本研究は、上場会社等による不正な財務報告(会計基準の違反行為)を行為分解木を利用してモデル化したものである。報告者は、すでに会計基準と監査基準の行為モデルを人工知能学会全国大会(2022年)で公表しているが、本報告は、その監査基準等で暗黙の前提となっている不正会計の構造やプロセスを明示する。
知識グラフ推論チャレンジでは、人手によって複数のシャーロック・ホームズ作品から、物語中の推論に必要な知識グラフが体系的に構成され、そのデータが公開されている。これらの知識グラフは、原文から結論を導くために必要な論理的推論の過程を捉えている。本稿では、このデータを基に、推理小説のプロットに対応する推理Chain-of-Thought(CoT)を抽出し、それに基づいた小説生成システムを提案する。本システムでは、推理CoTに沿った論理的推論を保持したまま、異なる表現の推理小説を生成することが可能である。これにより、知識グラフと自然言語の対応の多様性を活用した文章生成の手法を検討する。
既存の動作認識データセットでは,多くの場合,各動画に一つの動作ラベルのみが付与されており,動画に含まれる複数の動作を網羅できていない.本研究では,動画キャプション生成とメタ動画データセットMetaVDを用いた動作認識データセット拡張手法を提案する.提案手法は,大規模視覚言語モデルで生成した動画キャプションを基に,大規模言語モデルを用いてMetaVDから関連する動作ラベルを抽出し,それらとequal関係にある動作ラベルも併せて抽出して,対象動画に付与する.評価実験では,HMDB51に含まれる動画に対し,提案手法が付与した動作ラベルの復元率と人手による妥当性の検証により,提案手法の有効性を示す.
ユーザが意図する画像を生成するために,画像生成プロンプトの作成に試行錯誤を伴う場合がある.本研究では,ユーザが意図する画像を生成するためのプロンプト作成支援を目的とし,ユーザが意図する画像に類似した画像を入力として,その画像を再現するプロンプト生成手法を提案する.評価実験では,Visual Genomeデータセットから選択した画像に対して,手動で画像に対応するシーングラフを作成した.既存の評価指標であるSGScoreに,入力画像のシーングラフに含まれるオブジェクトの属性が生成画像でどの程度再現されているかを示すAttributeRecallを導入し,入力画像に対する生成画像の再現率を評価した.
大規模言語モデル(LLM)に基づく既存の対話ナビゲーションシステムは,環境知識をプロンプトに組み込むことで,環境に適応したナビゲーションを実現している.しかし,環境内の物の増加に伴い,プロンプトのトークン数が増大することで,ナビゲーション精度の低下や商用LLM 利用時の費用増加などの課題が生じている.本研究では,ユーザ欲求に関連する環境内の物の推論に基づく対話ナビゲーションシステムのためのプロンプト圧縮手法を提案する.VirtualHome を対象としたOpenEQAデータセットを用いて,提案手法の性能を既存手法と比較した結果,ナビゲーション精度の向上に加え,プロンプトの圧縮にも成功した.
本研究では、LLM(大規模言語モデル)に外部知識を効果的に統合する手法として、ナレッジグラフの変換および入力形式の違いがQAタスクに与える影響を検証した。具体的には、DBpediaのinfoboxから生成したQAデータセットを用い、自然文形式やJSON形式を含む5種類の入力手法を比較した。その結果、キーとバリューによる明確な構造化が、LLMによる必要情報の正確な抽出を促進することが判明した。一方、自然言語形式や過剰な情報を含む手法では、冗長性や情報欠落が原因で精度が低下する傾向が確認された
LODのメタデータスキーマ設計において既存タームの再利用が重視されている。しかし、従来の推薦手法は使用頻度に基づくため、タームの適用領域が考慮されず、適切なタームが推薦されにくい。本研究では、タームの全体および領域内での使用傾向を反映した新たな推薦アルゴリズムを提案し、評価実験によりその有効性を確認した。今後は語彙構造やスキーマ情報を考慮し、さらなる改良を行う。