曲がり外板とは船の船首尾に多くみられる任意の形状を持つ外板で、板に木型をあてがい、加熱と冷却の繰り返しによる塑性変形で加工される。この工作手法はぎょう鉄と呼ばれるが、曲がり外板の工作精度は数個の木型を利用した職人の属人的な技能に依存している。本研究では、レーザスキャナにより得られた曲がり外板の3次元点群データと設計データを比較し、その差を可視化することで曲面全体の工作精度を評価するシステムを開発した。
著者らはソフトウェアのエンドユーザ開発を支援するための開発環境MZ Platformの研究開発を進めている。MZ Platformは、ソースコードを書かずに独自のソフトウェアを作成することが可能な開発環境であり、企業内の業務を情報化するためにその企業内でソフトウェアを作成することを指向したツールである。本発表では、MZ Platformの概要とそれを用いた企業内情報化の実例、およびMZ Platformの機能を利用したソフトウェア自動合成について紹介する。
「発明」というと、多くの人は「必死でゼロから考えて、運良く思いついたもの」と考える。しかし実は、多くの発明は「既存の技術の組み合わせ」である。ただ、単なる組み合わせでは特許として認められるような独創的な発明にはならない。そこには「新結合」(異分野技術の結合)が必要である。我々は、この「新結合」=異分野技術の結合に着目し、特許情報分析を活用することで、「強制的に」「効率良く」発明を生み出す手法を開発している。これは、一言でいうと「異分野の知」「過去の知」の活用による、「新たな知」の創出である。
環境対応車の普及が進む中、電気自動車が初のゼロエミッションビークルとして市場投入され注目を浴びている。ただし、電気自動車は走行地域での走り方によって航続距離が大きく異なる。本研究では、特定地域でのナレッジに基づき航続距離計算に用いる走行モードを特定し、航続距離を推定する手法を提案する。例題として沖縄本島における電費推定を行った。