本研究では,ローカル環境で動作する相対的に小規模な大規模言語モデル (Large Language Model: LLM)を用いて医療面接のための仮想模擬患者を実現する手法を提案する.LLMに基づく仮想模擬患者の冗長な回答を抑制するために,本提案手法では,質問のタイプをLLMに意識させて回答を生成させる仕組みと,AIエージェントアプローチの一つである,Self-Refineと呼ばれる枠組みを応用し,LLM自身に回答の評価とフィードバックを生成させ,そのフィードバックを反映した回答を生成させる仕組みを組み込む.評価実験の結果,従来手法と比較して,提案手法は大幅な性能改善を達成した.
学習者の主体的な歴史探索学習を有意味な学習活動(Thinking like a historian approach)へと導くためには,学習者の興味対象に応じた学習コンテンツを適応的に提供できる学習支援が必要となる.我々はこれまでオープンエンドな学びに資する大規模歴史学習リソースの構築手法と,これに基づく歴史探索学習支援システムを提案している.本稿では学習リソースと開発システムの構成を述べるとともに,システムの有用性を確認する評価実験について報告する.
本原稿では、ITSの学習者モデルに他者モデルの考えを導入した「Intelligent tutoring system with mirror agent(ITS-MA)」を提案する.ITS-MAの枠組みでは、学習者の状態と回答行動を予測することが可能であり、適応的な教育戦略への導線となることが期待できる。ミラーエージェントはドメインモデルに基づくことで簡易な動的モデルで構築可能であることを示す。また、学習者の状態と回答行動予測に基づいたモデル更新の枠組みを、モンサクンを例に挙げて説明する。