大規模言語モデル(LLM)は情報抽出に強力だが、出力には誤りも多く、信頼性が求められる専門業務での利用には障壁がある。本研究では、人間の監督とLLMの能力を統合した知識抽出支援ツールを開発する。本手法の核心は、LLMの柔軟な「意味解釈」と厳密な「構文解析」を分離し、協調させる点にある。まずLLMがテキストを解釈し、重要な意味関係を捉えた「抽出パターン」の候補を生成する。次に、ユーザーが対話的に最適なパターンを選択する。最後に、構文解析エンジンが選択されたパターンとテキストの統語構造に厳密に従い、高精度に情報を抽出する。これにより、テキストに厳密に基づいた検証可能な知識抽出を促進する。
プログラムコードに意味的ラベルを付与する試みとしてCodeWorkout, CodeNetという試みがある。本研究では、上記の研究を参考に、プログラミング学習ツールにおいて、学習者が作成したプログラムの達成度を特徴付けすることに役立つ知識グラフを提案する。この知識グラフを用いることにより、プログラミングの授業で出題される問題とその模範解答から、問題の難易度や学習者の躓き点を整理することを試みた。
家庭内の日常生活に関するデータ分析を促進するために,家庭シミュレータVirtualHomeによるシミュレーション情報を,イベント中心知識グラフとして自動的に合成するシステムVirtualHome2KGが開発されている.しかし,現実世界の日常生活におけるイベントを構造的に捉えるためには,動画からイベント中心知識グラフを構築する必要がある.本研究では,日常生活動画を対象に,大規模視覚言語モデルを用いてイベント中心知識グラフを自動生成する手法について検討する.また,VirtualHome2KGにより生成された知識グラフと,提案手法により生成された知識グラフを比較し,提案手法の有効性を検証する.
Many entity linking methods rely on relationships and contextual information beyond the class hierarchy. However, because the quantity and quality of such information vary significantly across knowledge bases, it is not always readily available. In contrast, the class hierarchy structure is core information within knowledge bases, particularly knowledge graphs. As a result, the variation in its quantity and quality across different knowledge bases is relatively small. This research proposes an entity linking method that leverages class hierarchies, aiming to provide a baseline approach for cases where contextual information is limited. The evaluation was conducted using the DaMuEL Japanese dataset. The results confirmed that the proposed method improves linking accuracy compared to conventional approaches, especially in cases where multiple candidateentities are present.
近年,大規模言語モデル(LLM)は多様な自然言語処理タスクで高性能を示すが,論理推論では事前学習知識への依存という課題が残る.本研究では,RDFスキーマ推論規則に基づくLLMの推論能力評価手法を提案する.Linked Open Dataから構築した実世界知識データと,実世界事実を改変した反実仮想知識データを用い,単一規則および複数規則を組み合わせた推論で,三段階の規則提示方法による規則内容提示の有無で評価を行った.結果,実世界データでは高精度を示し,欠損前提を事前学習知識で補完する挙動も確認された.一方,反実仮想データでは精度が低下し,LLMが語彙や命名規則に依存する傾向が明らかとなった.
近年、我が国では手描きアニメーション(アニメ)の制作過程で生じる中間成果物のデジタルアーカイブ構築が進められている。しかし現状では、資料内部に含まれる構造情報や記述内容は十分にメタデータ化されていない。また、制作の過程で生じる資料間の関連性もデジタルアーカイブの構築プロセスにおいて反映されておらず、その制作過程の理解や追跡は人的な資料の読解に依存している。そこで本研究では、アニメの制作工程の可視化や追跡を目的として、その各工程や役割の関係と資料内に記述されたメタデータ・構造情報を記述するナレッジグラフの構築を提案する。
As LLM-based agents become more integrated into real-world workflows, ensuringaccurate task execution through collaboration is a key challenge. To address this, applyingRetrieval-Augmented Generation (RAG) with knowledge graphs (KGs) is particularly promising.However, existing KGs are often incomplete or unreliable in specific task domains, limiting theireffective- ness in supporting accurate decision-making. We tackle this limitation with a methodbuilt on three key components: (1) Autonomous extrac- tion of structured, domain-specific knowledgefrom inter-agent discussion logs; (2) Integration of this knowledge into a shared, evolvingKG; and (3) Autonomous refinement of the KG by LLM agents during task execu- tion, ensuringconsistency and enabling real-time decision-making. Preliminary results show that our method improvesrelation accuracy from 79% to 97%, highlighting its effectiveness. Future work will explorehow refined knowledge enhances task performance.
本稿では、因果ナレッジグラフ生成の基盤技術として、AI マルチエージェントと大規模言語モデル(LLM)を活用した高精度な因果関係抽出手法を提案する。従来のルールベースや統計的手法では、自然言語特有の曖昧性や複雑な文構造に起因する因果関係の抽出精度に限界があった。本研究で提案するシステムは、この課題を克服するため、ある LLM が抽出した因果関係を別の LLM が検証するという多段階のプロセスで、抽出の信頼性を向上させる。さらに、少量の高品質なアノテーションデータと、因果関係の明確な定義に基づいたプロンプトを組み合わせることで、効率と汎用性を高める。