人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会
Online ISSN : 2436-4576
Print ISSN : 0918-5682
104回(2025/9)
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
  • 船越 孝太郎, 小尾 賢生
    原稿種別: 研究会資料
    p. 01-08
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    参加者の対話中の呼吸運動を計測した人・人対話コーパスBinDについて述べ,BinDに含まれる呼吸信号と主観評価データを分析した結果を報告する.BinDは,知人ペア18組36名と,初対面のペア18組36名,合計72名の参加者の音声対話データで構成される.各ペアは5つの異なるセッション(映像あり遠隔1セッション,映像なし遠隔1セッション,対面3セッション)に従事した.呼吸の同調,相手に対する事前・事後の印象評定,自分と相手の性格評定について,知人ペア群と初対面ペア群の違いに着目して分析を行ったところ,表面的な呼吸同調は初対面ペア群で強く起きていたこと,相手に対する印象評定は初対面ペア群で事後に大きく向上するものの知人ペア群でのそれには及ばなかったこと,知人ペア群では自分の性格評定が事後に大きく変化したこと,が観察された.

  • 高梨 克也, 井上 昂治, 坂井田 瑠衣
    原稿種別: 研究会資料
    p. 09-14
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    身体記号学は日常生活場面でのある行為者の身体動作が他者によって理解・応答されることによって意味のある「記号になる」際の認知的・社会的プロセスの解明を目指している.著者らはこれまで,日本科学未来館での科学コミュニケータ—(SC)と来館者との相互行為場面を収録したマルチモーダルコーパスである「SCコーパス」を対象として,そこで特徴的な移動や指さしの場面を対象としたアノテーションと分析を行ってきたが,身体の対象物との関わり方という観点は不十分であった.そこで,教示者による対象物を用いた身体動作が学習者にどのように理解されたかが学習者の身体動作を通じて観察可能になる場面として,風呂敷包みの教示場面を実験的に設定した「風呂敷コーパス」を収録した.本稿では,このコーパスについて,収録デザインや,データ共有・公開を前提とした実施手順,収録されたデータの概要と特徴について紹介する.

  • 入江 陸右, 目良 和也, 黒澤 義明, 竹澤 寿幸
    原稿種別: 研究会資料
    p. 15-18
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    精神的不調を周囲に隠している,あるいは本人に自覚が無い段階で早期に察知できれば,早期の受診や治療によって重篤化を防ぐことが可能である.しかし,従来手法では皮膚温度や心拍数など接触型デバイスを用いなければ計測できない情報からの推定が主であった.そこで本研究ではマイクおよびカメラなど非接触デバイスで取得できる表情および発話音声を用いて,個人が隠している緊張状態を推定する手法を提案する.実験では,被験者による自己申告を基準として緊張度をラベル付けし,機械学習モデルを構築した.その結果、表情と音声の両情報を組み合わせることで正解率0.74の推定モデルを得ることができた.さらに,緊張が表情に出やすい人と口調に出やすい人が存在する可能性に着目し,各特徴量に対する有意差検定を行った結果,表情筋が弛緩していると表情から緊張が認識しづらい,相手を向いて話していると緊張が口調に出やすいという傾向が確認された.

  • 市川 諒
    原稿種別: 研究会資料
    p. 19-24
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本稿では、生成AIとの対話を通じて語りが再起動する過程を、構造モデル「Externalized Cognitive Loop(ECL)」として記述する。ECLは、語りや意味の崩壊から出発し、問いの外在化と構文的応答を経て、思考が再帰的に回復する知的ループである。本研究では、ChatGPTとの応答記録に基づき、ECLの5+1段階(崩壊・刺激・外在化・回収・仮自己化・再帰)を構文的に可視化し、再起動プロセスの実証を行う。ECLモデルは、生成AIが問いの意味を即時に定義せず、構造として保持・循環させる応答構造を備えており、これはHCI・教育支援・知的回復支援への新たな設計原理として応用可能である。本稿自体がその外在化過程を記述した構文的共創の成果でもある。

  • 尾崎 萌子
    原稿種別: 研究会資料
    p. 25
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    子どもの自然発話データを収集し、社会的・文化的な文脈の中で言語使用の実態を明らかにすることは、社会学、心理学、言語学、人類学など多くの分野にとって重要な課題である。しかし、自然発話データの収集は、量的・質的な両面において多くの困難を伴う。特に量的分析を可能にする十分な規模のデータを得るには、そもそも参加者を集めること自体が容易ではなく、さらに子どもを対象とする場合には保護者の理解と同意を得る必要があり、倫理的配慮も含めて慎重な対応が求められる。本講演では、こうした困難な状況下で、いかにして子どもを対象とした自然会話データを収集し、質・量ともに信頼できるコーパスを構築するか、その実践的な手法について紹介する。具体的には、倫理的配慮を前提とした研究デザインの工夫、被験者および保護者の負担を最小限に抑えつつ、自然な発話を引き出すための場面設定や収録方法、さらに収集したデータを効率的かつ多面的に分析するためのツールとして、MAXQDA等のソフトウェア活用についても概説する。また、実際に登壇者が行っている、日米の親子による絵本の読み聞かせ場面を対象としたデータ収集と分析の取り組みを紹介する。この研究では、親子の自然なやりとりを通して、子どもが言語を媒介として社会の一員としてふさわしい行動や価値観を学び、同時に自らも社会的関係に働きかけていく「言語社会化」のプロセスに着目している。講演では、こうした視点から見た日本人とアメリカ人の親子の会話の特徴や文化的背景の違い、さらには子どもの社会的・情動的発達に与える影響について、現時点で得られている知見を報告する。

  • 鈴木 佳奈, 下西 真代
    原稿種別: 研究会資料
    p. 26-30
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    公の場で子どもに適切にふるまわせることは,親にとって大きな悩みの種となりうる。本研究では,未就学の子どもとその親が絵本読み聞かせ実験に参加した際の会話を用いて,実験中の子どもの発言や行動を親が「この場では不適切」と見咎めるやり取りから,子どもの監督者である親自身のふるまいとその背後にあると考えられる意識を明らかにする。使用したデータセットでは,子どもが収録機材に興味を示す場面と,子どもが突然に「終了意思表示」をすることによって,研究者の指示通りに読み聞かせ活動ができなくなる状況で,親から子どもに向けた「注意」(高梨2016)が生じやすい。当日の発表では特に後者を取り上げ,親がどのような言語的表現を用いて説得するのか,またその説得が成功するか否か(子どもが翻意・妥協するか)を会話分析の手法で確認する。その上で,子どもの監督者であると同時に実験協力者でもある親の二方向への指向性について論じる。

  • 新保 冴弥, 坂井田 瑠衣
    原稿種別: 研究会資料
    p. 31-35
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究は,遊園地におけるスタッフと子どもの来園者との接客場面に注目し,スタッフが遊具の操作と子どもとの会話という二重の関与(dual involvements; Raymond & Lerner, 2014)にどのように対処しているのかを明らかにすることを目的とする.スタッフはいくつかの制約のもとで来園者に接客する必要がある.例えば観覧車では,特定のタイミングで遊具の操作を行いながら来園者を案内し乗車させなければならない.また,子どもとの接客では,会話の連鎖を開始・拡張し,楽しませようとする様子も見られる.本研究では,こうした制約の中でスタッフがどのように行為を調整しているのかを相互行為分析を用いて明らかにする.分析の結果,スタッフは操作のための時間的制約の中で会話を挿入・展開しつつ身体的志向を調整してそれぞれに関与し続けることで,遊具の操作と子どもとの会話という二重の関与に対処していた.

  • 神谷 眞夕美, 花元 宏城
    原稿種別: 研究会資料
    p. 36-41
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    近年の言語発達研究では、幼児と大人の相互作用における「マルチモーダルな共同注意」能力の発達が幼児のその後の認知および言語能力の基盤形成に重要な役割を持つことが明らかになっている。これまでの研究を概観すると、研究の多くが第一言語発達時期での調査である一方、同時期での第二言語環境下における母親と幼児の共同注意場面を探った研究はあまりない。そこで本研究は大人もしくは幼児がどのような共同注意行動をとり他者の意図を理解しているのかを探るため、英語教室の幼児クラスに通う5組の母親と幼児、そして講師とのインタラクションを観察し分析を行なった。分析の結果、第二言語環境下においても幼児は指さしによって大人との共同注意に繋げるだけでなく、交互凝視をすることで共感に至ることも明らかになった。発表では、3つの実例を基に彼らがどのような共同注意行動をとり他者の意図を理解しているのかを紹介したい。

  • 加藤 恵梨
    原稿種別: 研究会資料
    p. 42-46
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究は、『子ども版日本語日常会話コーパス』(CEJC-Child)を調査資料とし、日常会話で多用されるフィラー「あの」を子どもがどのように用いているのかについて、子どもの年齢・月齢別に、形式、出現数、出現位置、機能、その後の発言内容に注目して明らかにすることを目的とする。分析の結果、月齢が低いときには「あの(ね)」をターンの冒頭で用い、その後に意思表示をしたり、話題を切り出すことが多いが、月齢が高くなるに従い、聞き手にわかりやすく説明しようという思いから、言葉を選んだり、言葉をつけ足したりする際に用いる言葉選びの「あの」の使用が多くなっていることなどがわかった。

  • 田中 弥生, 居關 友里子
    原稿種別: 研究会資料
    p. 47-51
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究は、修辞機能分析の分類法によって修辞機能と脱文脈度の観点から子どもの行為要求表現の特徴を分析するものである。現在国立国語研究所で構築中の『子ども版日本語日常会話コーパス』に収録されている家族会話データを分析対象として、談話行為情報が「行為要求」に相当するラベルに分類された親の発話について、さまざまな修辞機能が用いられていることが先行研究で明らかになっている。本研究では、弟のいる幼稚園児の発話に焦点を当て分析を行った。その結果、基本的にはその時その場での子どもの自身の欲望に基づく脱文脈度の低い表現が用いられているが、兄であることを意識した別の脱文脈度の表現も見られることが確認された。

  • 丸山 慎, 吉村 麻美, 中村 秀紀
    原稿種別: 研究会資料
    p. 52-57
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究の目的は,乳児期の子どもがどのように楽器に埋め込まれた文化的な価値を学習していくのかを明らかにすることであった.この目的のために,本研究では「子どもの音楽的行動の発達に関するデータベース」(ヤマハ音楽振興会所蔵)から2組の親子ペアを選択し、楽器等を用いて約10分間、親子で自由に遊んでいる場面で生起した行動について,生後約1年間分のデータを分析した。その結果,子どもが楽器を一般的な方法で扱うようになるまでの間,彼らは親の見本行動を即座に模倣していたのではなく、様々な探索的行動を示していたことが明らかになった.このような結果をもとに、乳児は親とのコミュニケーションのなかで探索行動を活性化させ,楽器に埋め込まれた文化的な価値を学習する契機を得ているということ,そしてこのような学習のありようが,乳児と楽器とを結びつける「感覚運動的共感」という視点から理解されうることが議論された。

  • 大島 直樹, 徳永 弘子, 武川 直樹
    原稿種別: 研究会資料
    p. 58-62
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究は、「発言しづらさ」が潜在的に存在する会議の場に対し、傍聴型ロボットによる"空気に抗う"参与を通じて、生産的な会話を支えるアサーティブな行動(自己主張と他者配慮の両立)を促すことを目的とする。発表では、研究課題の背景と着想を共有し、発話抑制が生じる典型的な3つの状況(専門知識の有無、会話交替の速さ、上下関係の有無)をモデル化した会話実験の準備状況を報告する。今後は、参加者の性格特性に基づく場面分析と、ロボット参与の設計へと展開する計画であり、社会的抑制要因と介入技術との相互作用について、理論的・実践的に展開していく計画である。

  • 三野 星弥, 伴 碧, 吉川 雄一郎
    原稿種別: 研究会資料
    p. 63-68
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    近年,人と親密な関係を築ける対話ロボットの実現が期待されている.人同士の関係構築に関する先行研究では,他者に対する否定的意見の共有が,話者間の関係の親密化に重要であると報告されている.これを受け,本研究では他者に対する否定的意見をユーザと共有する対話ロボットを開発し,本ロボットがユーザと親密な関係を構築できるかを調査した.対話実験の結果,本研究の仮説に反して,ロボットが否定的意見を共有することによる有意な関係構築効果は認められなかった.これに対し,人同士の対話における先行研究の知見が,人-ロボット対話に適用されなかった理由として,ロボットが他者への否定的意見を述べることは,人間の場合よりも倫理的に特に許容されにくい点にある可能性を議論した.本研究の知見は,人との親密な関係構築を指向する対話ロボットの設計において,重要な洞察を与えることが期待される.

  • 金山 凜吾, 三野 星弥, 伴 碧, 吉川 雄一郎
    原稿種別: 研究会資料
    p. 69-75
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    近年,人同士の関係構築を支援する対話システムへの関心が高まっている.本研究では,対話システムがユーザとの対話中に,その場にいない他者に関する情報を提示し,ユーザと対象人物との関係構築を促す他者情報共有手法に注目した.この手法により関係構築を効果的に支援するには,ユーザにとって興味深い人物情報の選択的共有が重要であると考えられる.そこで本研究では,数ある人物情報の中からユーザの興味度が高いと推定された情報を動的に選択・共有する対話システムの実現を目指した.我々は,これまでに構築した興味度推定モデルとRAG手法を統合することで,ユーザの興味度が高いと推定された人物情報を対話内容に合わせて自然な形で共有するLINEチャットボットシステムを開発した.対話実験の結果,本提案チャットボットは,ユーザの対象人物に対する興味および関係構築意欲を向上させる可能性が示唆された.

  • 大角 彩乃, 岡本 雅史
    原稿種別: 研究会資料
    p. 76-83
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究は、茶道の点前動作における「動作修復」を対象とし、動作の非流暢や誤りから規範的な手順へ戻る過程を分析した。点前は厳格な作法に従うが、実践では動作の途切れや誤りが生じ、それを修復する一連の流れがしばしば観察される。本研究では、これを「動作修復(action repair)」と定義し、筆者らが収録した映像資料からその具体例を抽出した。そして会話分析の「自己開始/自己修復(Schegloff et al., 1977)」概念や音声処理におけるRepair Interval Model(Nakatani & Hirschberg, 1993)を援用した廣瀬(2016)の枠組みを用いて修復動作の発生傾向と特徴を明らかにした。その結果、茶道特有の修復形式や、規範的動作と修復が同時進行する事例が確認され、自然な修復の在り方に関する示唆を得た。

  • 森本 郁代, 堀内 靖雄
    原稿種別: 研究会資料
    p. 84-89
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    本研究では、日本手話会話における語り中のTCU末における聞き手の反応に焦点を当て、語り手が聞き手からの反応をどのように引き出しているのかを分析した。その結果、TCU末の直前までに聞き手が頷きなどの反応を示している場合と、示していない場合とで、語り手のふるまいが異なることが分かった。前者では、語り手はそのまま次のTCUを産出していたが、後者の場合は、語り手はTCU末の手形を保持し、聞き手が頷きなどの反応を返した後に保持を解除して次のTCUを産出していた。このことは、日本手話において、手形の保持動作が、聞き手の反応を引き出す手段として利用されていることを示している。

  • 牧野 遼作, 阿部 春香, 岩崎(前田) 惇美, 落合 哉人, 坊農 真弓
    原稿種別: 研究会資料
    p. 90-94
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    これまでの視覚手話/指点字研究は、通訳者が言語変換を超えて相互行為を媒介し、参与役割や情報アクセスを調整する役割を示してきた。これに対して本研究は、盲ろう者インタビューにおける指点字通訳の「音声発話から指点字への変換」がどのような時間構造で組織されるかを定量記述する。通訳者2名が交替する映像データを対象に、会話分析のターン構成単位で聴者発話を区切り、発話開始・終了と指点字通訳開始・終了の時刻差をアノテーションした。結果、通訳開始は発話開始から平均0.79秒(SD=0.77)後に立ち上がり、発話終了前(平均-0.28秒, SD=1.12)に着手する例が多数を占めた。これは、指点字通訳は、意味の通訳ではなく、情報アクセスを維持するために、音声発話から指点字への変換実践として機能していることを示唆する。

  • 相良 陸成, 寺尾 光一郎, 岩橋 直人
    原稿種別: 研究会資料
    p. 95-98
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    近年、複数の大規模言語モデル(LLM)を協調的に活用し、問題解決能力の向上や高精度な社会シミュレーションの実現を目指す研究が注目を集めており、数多くの重要な知見が蓄積されつつある。これらの知見を統合し、LLM集団の振る舞いに関する統一的な理解を確立するためには、その基盤となる数理的原理の解明が不可欠である。本研究では、統計力学に基づく枠組みを用いて、LLMエージェント集団のダイナミクスを体系的に分析する。対立する意見を持つエージェント間の対話を通じた合意形成に着目し、ネットワーク構造やエージェントのパーソナリティの変化によって誘発される相転移を明らかにする。さらに、エージェント間のペアダイナミクスを、各エージェントの個別のパーソナリティ特性を捉える解釈可能な要素に分解する手法を提案する。

  • 寺尾 光一郎, 相良 陸成, 岩橋 直人
    原稿種別: 研究会資料
    p. 99-103
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    心の理論に基づく共同行為の実現は,大規模言語モデル(LLM)が人間と協力するための重要なステップである.しかし,LLMにおいて,他者の視点や信念を考慮して行動計画を自律的に生成することはいまだ困難である.本研究では,心の理論を備えた身体化LLMエージェントによる自律的な共同行為の実現を目的とし,オンラインで行動計画を立案・調整する分散型逐次意思決定手法ToM-JAC(Joint Action Control with Theory of Mind)を提案する.提案手法の有効性は,マインクラフト環境における二者間の共同行為タスクを通じて検証した.

  • 井上 昂治, Elmers Mikey, Fu Yahui, Pang Zi Haur, Lala Divesh, 越智 景子, 河原 達也
    原稿種別: 研究会資料
    p. 104-109
    発行日: 2025/08/25
    公開日: 2025/08/25
    会議録・要旨集 認証あり

    ターンテイキング予測モデルは、音声対話システムや会話ロボットにおいて不可欠な要素である。近年の手法では、トランスフォーマーベースのアーキテクチャであるVoice Activity Projection(VAP)が活用され、連続的かつリアルタイムな予測が実現されている。本研究では、テキストプロンプトによりターンテイキング予測を動的に制御可能な新たなVAPモデルを提案する。これにより「より速く」や「より落ち着いて」といった直感的な制御が可能となり、会話相手や状況に応じた柔軟な適応が実現される。既存のデータセットにはテキストプロンプトが含まれていないため、950時間の音声対話データに対して、大規模言語モデル(LLM)を用いて合成プロンプト文を生成して活用した。実験の結果、提案モデルは予測精度を向上させるとともに、プロンプトに応じてターンテイキング予測が直感的に変化することが示された。

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