本研究では、家庭での予習復習の促進と疑問解消を中心とした講義を行う授業のあり方について検討し、その実現に必要なノートシステムの開発を行った。開発したノートシステムでは、教材に対して学生が疑問点をメモとして記入することが可能である。2013年度東京大学工学部冬学期の「システム制御工学」に開発したノートシステムを導入したところ、学生の予習による学力向上や、教員による効果的な授業運営が可能なことを確認できた。
宮崎大学医学部附属病院は、2009年の1年間に当院の電子カルテに記録された約65000人の患者の個人情報を匿名化し、教育用電子カルテシステムを開発した。このシステムを用いて医学部学生へ実際に発生した医療ミス事例の記録を参照させ、医療ミスを防止・対応できる実践的知識を獲得させるシミュレーション教育システムの開発を行っている。今回は、臨床実習中の学生を対象とした教育結果とともに、このシステムの課題を報告する。
本研究の目的は、スピードスケート動作の可視化による滑走支援環境の探求にある。ここでは、滑走軌跡、速度、位置、加速度、腰部内傾角に着目する。これらのデータの時系列変化を可視化し、選手にフィードバックすることで、自らの滑走に対する内省支援を試みる。本稿では、可視化されたデータから読み取れる滑走特徴を考察する。また、滑走速度波形における個人差や左右差、競技性といった特徴を被験者にフィードバックした内容を示す。
知識・技術・技能の伝承支援研究会(SIG-KST)は2007年に設立されて以来,関連する研究講演を100件以上実施してきた.また,2012年からはほぼ毎回討論会を実施し,対象とする分野や技術の体系的な整理を試みている.本発表では,これまでの研究会活動から得られた知見をまとめ,考察を行う.