質MgOおよび金属GeのX線強度比を電子線の加速電圧15kV~30kVの範囲で測定し,その強度比変化を説明するGeのMg Kαに対する質量吸収係数として5561±200 cm2⁄gの値を得た.この値は,広く用いられているHeinrichらの値7510 cm2⁄gと大きく異なる.この大きな差異は,Mg KαのエネルギーがGeのLI吸収端とLII吸収端に近接していることから質量吸収係数の値の推定が難しいことに起因していると考えられる.
技術報告
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