我国の中・小型トラクタは, ロータリ耕を主体として開発され, 標準リンク装備とは異なる特殊な3点リンクを採用している。筆者らは, これを和式3点リンクと仮称し, 従来の標準3点リンクと区別している。この研究は, ロータリ耕用3点リンクの作動特性, 力学特性を明らかにし, トラクタ本体との関連のもとに, これらの合理的設計指針を得ることを目的として行ったものである。
本報では, 通常行われる自由リンク状態での作業において重要な仮想ヒッチ点に関し, 耕深の変化に対する幾何学的特性, 作動特性の現状を明らかにし, 調査資料をもとに実在トラクタにおける傾向を述べた。続報において, 安定なロータリ耕を行うための仮志ヒッチ点位置の制約条件, 3点リンクの合理的設計指針を明らかにする。
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