本研究は、茶道の点前動作における「動作修復」を対象とし、動作の非流暢や誤りから規範的な手順へ戻る過程を分析した。点前は厳格な作法に従うが、実践では動作の途切れや誤りが生じ、それを修復する一連の流れがしばしば観察される。本研究では、これを「動作修復(action repair)」と定義し、筆者らが収録した映像資料からその具体例を抽出した。そして会話分析の「自己開始/自己修復(Schegloff et al., 1977)」概念や音声処理におけるRepair Interval Model(Nakatani & Hirschberg, 1993)を援用した廣瀬(2016)の枠組みを用いて修復動作の発生傾向と特徴を明らかにした。その結果、茶道特有の修復形式や、規範的動作と修復が同時進行する事例が確認され、自然な修復の在り方に関する示唆を得た。
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