スポーツトレーニングにおけるトレーナーの助言はトレーニーのスキル向上において主要な役割を果たす.またビデオカメラを用いることにより,スキル習得の程度を視覚的に確認することができる.しかし,人間の言語は曖昧さや意味の多義性を持つため,トレーナーの助言をトレーニーが誤って解釈する場合がある.また瞬間的な微小動作については,ビデオカメラによる動作特定は難しい.そのため,本研究ではウェアラブルセンサを用いた定量的データの計測,分析,およびトレーニング事例を報告する.
先行研究において,ドローイングのスキル獲得を目的とした学習支援システムが構築,運用されてきた.本研究は,本システムの自動評価機能の実装および性能向上を目的として,システムによって蓄積されたデータの解析と,線種判定アルゴリズムの改良を行う.本稿では,熟練者と初心者のドローイングの比較結果をもとに行った,複雑線という線種についての新しい判定アルゴリズムの適用と結果,そして評価について述べる.
海事産業へのIoT技術導入を考える上で,その多種多様な機能を定量的に比較検討することが必要になる.本研究では,船舶運航サービスを運航・荷役・入渠の3状態でモデル化した,荷主のQCD(安全性・経済性・納期確実性)を評価軸とする船舶運航シミュレータを作成し,入力パラメータ値の変更によってIoT技術の影響を評価する手法を提案する.ケーススタディとして,実際に考案されている多種のIoT技術の導入評価を行うことで,技術成熟度を考慮した比較評価が可能であることを示した.
国際海事機関において騒音コードが義務化されたことにより,船内騒音予測の必要性が増した.船内騒音予測のひとつに,Janssen法と呼ばれる同型船の騒音計測データを活用した経験的な予測手法がある.この経験的手法にかわって,計測データの背後にある知識をニューラルネットワークにより自動学習させ,学習結果をもとに汎用性のある騒音予測を行う手法の開発を行っている.類似船の探索と類似船の騒音学習結果を用いた騒音予測精度について報告する.
本研究では,要求変更による手戻りを抑えるため,混合アジャイル開発プロジェクトの設計手法を提案する.具体的には,開発プロセスのアジリティをモデル化し,そのモデルに基づく開発プロセスシミュレータを開発した.実際の開発プロジェクトを想定したケーススタディで,手法を用いて段階的に異なるアジリティの開発プロセスを設計し,感度解析によって,モジュール独立性によらずアジリティを大きくすることの効果の有用性を示した.
惑星探査などの用途に有用とされる射出型飛翔体の実用化には,飛行経路や飛翔形態の再現性を確保できる発射台が必要になるが,その設計法は確立されていない.一方,人間の飛ばし方を模倣した発射台が有力とされているが,人間の模倣という点では多くの定性的な要素が含まれ課題も多い.このため,設計法の確立には,人間の飛ばし方の定量的記述が必要になっている.これに対し,本研究では,視線分析を用いた飛ばし方の定量的な記述法の確立を目指す.