農業機械学会誌
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42 巻, 1 号
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  • 飯本 光雄, 松尾 昌樹
    1980 年 42 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    機関燃焼室内の燃焼圧測定による指圧線図からポリトロープ指数を求め, さらに機関燃焼室内の燃焼温度 (温度曲線) と熱発生率を推定することによって, ナタネ油が軽油よりも燃焼が早く完了して排気温度が低くなることを確認した。また, 燃焼最高圧やピストンリング等の摩耗量などナタネ油が軽油よりもすぐれていることを示した。
  • すべり線解法による理論解析
    橋口 公一, 岩崎 浩一
    1980 年 42 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    トラクタが畦畔上を走行する場合におけるように従来の半無限体に対する支持力解を適用しえない場合がしばしば見受けられる。そこで, 著者らは種々の形状の無限体を対象にすべり線解法の適用により, その支持力の解析を進めている。既報においては, 単一荷重に対する截頭くさび状の無限体の支持力解を明らかにしたが, これは特に, 畝上を走行するトラクタの支持力あるいは単一荷重による機械要素の押込み加工力の推定に適用しうると考えられる。さらに本研究においては畦畔上あるいは片側斜面となっているほ場の斜面近くをトラクタが走行する場合などに相当する四半無限体から半無限体にわたる一連の無限体の支持力を理論的ならびに実験的に究明する。まず, 本報では上記の一連の無限体を対象にこれに帯状荷重が作用する場合について, 新たなすべり線場を設定し, これに基づいて支持力解を与え, 同時に, その数値計算結果を示す。また, 第2報では, 供試材料の強度特性および形状要素を一連に変化させたモデル実験を行ない, その実測結果を示すとともに本報における理論解析結果の実際現象への適合性の検証を行なう。
  • 平地における2輪トラクタの実験
    中尾 清治, 田辺 一
    1980 年 42 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    沈下する車輪の横すべり角の値を予測するために, コーナリングフォースに関係する値の推定式の適合性を平地で2輪トラクタを用いて実験した結果, 農用空気タイヤの横すべり角約10°以下では, その推定式に車輪の接地面の最大摩擦係数を, それ以上ではすべり摩擦係数を用いるとよく適合した。横すべり防止板付きの鉄車輪では, その板に土壌が固着して効果がなく, 農用空気タイヤの場合とほぼ同じ傾向になった。
  • 単体走行の場合
    伴野 達也, 守島 正太郎
    1980 年 42 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究は斜面におけるトラクタの動的な挙動を解明するために, 初段階としてトラクタ単体の走行軌跡の解析を行なったものである。斜面での走行軌跡はトラクタの後輪荷重, 輪距, 重心の高さ, 駆動輪の推進力, 傾斜角および車輪と路面の抵抗や動力伝達系の抵抗などの広義の摩擦抵抗係数によって求めることができ, この理論走行軌跡は実験走行軌跡とほぼ一致することが認められた。
  • 単一履板の前進力
    小松 実
    1980 年 42 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    傾斜面を有する軟弱砂地, しかも特殊作目が主体である砂丘農地では, 小型トラクタによるけん引走行の作業比率が高い。着脱式クローラユニットの使用を想定し, 特定作目の栽植条件を前提に履板可変因子をグローサ高さ, グローサ角及び接地圧として単一履板の発生する前進力を実測し, 因子効果を検討した。これらの結果から, 前進力を予測する実験式を求め, ユニット構成のための一資料とした。
  • 江崎 春雄, 上野 正実, 湯沢 昭太郎, 余田 章, 市川 道和
    1980 年 42 巻 1 号 p. 43-49
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    土付苗用田植機の苗マットの力学的特性の一つとして測定が容易で現場などで活用しうる実用性の高い物性値として“たわみ特性”に関して, 自重によるたわみとその経時変化および集中荷重によるたわみ特性について実験を行い, 苗マットの力学的な強度を示す指標の一部を明らかにした。
  • 4節リンク式植付け機構の理論解析
    梅田 重夫, 穂波 信雄, チャウ ビン・ダック
    1980 年 42 巻 1 号 p. 51-56
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    4節リンク機構からなる田植機の植付け機構に関する動特性として, 植付け部のクランク軸トルク変動および植付け部の振動特性を明らかにした。第1報では4節リンク機構に関する運動方程式を求め, 数値計算の結果から植付け部のクランク軸トルク変動や植付け部における不つり合い力 (加振力) などを明らかにした。第2報では植付け部のクランク軸トルクおよび加速度を測定し, 前報の解析的結果と比較した。また, 第1報で求めた運動方程式を用いて, クランク軸回転速度変動を考慮したクランク軸トルク変動の数値計算を行ない, 植付け機構に関する実際的な動特性を予測するのに有効であることを確かめた。
  • 穀粒袋の開発と穀粒の充填
    鈴木 正肚, 江崎 春雄, 今園 支和, 杉山 隆夫, 間中 正雄
    1980 年 42 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    自動袋詰装置の開発と併行して, 自動的に充填可能な穀粒袋を開発した。最終的に試作した袋は, 現在多く普及している穀粒袋とほゞ同じ大きさであり, 取扱い性も良好で, 実用に供試得ると考えられる。
    また, できるだけ多量の穀粒を充填するために袋のつり下げ方法を検討し, 穀粒の振動による充填などについて実験的に適正値を求めた。
  • 平行矩形板による根菜収穫の模型実験
    古谷 正
    1980 年 42 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2枚の平行板により根菜を収穫できるか, また収穫の可否を決定する要因は何かを明らかにするために, 根菜を模擬したシミュレータと矩形板による収穫装置とを供試した模型実験を行なった。実験の結果, 矩形板の間隔を広くすれば土壌への貫入深も深くする必要があり, 両者の間には対数関数で近似できる関係のあることが明らかになった。
  • 茎桿の理工学的特性
    泉 裕巳, 秋永 孝義, 国府田 佳弘
    1980 年 42 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    サトウキビの栽培・収穫・輸送・加工などの機械化を図るためには, 形状・物性等の基礎的資料が必要である。本研究では, サトウキビ (NCo376) の物性を, 主として万能材料試験機を用いた, 貫入試験, 引張試験, 圧縮試験により求めた。さらに, サトウキビ収穫機のロータリ型ベースカッタ設計の基礎資料を得るために, ロータリ型切断試験装置とアイゾット試験機を改造した切断試験機を試作して, 茎桿の切断エネルギを測定した。第1報では, サトウキビの形状とそれぞれの物性値の相互の関連について, 第2報以下では, 茎稈の切断エネルギと回転刃の形状, さらに物性値との関連について述べる。
  • 試作と諸元の決定
    荒牧 利武, 安部 武美, 山下 淳
    1980 年 42 巻 1 号 p. 75-83
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    いわゆる切込刃などの在来の刈払機用刈刃の欠点は, 短時間のうちに摩耗や刃こぼれを生ずることであり, 摩耗によって切断角が大きくなった刈刃は, 目立てしても切れ味が充分に回復しない。また, 刈刃の回転と作業動作に伴って生ずるジャイロ偶力が意外と大きく, これによる疲労の問題も無視できず, 安全性の点でも大いに問題がある。一方, ナイロンカッターは, 安全ではるが, 耐久性に乏しい。本報のピアノ線刃による草刈装置は, これらの欠点をいくらかでも除去しようとの意図から考案されたもので, 機構の主体は, ピアノ線刃を円盤周部の取付環に回動自在になるように取り付けたことにある。
    本報では, ピアノ線刃の構成並びに諸元を決定するための実験を行い, 実用化の可能性を考察した。続報では, 高速度写真などによる, 雑草に対する切断特性を明らかにし, さらに作業者が受ける生体負担及びそれに関与する諸要因を調べた結果を報告する。
  • 試作の制御装置を備えた摘採機の圃場実験結果について
    中川 健治, 中野 不二雄, 堀部 和雄, 大下 誠一, 近藤 一行
    1980 年 42 巻 1 号 p. 85-89
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    第2, 3報で述べた二種類の刈刃位置自動制御装置を実用性を考慮してあらたに製作し, これを装備した乗用形摘採機を用いて摘採作業をしその性能を調べた。その結果機能的には電油サーボ機構が一段と優れた作業性能を示したが, 一方, オンオフ制御も調整よろしきを得れば作業精度も良好で, その取扱いや経済上の有利さを考慮すると, やはり現時点では最も実用性が高いという結論を得た。それでこれが装置の適切な利用法についても言及してみた。
  • 割れ率測定法の検討
    山口 信吉, 山沢 新吾, 若林 嘉一郎, 柴田 利治
    1980 年 42 巻 1 号 p. 91-97
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究は, 米粒の内部応力割れ機構の解明を目的として, 水分の脱着 (乾燥) または収着 (吸湿) による米粒の割れ率の変化を実験的に追求したものである。
    この第1報では, 次の諸実験を行い, その結果に基づいて続報における米粒の割れ測定方法を統一した。(1) 同一玄米試料の胴割れ粒数を多数の人に測定させ, 測定値の個人差を調査した。(2) 割れ粒の判別にX線法の応用を試みた。(3) 乾燥後における, 米粒の割れ率の変化 (増加) と米粒の貯蔵条件との関係を調べた。
    第2報および第3報では, 第1報で確立した割れ測定方法を駆使してさまざまな条件下における米粒の割れ率の時間的変化を観測し, その結果を吟味する。
    最後の第4報では, それらの観測結果を総括し, 乾燥および吸湿過程における米粒の応力割れ機構の解明を試みる。また, その機構に基づいて, 実際的米の乾燥方法を定性的に考察する。
  • 特に, 乾燥後の放冷過程におけるもみ中玄米の胴割れについて
    三輪 精博, 小林 一, 金本 正和
    1980 年 42 巻 1 号 p. 99-107
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    pF=6.24で, 仕上げ水分まで乾燥したもみを, pF=6.50の過乾燥とpF=5.50の吸湿になるように調湿した密閉容器中で放冷して, 一定時間ごとに撮影したX線写真から胴割れ発生の状態を詳細に観察, 測定した。また, 胴割れ粒の胚乳表面を顕微鏡で観察した。
    胴割れは放冷初期に多発し, 6時間目の全胴割れ率は過乾燥21.4%, 吸湿91.2%となった。割れは, 粒の長軸の中央部に短軸に平行に生じ, 過乾燥では粒の腹側に, 吸湿では幅の中央部に, 多く見られた。
  • 習熟理論の適用による選別人適性の推定法とロット内の品質分布が選別基準に及ぼす影響
    秋元 浩一, 黒田 佐俊
    1980 年 42 巻 1 号 p. 109-113
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    カキ果実を用いて青果物の等級選別作業に習熟理論を適用し, 考察した結果, 人間の選別基準のふれの大きさには個人差があり, 訓練によってこのふれの大きさは小さくなるが, その速度にも個人差があることがわかった。これらを利用して選別人としての適性を早期に推定する方法を考えた。また, 選別対象のロットの品質分布の違いが, 人間の選別基準に影響する事実を示し, 今後の等級選別改善の資料を提示した。
  • 中馬 豊, 志賀 徹, 守田 和夫
    1980 年 42 巻 1 号 p. 115-120
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    カキ選果施設の等級選別工程は今なお専ら人手に依存し, 客観的判定に基づく機械化が待たれている。本報は果実の光反射特性を等級選別に応用するための問題点を明らかにし, その基礎資料を示したものである。特にカキ果実の選別では表面の色調が重視されるため, 果皮の色調と光反射特性の相関が明らかにされた。これよりクロロフィル吸収帯である波長680nmにおける分光反射特性が最適指標として検討され, 良好な表面色の判定結果が得られた。また多方向より色むらを補正する必要があること, 成熟段階により分光反射特性は異なる経日的変化を示すこと, 等の実用化にあたっての重要な知見が見出された。
  • 実験式の係数j・kによる濾過特性の解明
    清水 浩, 武田 純一
    1980 年 42 巻 1 号 p. 121-125
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    第1報で確定した実験式の係数j・kを, 第2報で扱った多数例実験について算定した。対象とした豚糞の分散液では, 係数jはほぼ一定値であり, 常数化できることがわかった。よって, 係数kによって, 濾過条件によって定まる濾過流量の経時変化曲線の形を代表示した。家畜糞の分散液の濾過では強度の圧縮性ケーキを成形するので, つまりは, その目づまりの過程を係数kから把握した。
  • 竹園 尊, 天野 憲典
    1980 年 42 巻 1 号 p. 127-133
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    寒地において太陽熱のみを暖房源とするソーラグリーンハウスの開発研究の一貫として, ハウス内に設置する断熱透過層を利用した集熱方式について理論的並びに実験的にその特性を解明し, 集熱装置の構造及び運転操作に関連する要因の効果を測る簡便な一つの方法を求めるとともに, 実際のハウスに設置した実証実験を通じて, 本装置が日射量の低い水準でも効率的な集熱特性を持つ点を明らかにした。
  • 鳥巣 諒, 木村 茂信, 田代 克己
    1980 年 42 巻 1 号 p. 135-140
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    牛ふんの急速堆肥化過程の初期段階において, 仕込み含水率と通風量が, 発酵温度に与える影響の大きさとそれらの適正範囲を明らかにするため, 実験計画法を適用して回分実験を行った。通風量は発酵温度に対して初期含水率の倍の影響を与えしかも, 両者の交互作用が存在することが確かめられた。したがって, 適正な通風量と含水率の範囲は, 各要因について独立に定めることはできない。今回の実験の範囲では最適水準の組み合わせは (120l/min・m3, 60~65%) であった。
  • 石束 宣明
    1980 年 42 巻 1 号 p. 141-148
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    農業生産技術の地域適応性を明らかにする方法としてコンピュータシミュレーションがあるが, その際, 対象とする地域の気象条件をランダムに農業生産システムモデルに与える必要がある。そこで, 農作業に関するシミュレーションに使用することをねらいとした気象モデルを作り, 気象シミュレーションを行なってモデルの妥当性を検討した。
  • 清水 浩
    1980 年 42 巻 1 号 p. 149-152
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 42 巻 1 号 p. 153-176
    発行日: 1980年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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